膵臓がんのオリゴメタ(少数転移)

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オリゴメタとは

がんが他の臓器に転移をしている場合、仮に転移した腫瘍を手術で切除したとしても、すでにがん細胞が全身に回っているため、次から次へともぐらたたきのように新しい転移巣が現れてきます。

ですから手術は無駄、手術はしても長生きはできないということで、抗がん剤治療しか選択肢がありませんでした。これをがんの「全身転移説」と言います。

しかし近年、 臓器への転移が2から3個であれば、切除して長生きすることができる、そういった症例が増えてきました。これをがんのオリゴメタ転移(少数転位説)と言います。

オリゴメタであれば、手術をすることによって余命を伸ばすことができ、また10年以上の長期にわたって生存することも可能になってきます。完治する可能性もゼロではありません。

膵臓がんのステージ4で手術ができないと言われても、もしかするとオリゴメタなのかもしれません。膵臓がんでは約3割程度がオリゴメタではないかという説もあります。

私のこのブログでも、3年前からオリゴメタについて紹介をしてきました。

オリゴメタに関する佐藤先生の動画

次回の講演をお願いしている佐藤典宏先生が YouTube でオリゴメタについて解説をされています。膵臓がんのオリゴメタについても言及されていますよ。

 

  • 膵臓がんのオリゴメタについての最近の研究を紹介
  • 膵臓がんにもオリゴメタもあるということで、切除する例が増えてきています。
  • 特に肺に転移した症例ではオリゴメタが比較的多いということが分かってきました。
  • 膵臓がんの肺転移に対して切除した症例を集めて検討したところ、生存期間の中央値が51ヶ月から121ヶ月という風になっていました。
  • 四年以上、なかでも長い方では10年以上生存する場合もあるという結果でした。

膵臓がんで手術ができない。しかし、もしかしたらオリゴメタかもしれないと考えたとき、どうすればよいのか、そうした助言もされています。

前回の『膵臓がん患者と家族の集い』Web交流会でもこのオリゴメタについて私が少し紹介したことでした。

次回の講演は、この佐藤典宏先生

9月21日は、佐藤先生のWeb講演会です。あなたもぜひZoomで参加してください。


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膵臓がんのオリゴメタ(少数転移)” に対して4件のコメントがあります。

  1. 小寺美紀 より:

    PS: この記事によると、東北大学の研究では①同時切除は行わない,②肝転移があれば,視認可能な肝転移巣を先に切除する,とあります。なぜ二回に分けるのがよいのか、ますますわからなくなってきました…。

    https://www.micenavi.jp/jsgs74/search/detail_program/id:2757

  2. 小寺美紀 より:

    本日の勉強会、ほんとうに勉強になりました。企画いただき、感謝しています。ありがとうございました。私としては、肝転移のある場合の手術について、オリゴメタなら可能性があるという解釈で手術を提案されたのかと喜んでいたのですが、ガイドラインとあわせて確認が必要なこともわかり、よかったと思っています。

    2020年8月30日の、オリゴメタに関する記事に添えられている棒グラフにも肺転移と肝転移の手術成績が示されていて、肺転移の方がずいぶん予後が良好であることがわかります。しかし肝転移でも手術が行われていて、中央値が20-40か月であれば、抗がん剤だけの治療よりも長い生存期間となっているのでは?とも思えたりするのですが、恥ずかしながら、このグラフの読み方がよくわかりません。肝転移の手術について、24.5+32.5+40=合計97例のうち、40か月の生存例が40例あるということですか?40か月以上については、まだデータがそろっていないのか、40か月が最長ということなのかも含めてよくわかりませんでした。ご教示いただけば幸甚です。

    1. キノシタ より:

      このグラフは、縦軸が生存月数で、横軸には各患者を並べています。
      肺転移では、生存期間が121~51ヶ月までの患者6人の生存期間がランダムに並んでいます。
      肝転移では、3例がオリゴメタと考えられ、初回治療後(手術後ではない)の生存期間が、24.5,32.5,40ヶ月ということでしょう。

      「同時切除は行わない」というのは、少数の肝転移があってもオリゴメタかどうかはわからないから、経過を見るために初回は局所の手術をするという考えでしょう。

      「膵癌診療ガイドライン2019」から
      3.肝転移再発,その他の再発
      肝や腹膜,遠隔リンパ節転移などは原発巣切除後の再発時期が早く,通常は多発転移となるため切除適応はない 1, 9)。また切除を行っても上記のように予後が不良である。肝のオリゴ転移再発の切除で長期生存が得られる場合があるが,ほとんどが症例報告である 3, 12)。

      上記3)の論文
      古瀬純司.膵癌のオリゴ転移に対する治療.癌と化学療法 2017; 44: 827-30. (ケースシリーズ)
      要旨
       通常型膵癌(膵腺癌)は一般に進行が早く,遠隔転移が1か所でもあれば通常切除適応はなく,化学療法が選択される。しかし膵癌原発巣切除後1~5年で孤立性転移を認め,転移巣の切除で長期生存した例が報告されている。オリゴ転移膵癌に対する切除の前向き研究において,肝あるいはリンパ節転移例における切除では10%程度に5年以上の長期生存が得られている。 原発巣切除後の転移に対する再切除あるいはラジオ波焼灼療法施行例では, 肝転移や残膵再発に比べ肺転移で再々発が少なく,長期生存が得られたとの報告がある。通常型の膵癌においてはオリゴ転移の概念や治療戦略について十分な検討もコンセンサスもないが, 孤立性肺転移など転移巣の切除により長期に無再発生存を認める患者も少数ながら認めている。今後,オリゴ転移のなかでも切除の適応がある集団を明らかにし,膵癌に対する標準治療として認識されることが必要と考えられる。

      私の意見:
      まずは肝転移の場所と大きさと深さなどの情報を得て、肝臓表面の微小表面転移なのかどうか、その説明を得ることでしょう。
      深部にある場合、局所と同時切除は体力的にも合併症などのリスクを考えても慎重にするべきです。
      患者の年齢にもよります。
      症例を増やしたいという、患者の利益よりもそちらを重視する医者は結構いますから、より慎重に。

      1. 小寺美紀 より:

        キノシタさん、さっそくに返信いただき、ありがとうございます。
        勉強会で先生にいただいたアドバイスもキノシタさんのご意見と同じで、慎重にならざるを得ませんね。患者の利益より症例数重視という医者の存在も考えなくてはいけないとは、悲しい現実です。それにしても、膵頭十二指腸切除手術とか、肺転移切除はOKなのに、なぜ肝臓は難しいのか(肝臓には再生機能があるなどと聞き、切っても平気なのかと思っていました)、人体は不思議です。

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