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はじめに:19年を生き抜いた「私の戦略」

膵臓がんが見つかってから、なんと19年も経ちました!当時、お医者さんから告げられた厳しい生存率の数字を、私は静かに、でも確実に塗り替えてきたんです。 これって、決して「たまたま運が良かったから」とか「奇跡が起きたから」というラッキーだけで片付けられるものじゃないと思っています。自分で徹底的に勉強して、最新の科学を味方につけ、毎日の食事で体の土壌を整えて、心の持ち方を180度変えてきた——そんな「自分で決めて、自分で実行してきた戦略」があったからこそ、今の元気に笑っている私がいます。

がんと付き合う上で、私たち患者はただベッドの上で治療を受けるだけの「お客さん(受け身の存在)」になっちゃ絶対にダメです。あなたこそが、自分の治療チームのCEO(最高経営責任者)になりましょう!

お医者さんは素晴らしい専門知識を授けてくれる「頼れる最上級のアドバイザー」です。医療の世界には「インフォームド・コンセント(十分な説明を受けた上での同意)」という大切なルールがあります。これは単にお医者さんの説明を聞いて同意書にサインするだけの形式的な儀式ではありません。お医者さんから治療のメリットやリスクをしっかりと説明してもらった上で、それを自分自身の価値観やこれからの人生のロードマップと照らし合わせ、納得して選択するプロセスそのものです。つまり、最後の決定を下すのも、これからどう生きていくかを決めるのも、他の誰でもないあなた自身です。

「命の危機」という言葉がありますが、これはピンチであると同時に、これまでの生き方を見直す最大の「機(チャンス)」でもあります。病院での標準治療、体に優しい代替療法、そして毎日の暮らし(食事や運動)。これらをパズルのように上手に組み合わせて、あなただけの最強の「がん攻略ルート」を一緒に作っていきましょう!

膵臓がんの告知:説明された病理

主治医の先生から告知されたとき、実はそれほど深刻には受け止めていませんでした。というのも、急激な血糖値の上昇や体重減少といった自覚症状から「もしかして…」と自分でも予想していたので、「あっ、やはり膵癌か」と腑に落ちるような感覚だったんです。 もちろん、手ごわい相手なのは確かですが、不思議とパニックになることもありませんでした。「よし、提示された厳しい数値を私の人生のゴールにするんじゃない。これは単なる初期設定のデータだ。これから自分の知恵と行動で、この数字をハッキングして書き換えてやろう!」と、すぐに前を向いて頭を切り替えることができたんです。

2007年6月に膵臓がんを告知され、手術で膵体部、膵尾部、脾臓を切除をしました。

  • ステージはⅢ(日本膵臓学会の旧分類)
    先生の説明では、病期(ステージ)は日本の分類でステージⅢとのこと。(2016年以前の旧分類法です)
    • ステージI —-がんの大きさが2cm以下で膵臓の内部に限局している。
    • ステージII—-がんは膵臓の内部にとどまっているが、大きさが2cm以上あるか、第1群のリンパ節の転移にとどまっている。
    • ステージIII—-がんは膵臓の外へ少し出ているが、リンパ節転移はないか、第1群(注)までに限られている。または、がんは膵臓の内部にとどまっているが、リンパ節転移は第2群まである。
    • ステージIV—-がんが膵臓の周囲の臓器・器官を巻き込んでいるか、離れたところまで転移がある。
      • (注)リンパ節転移の場所を解剖学的な距離により分類し、近い方から順に第1群、第2群、第3群とします。

私の膵臓がんは、

  • 大きさは2.5センチであり、膵体部にあったので膵体部および膵尾部と脾臓もあわせて摘出した。
  • 大動脈、上腸間膜動脈などの大血管には浸潤はしていなかった。しかしあと数ミリという近い距離にあった。
  • リンパ節への転移はなかったが、念のために周囲のリンパ節は大きく郭清した。
  • 幸い膵頭部が残っているのでインシュリンは正常に分泌している。血糖値にはまったく異常がなく、一週間で血糖値の検査をやめたほどでした。
  • 術後は、抗がん剤ジェムザール(GEM)を半年間投与した。

詳しい病理所見はこちらです。

新聞のインタビュー記事

いまはもう読売新聞の論説委員になっておられる高梨ゆき子記者が、私のCelloレッスン会場に起こしくださって記事にしてくれたものです。

なぜ治ったのか?

