各政党のマニフェストで「がん対策」は?

投票日は帰省する予定をなので、期日前投票に行ってきました。投票所の入口に行列ができるほどのたくさんの人でした。これまでの選挙にはない熱気を感じます。

がん患者としては各政党の「がん政策」が気になるところです。マニフェストを調べて、がんに関する部分を抜き出してみました。

二人に一人ががんになるという時代ですが、政党の認識は総じて危機感がないように感じます。がん難民がなぜ増えるのか、経済的負担への対策は、など具体策はなきに等しいです。「がんと診断されたら、身体障害者手帳を交付する」などという政党があっても良さそうに思うのですが。そうすればずいぶんと経済的に助かるに違いない。財源はどうするかですか? 軍事費を削減すればよい。オバマは軍事費削減を打ち出しています。

自由民主党

難病対策、肝炎対策、がん対策の充実
難病の方々の医療費負担を軽減するため、助勢の対象(現在45疾患)に緊要性の高い疾患(11疾患その他)を追加するなどの難病患者の医療費助成、難病の診断治療方法の研究開発を進める等の難病研究拡充等、難病対策を充実させる。国内最大の感染症である肝炎について、肝炎の早期発見、早期治療、治療水準を向上させるため、「肝炎対策基本法」を制定し、B型、C型肝炎への医療費助成の拡大・充実を含めた総合的な肝炎対策に取り組む。わが国の死因の第一位となっている「がん」についても、検診、予防ワクチン、放射線療法や化学療法、緩和ケア等のがん医療の充実や均てん化を行うとともに、患者の立場に立ったがん対策を充実させる。

抽象的で総花的。「均てん化」などという難しい言葉を使うなんて、国民に理解してもらおうという姿勢がない。なにやら分からんが、やってくれそうだという雰囲気を作りたいのだろう。官僚的文章の典型。がん対策基本法にも触れていない。「肝炎対策基本法」なんて、政権政党なのだから、これまでにどうしてやれなかったのか。そんな政党が今後も実行できるのか疑問だろう。

均てん化(がん医療の)
均霑化(生物がひとしく雨露の恵みにうるおうように、の意)。全国どこでもがんの標準的な専門医療を受けられるよう、医療技術等の格差の是正を図ること、だそうです。


民主党

がん対策
乳がんや子宮頸がん、大腸がん、肺がん、胃がんなど有効性が高いがん検診の受診率を大幅に向上させるよう、受診しやすい体制を整備します。また、がん予防に有効なワクチンの開発・接種の推進、禁煙対策の徹底化等、最新のがん関連情報の提供や相談支援体制などを充実させます。がん患者や家族も加わった
「がん対策推進協議会」の運営で「がん対策推進基本計画」が着実に推進されるよう取り組みます。がん登録の法制化を検討します。

地域がん診療拠点病院では国立がんセンターと協力し、化学療法専門医・放射線治療専門医を養成します。

早期発見早期治療がメインということか。子宮頸がんを想定しているのか、予防ワクチンに触れている。がん登録制度の法制化も「検討します」であって、「実行します」ではない。

公明党

がん対策
基本計画の個別目標の中間報告を実施
●がん対策推進基本計画の5年後の見直し(2012 年度)を前に、2009 年度末に中間報告を義務付け、がん検診率50%以上など、個別目標を達成させます。

拠点病院の機能を強化
●がん診療連携拠点病院の機能強化を進め、がん治療の地域格差を是正し、全国どこでも最適ながん治療を受けられる体制を整備します。

がん治療を選択できる社会へ
●がん治療の柱である手術、放射線治療、化学療法のうち、整備が遅れている放射線・化学療法の普及を図り、専門医を育成します。

がん相談業務と情報発信、普及啓発を拡充
●病院選びや治療方針、がんに関する不安や悩みを抱える患者や家族を支援するため、がん相談支援センターの相談業務の拡大とともに、がん治療情報の発信を拡充します。がんを広く国民に知ってもらう普及啓発活動も促進します。

がん対策予算を拡充
●がん対策推進基本計画にうたわれている個別目標を達成させるため、がん対策予算を拡充します。また、がん検診を支援するための地方交付税をさらに充実させます。

がんの痛みをとる緩和ケアを推進
●治療の初期段階から、がんの痛みをとる緩和ケアを受けられるようにするため、5年以
内に、がんを担当するすべての医師への緩和ケアの研修を強力に推進します。

セカンドオピニオンの体制の整備
●患者自らが適切な治療法を選択できるよう、主治医に遠慮せず、気軽にセカンドオピニ
オン(別の専門医の診断)を受けられる体制を整備します。

