サイトアイコン 残る桜も 散る桜ー膵臓がん完治の記録

膵臓がんから15年を生きて(3)

前回は癌研有明病院への初診予約を取ったところまででした。

伊藤医院での造影CT結果を糖尿病クリニックの先生に見せて相談し、癌研有明病院の初診を申し込みました。

幸い2日後の予約が取れました。担当は肝胆膵外科の部長である齋浦明夫先生。「若き神の手」と言われるような先生だとは、まったく知りませんでした。

この時点ではまだ家族には癌の疑いがあることを話しておりません。

6月14日には、千葉に出張だと偽って車で自宅を出ました。沿道には鮮やかなブルーの紫陽花が咲き乱れています。

当院ではCD のデータをデジタルではいただけなかったので、がん研有明のサーバーに入れることができません。それで再び造影 CT を取ることになりました。

緊急の CT 依頼を出していただくと、今からすぐ撮影することができるとのこと。

2時間後には結果が出るとのことだったので入んないのカフェエリアで時間をつぶしておりました。

先生「良性の可能性もなくはないが、90%以上の確率で悪性だと思います。」

私「手術は可能でしょうか?」

先生「う~ん、大きな血管に接近していますが、1~2mmほどの隙間があるので、できるでしょう」

私「それではお願いします。手術日を決めてください」

一瞬先生の返事に間がありました。そりゃそうでしょう。

初診で CT 結果を見て5分も経たないうちに手術日を決めろ、なんていう患者はそんなにいないと思います。

しかし、私としてはこの二日間膵臓癌について調べた結果、手術ができなければ死が待っているだけ。

選択肢がないのならあれこれ迷う必要はない。術後の結果を予測するのも無駄。足の速い膵臓癌だから迷っている時間はない。

こんな思いでした。それに第一印象で「この先生なら命を預けてみようか」という気になっていました。

医者と相性は第一印象が大事ではないかと思いますよね、今でも。

そして最短で2週間後の手術日が決定されました。

こうして人生で二度目のがん患者になった。

がん研はいまでも膵臓がんの組織検査はしません。確定検査無しで手術をし、もしも良性だったときは「ごめんなさい」との考えです。それで良いと思います。

この間膵臓がんについて調べようとしましたが、15年前にはインターネット上にはほとんど情報がありませんでした。

パンキャン・ジャパンが発足したのでまずか2ヶ月前です。パンキャンのサイトには米国パンキャンの翻訳したページが載っているだけでした。

2007年6月のアーカイブ

膵臓がんから15年を生きて(1)

膵臓がんから15年を生きて(2)

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