なぜ、「がんの王様」といわれる私の膵臓がんは完治したのか。一つには手術ができたこと。しかし、手術ができても8割~9割の方が再発するのが膵臓がんです。

食事、運動、睡眠、サプリメント、なによりも心の平穏な状態を保つこと。これらの総合的な効果ではないかと感じています。

標準治療は科学的根拠もあり、一番優れた治療法です。しかし、標準治療で効果がなかった場合はあきらめることしかできないのでしょうか。あるいは、標準治療に何か別の治療法で上乗せ効果を得ることはできないのでしょうか。

例外的な患者さんは、いつだっています!

診察室でお医者さんが見せてくれる「5年生存率」のカプラン・マイヤー曲線(生存率がだんだん下がっていくグラフ)は、過去の何千人、何万人という患者さんのデータを機械的にまとめた「マクロな平均値」にすぎません。 底抜けに複雑なシステム(専門用語では「非線形複雑系」なんて言います)である人間は、教科書通りにはいきません。

ここで知っておいてほしいのが「バタフライ効果」という面白いお話です。蝶々が羽ばたいたほどの小さな風が、めぐりめぐって遠くの街で大きな嵐を起こすように、私たちの生活習慣のちょっとした工夫や、日々の食事の小さな変化が、体の中でドミノ倒しのように良い反応を起こして、最終的な結果をガラッと変えてしまうことが本当にあるんです。

だから、統計の冷たい数字に怯える必要はまったくありません!自分の遺伝子の特徴を知り、体の中でくすぶっている小さな炎症を抑え、血糖値をスパイクさせないようにコントロールし、ぐっすり眠って心を穏やかに保つ。そうやって「体に良い小さな羽ばたき」を毎日コツコツ積み重ねていけば、生存率グラフの右端にある、横ばいになって伸びている「例外的な長期サバイバー」の領域に飛び込むことは十分に可能です。最初から平均点を目指す必要はありません。あなたの体の中に眠っている「無限の可能性」を一緒に信じてあげましょう!

シュレベール『がんに効く生活』より

縦軸をが「生存者数」とした場合も同様に、膵臓がん患者がゲムシタビン(ジェムザール)を投与された際の生存率は次のようになります。

グラフを見れば、右に長く恐竜の尻尾のように尾を引いています。「観察群」つまり、治療をしない患者グループでもゼロにはなっていません。これが「例外的患者」です。

治癒の難しいがんであっても、例外的患者は常にいるのです。

「標準治療+科学的根拠のある代替治療=統合医療」で、奇跡とまではいかなくても「例外的患者」になることはできるのです。

完治するために私が実行してきた統合医療についてまとめてみました。

(がんは百人百様、私の方法がすべての人に有効だという保証はありません)

 標準治療を「最大化」するベースキャンプ

やっぱり標準治療が、生きるためのいちばん頑丈な土台!

インターネットで「がん 治療」と検索すると、怪しげな広告や魅力的な体験談がたくさん出てきますよね。「食事をこれに変えるだけでがんが消えた!」とか「高額なこの水を飲めば治る!」といった甘い言葉は、不安な心にスッと入り込んできます。ウェルビーイングや健康のためのセルフケアを謳う代替療法だけに頼り、病院がすすめる手術や抗がん剤、放射線といった「標準治療」をすべて放棄するのは、命を賭けた極めて危険なギャンブルです。

何万人もの臨床データによって「これだけの効果があって、この範囲の副作用なら安全に使えるよ」と世界中で実証されてきた標準治療こそが、私たちの命を守る最も強固なベースキャンプ(主陣地)なんです。