学校におけるがん教育の見直しと教科書や副読本を充実
●小・中・高校生に対するがん教育を見直し、教科書の内容充実や副読本の配布を促進します。生活習慣との関わりなどを知ってもらい、がん予防を促進させます。

がん検診の充実
●無料クーポン事業でがん検診受診率の向上を図るとともに、前立腺がんなど高齢化によって増加している男性特有のがん検診の普及を図ります。また、2年に1回のがん検診の無料化を図り、受診率を向上させます。

女性のがん検診の充実
●女性特有の子宮頸(けい)がん、乳がん検診の受診率の向上を図るため無料クーポン券、検診手帳などの事業を継続します。また乳がん検診の精度向上のため、マンモグラフィー検診に加えて超音波(エコー)検診の導入・併用を進めるとともに、読影医の養成・確保など検診体制の充実・強化を図ります。

子宮頸がん予防ワクチンの早期承認・公費助成の導入
●若い女性に急増する子宮頸がんの征圧へ、予防ワクチンの早期承認とともに、ワクチン
接種に対する公費助成の導入を推進します。

がん研究・開発等の推進
●免疫療法・抗がん剤・粒子線治療など新たな治療方法・治療薬の研究・開発を推進する
とともに、新たな医薬品等の承認審査の迅速化と国内での利用普及を図ります。
また、禁煙対策の推進など予防対策を強力に進め、がん罹(り)患率や死亡率の低下を図
ります。

「がん治療を選択できる社会」と書いてあるのでてっきり「混合医療の解禁」かと思ったが、放射線・抗がん剤の普及が遅れている、と。どうもピント外れな政策だ。セカンドオピニオンについても同様。しかし、項目は多く、内容はともかく説明はわかりやすいと思う。

がん検診への国庫補助を廃止した公明党が、無料クーポンでがん検診の受診率を向上させると主張するのですか? 自分のとった政策を反省することが先ではないだろうか。

社民党

がん対策、肝炎総合対策、難病対策に取り組みます

○がんの予防と早期発見の推進、がん検診の質の向上、がん医療の均てん化の促進に取り組みます。専門的な知識や技能を有する医師等の育成、医療機関の整備を推進します。
○がん対策基本法に基づいて制定された「がん対策推進基本計画」を着実に実行します。

○薬害肝炎感染の拡大が国の責任であることを明確にし、全国的な肝炎治療体制の整備と医療費助成や治療中の生活支援を柱とする総合的な肝炎患者支援法を制定します。
○難病の調査研究費を増やし、特定疾患の対象を拡大します。難病患者の治療の確保、負担軽減、療養環境の向上の観点から難病対策基本法をつくります。

がんに関しては最初の2点だけ。早期発見と予防。がん対策基本法の実行。混合診療の解禁には反対。

日本共産党

〔がん対策〕
日本国民の死因の第1 位である、がんの予防・治療には、国が総合的な対策をすすめることが必要です。ところが、政府・与党は、窓口負担増、保険証とりあげなど、がんの早期治療に逆行する施策をとりつづけてきました。自民党政権が、がん検診にたいする国庫補助を廃止したために、各地で、がん検診の有料化や対象者選別、検診内容の劣悪化などの事態が起こっています。
医療崩壊が進行するもと、がんの治療・予防の地域格差が深刻な問題となっています。がん対策基本法の主旨にのっとり、どこにいても必要な治療・検査を受けられる医療体制の整備が必要です。国の責任で、専門医の配置や専門医療機関の設置をすすめ、所得や地域にかかわらず高度な治療・検査が受けられる体制を確立します。未承認抗がん剤の治験の迅速化とすみやかな保険適用、研究予算の抜本増、専門医の育成、がん検診への国の支援の復活など、総合的がん対策を推進します。

政党の中で唯一これまでのがん政策を批判した上で、対策を提示している。経済的負担の問題などはここでは触れられていないが、医療政策全体の中で詳細に政策が述べられている。混合診療の解禁には反対。

改革クラブ

お年寄りの健康づくりや難病対策を推進します。
世界一の長寿国である日本で、お年寄りが一日でも長く健康な状態で暮らせるよう
に、健康づくり施策を進めます。
また、新型インフルエンザ対策、難病対策、がん対策、肝炎対策等、国民の健康に
関する問題にきめ細かく対応します。
今あるものの活用はすべての分野に共通ですが、例えば自治体や企業による健康診
断を受ける人は少なく、受診をしていただくよう告知していきます。

コメントに値しない。

国民新党・みんなの党・新党日本

「がん」についての個別政策はない。


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