先日こちらの記事でも紹介しましたが、
膵臓がん患者も抗がん剤と併用する温熱療法膵臓がん患者でも、抗がん剤とハイパーサーミアを併用している方がたくさんいます。しかしこのハイパーサーミア、健康保険の適用にはなっているのですが、エビデンスに乏しいと指摘されることが度々あります。確かにハイパーサーミアだけでがんが治ることはありません。抗がん剤など他の治療法と併用して効果があるとも言われています。温熱療法についての日本ハイパーサーミア学会の説明はこちらにあります。ハイパーサーミアとは、狭い意味ではがんに対する温熱療法をさしていますが、最近... 温熱療法(ハイパーサーミア)の新しい動向 - 残る桜も 散る桜 |
千葉県がんセンター 肝胆膵外科にハイパーサーミア外来が新設され、新しい機械が稼働するとの報道です。患者が請願して県議会を動かし、導入に到ったものです。
千葉県に、欧州の一部の国ではがんの標準治療法とされる、ハイ... 最新鋭機によるハイパーサーミアでがん治療はどう変わるか|日刊ゲンダイヘルスケア - 日刊ゲンダイヘルスケア |
「ハイパーサーミア療法とは、がんの塊が42・5度以上の熱に弱いという性質を利用してがんを治療する方法のことです。しかし、温水などでは体表面は熱せられても体の奥底に潜むがんの塊まで熱を上げることはできません。そこで登場したのが高周波局所ハイパーサーミア治療器です」
こう言うのは千葉県がんセンターハイパーサーミア外来を取り仕切る、千葉聡肝胆膵外科主任医長だ。
高周波ハイパーサーミア治療器は、がん患者の体を一対の電極盤ではさみ、その電極間に高周波を流すことによってジュール熱を発生させ、患部にあるがんの塊の温度を上昇させる。具体的には患者は加熱する部分の着衣を脱ぎ、身に着けている金属物を外して治療テーブルに横たわる。ガントリードームに治療テーブルが移動し、患部に上下電極が装着され、40~60分治療を行う。
「がん組織は、42・5度以上に加温すると、タンパク質や脂質が熱変性により酵素活性が失われ、細胞膜や細胞内器官に異常をきたします。とくに細胞内でエネルギーを作るミトコンドリアは機能が低下するため、徐々にがん細胞が死んでいきます」
世界で初めての高周波ハイパーサーミア装置(サーモトロン-RF8 GR Edition)ですね。日本の山本ビニター(株)製です。
がんの総合治療を担う千葉県がんセンターがこの療法を導入する意味は、他施設ではともすれば最後の治療、緩和治療とみられがちなハイパーサーミア療法を標準治療の開始と同時に行うことで従来より少ない副作用で、従来以上の成績を上げる可能性を期待できることなのです。
との意気込みが伝わってきます。
オンコサーミアともまた違う原理の機器らしいですが、オンコサーミアもその評価をあまり聞きませんね。効果があったのでしょうか。
がん細胞は熱に弱い人の身体はホメオスタシスという機能があり、体温が一定に保たれています。細胞は、温度が42.5℃以上になると急速に死んでしまうので、41℃以上にならないように保たれているのです。そこでがん細胞だけを42~43℃で壊死(ネクローシス)で焼き殺すことを狙ったのがハイパーサーミアとして、多くの病院で普及しています。温熱療法の歴史は古く、熱によって“がん”が消滅したと、医学の父であるヒポクラテス(古代ギリシア,紀元前460-370年)は報告しています。ドイツのブッシュは丹毒に冒され高熱を発した患者さんの“が... オンコサーミアとは - 残る桜も 散る桜 |