ここでCEOである私たちがやるべきなのは、治療を拒否することではなく、その標準治療の効果を「賢く最大化」して、体を痛めつける「副作用を最小限にコントロールする」ことです。 私自身、ジェムザール(ゲムシタビン)やTS-1、そして当時はまだ承認されたばかりだった分子標的薬のタルセバ(エルロチニブ)などの薬理作用を徹底的に調べました。どうやってがん細胞の増殖をブロックするのか、いつ頃に白血球が下がって、いつ頃に吐き気や皮膚の乾燥が出るのか。これをスケジュール帳に書き込んで先回りして対策をとったおかげで、しんどい治療を途中で諦めることなく、笑顔でやり遂げることができたんです。

がん情報サービス

まずは自分のがんのことをよく知りましょう。治療法を決めて治癒への道を歩み出すのは患者です。しかし科学的根拠のある情報を持っていなければ、がんを治すことは難しいでしょう。

がん情報サービス」には、がんを知り、治療の悩みを解決するための沢山の情報があります。まずはここからスタートしましょう。

「がん情報サービス」には沢山の情報があるので、どこから手を付ければよいのか迷います。まずは『がん情報サービス』のサイトから、次の3冊の冊子を手に入れましょう。

診断されて間もない方が、がんとの向き合い方を考えるための一助になります。納得できる治療法を選び、自分らしい生活を送るためには、自分が大切にしたいことを整理し、医療者に伝えていくことも大切です。

それ以外にも参考になるものが多くあります。

膵臓がんに関する基礎的資料

癌腫ごとの冊子もあり、ダウンロードすることができます。

補完代替医療ガイドブック
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  • 怪しげな代替医療に手を染めないためにも、「がんの補完代替医療ガイドブック」は是非読んでおくことを勧めます。

がんの補完代替医療ガイドブック(第3版)

何か代替医療を、と思ったときにはまずこれを。第2版から多くの内容が改訂されています。

統合医療のバイブル:迷ったらこの1冊を読めば大丈夫!

私ががんと告知されて以来、心が不安でグラグラ揺れるたびに、本棚から取り出して何度も何度も読み返してきた大好きな「相棒」のような本があります。ダヴィド・セルヴァン=シュレベール先生が書かれた『がんに効く生活』です。

著者のシュレベール先生自身も、将来を嘱望された優秀な脳神経科学者でありながら、30代で悪性脳腫瘍(グリオーマ)を発症したサバイバーでした。彼は西洋医学の限界を感じつつもそれを否定せず、世界中の膨大な医学論文を自ら読み漁り、「標準治療を強力にサポートして、がんが育ちにくい体質(土壌)を作るためのセルフケア」を科学的な根拠付きで体系化してくれました。

この本は、「すべてをお医者さん任せにして寝ているだけではダメだ。自分でできる治療が、実はこんなにたくさんあるんだよ!」と、温かく、そしてロジカルに教えてくれます。 食事の選び方、ストレスを和らげる呼吸法、および軽い運動。この3つを整えることで、がん細胞が新しく血管を作って栄養を奪おうとするのを邪魔したり、体の中のNK細胞(ナチュラルキラー細胞)などの頼もしい免疫細胞たちを元気にする仕組みがばっちり書かれています。これ1冊あれば、もう高額な怪しい本を買い漁る必要はありません!

ピッツバーグ医科大学院臨床精神医学教授であり、国境なき医師団の創設メンバーでもあるダビッド・S・シュレベールは、新しいMRI装置の開発試験中に、たまたま試験台になり、脳腫瘍が見つかるという衝撃的な書き出しです。

死の宣告からどのようにして生還したのか。がんの弱点、効果のある食物、心の有り様まで含めた治癒への道が解き明かされています。内容は実証的であり、背景となる論文もあげた上での著者の考察です。

シュレベールの考えを一言で言えば、

がんを治すことのできる代替療法は一つもないが、自己治癒力・自然の防衛力を無視することもナンセンスである

ということです。

彼は最終的には次のような結論に達します。

私たちは誰でも、体内にがん細胞の芽を持っているだけでなく、体自体が、その芽ががんに育つプロセスを妨げるように作られている。それを活用するかしないかは、本人次第である。

彼のこの本については、ブログでたくさん紹介してきました。

「検索窓」に『がんに効く生活』と入力すればそれらの記事が抽出できます。

免疫力を高め、自然治癒力を引き出すために

免疫力を高めて自然治癒力を回復し、がんの転移・再発を予防するために、次のようなことを実行してきました。

これらは「これをやっていれば確実にがんが治る」というものではありません。一つ一つは、いわばヒットを打つイチロウのようなものです。

がんは「複雑系」です。複雑系とは、多数の因子または未知の因子が関係してシステム全体(系全体)の振る舞いが決まるシステムにおいて、それぞれの因子が相互に影響を与えるために(つまり相互作用があるために)、還元主義の手法ではシステムの未来の振る舞いを予測することが困難な系のことです。

つまり、将来の予測ができない、これをやれば必ずこうなるという、原因と結果が一対一になっていないのが「複雑系」です。がんも複雑系です。

したがって、がんとの闘いにおいて逆転ホームランを狙ってもうまくいくと請け合うことはできません。しかし、ヒットとなる方法はたくさんあります。私たちの体に本来備わっている免疫力をいかに高めるか、がん患者ができることはこれに尽きます。

がん患者が行うべき大切なことは次の3つです。

  • 適度な運動
  • バランスの良い食事
  • 十分な睡眠
  • 心の平穏

運動は、お薬屋さんでも買えない「最高の自家製抗がん薬」

「適度な運動をしましょう」とお医者さんによく言われますが、「そんなの気休めでしょ?」なんて思っていませんか?実は最新の「腫瘍運動学」という分野では、運動は薬と同じ、あるいはそれ以上の強力ながん治療効果があると認められているんです。驚くべきことに、週に数回しっかり運動や筋トレを行っているがん患者さんは、そうでない人に比べてがんによる死亡率が最大31%も減少するというはっきりとしたデータが出ています。

筋肉をキュッと動かすと、筋肉自体が「内分泌器官」となって、体の中から「マイオカイン」と呼ばれる数百種類もの素晴らしい健康物質(生理活性物質)を血液中に放出します。 このマイオカインたちは血管を通って全身をめぐり、がん細胞に直接「おとなしくしなさい!」と働きかけて自滅を促したり、がんの周りに新しい変な血管が作られるのを防いだりします。さらに、私たちの味方であるリンパ球(T細胞やNK細胞)を「あそこに敵がいるぞ!」とがん細胞のところへ強力に誘導してくれるんです。

これだけの効果があって副作用はゼロ、しかもタダです! 息が切れるようなきついトレーニングは必要ありません。ご飯を食べた後の30分以内に、テレビを見ながらでいいので、太ももとお尻の大きな筋肉を意識しながら、ゆっくりと深くスクワットを10回×3セットやってみてください。これだけで、あなたの体内の「自家製抗がん薬工場」がフル稼働を始めます!

老化した免疫細胞を二十歳台と同じように活発にする方法があるのです。それが運動です。わずか5分間の自転車漕ぎ運動によって免疫細胞が活発に活動することを、バーミンガム大学の研究者らが明らかにしました。

また、ランニングなどの運動により、ナチュラルキラー(NK)細胞が活発化し、がん細胞などの腫瘍の増殖を抑制できる可能性が、マウスによる実験で示されました。

毎晩4km~7km走ったマウスの免疫系統が活発化し、新しい腫瘍の増殖を予防したほか、既存の腫瘍の成長を最大で60%抑制できることがわかったとのことです。

大腸がん(結腸がんの3期)で手術を受けた患者さんを対象にした研究では、1週間に1時間程度の軽いウォーキング以下の運動しかしない人に比べ、6時間以上運動する人は、がんの再発のリスクが45~49パーセント低下するという研究結果もあります。

乳がんでは、週に1時間程度のウォーキングで全死亡リスクが40%減り、再発リスクが25%減るとされています。この程度の短い軽い運動ですらこうした効果があるのです。


大腸癌においても、運動と全死亡リスク、無病生存期間に大きな効果があるのです。

METsとは運動量の単位ですが、18METs・時間/週がウォーキング5~6時間に相当します。毎日1時間程度歩くことで、死亡率も再発率も大きく下がるのです。

スロー・スクワットによる筋トレ

膵臓がんの最期は悪液質になることが多いのですが、そうでない場合でも、がん患者さんの筋肉量は徐々に落ちていきます。

比較的予後の良いがん患者さんというのは、一般的に筋肉量が多いのです。下半身の筋肉量が総体的に多いのでこの部分を鍛えることによってがん患者さんの予後が改善されます。

これは散歩だけではなかなか筋肉量は増えません。筋トレが必要です。筋トレと言うと、バーベルを持ち上げたりの激しい運動を思い浮かべるかもしれませんが、そうした必要はありません。スクワットや腕立て伏せのような軽い運動でも筋肉量を増やすことができます。

それを紹介しているのが次の『いのちのスクワット』と『がんに負けない たった3つの筋トレ』です。

運動することによって筋肉から分泌されるマイオカインは強力な抗ガン作用を持っているのです。

運動とインスリンの関係

膵臓がん患者では血糖値の管理も大切です。糖質をたくさん摂ったあとは、20分程度歩くだけで食後の高血糖を押さえることができます。それががんを育てないことにもなります。

運動については、肥満の解消以外にも、免疫機能の増強、便の腸内通過時間の短縮、胆汁酸代謝への影響などのメカニズムが考えられていますが、そのほかにインスリン抵抗性との関係が注目されています。

インスリンは、食事として体内に取り込まれた糖分を細胞に取り込むために、膵臓から分泌されるホルモンです。食生活の乱れや運動不足などが続きイ ンスリンがうまく働かなくなると、糖尿病のリスクが高くなることが知られています。それと同時に、高インスリン血症やIGF-I(インスリン様成長因子 1)の増加が生じ、これが結腸や肝臓、膵臓などの部位における腫瘍細胞の増殖を刺激して、発がんに関与すると推察されます。

したがって、運動によってイン スリン抵抗性を改善すれば、関連するがんのリスクも低下することが期待されます。

【食事】玄米魚菜食・地中海食・糖質制限

食事療法

食事療法ではがんは治らない。しかし、食事療法をしなければがんは治らない。

がんに限らず、食事療法は病気の治療の基本です。栄養を補給し、体力を維持しなければ治療の継続も難しくなるし、治療効果も良くはなりません。

がん生存者における食事の質と、全死亡率およびがんによる死亡率との関係、NHANES III』との論文が発表されています。「がん予防」の食事ではなく、がんになったがん患者のための食事はどうあるべきかを調べたものです。

「質の良い食事」を摂っているがん患者は、死亡率が半分以下になるいう、頼もしい結果です。ここで言っている「質の良い食事」とは、

野菜果物と食物繊維を多く摂り、乳製品は低脂肪のもの、牛乳よりは豆乳、タンパク質は赤身の肉を控えめにして、魚介類を、脂の少ない肉や鶏肉、卵、豆、ナッツからしっかりとる。塩分は控えめにして油はオリーブ油。糖質は控えめにして、摂るのであれば玄米などの全粒穀物にする。

を指しています。地中海食をイメージしていただければ良いでしょう。バランスよく食べるということです。

模範的料理

抗がん効果のある食事は、オリーブ油(あるいは亜麻仁油)、有機バター(牧草や干し草を食べている乳牛から作られたバター)、ニンニク、ハーブ、香辛料(ターメリックなど)を添えた野菜や豆類が中心となる。魚を多く食べ、肉や卵はひと味加えるための付け合わせでしかない。(世界がん研究基金の報告では、肉類は週に500g以下にするよう推奨されている)

抗がん作用のある食物
  • 緑茶
    緑茶に含まれるエピガロカテキンガレート(EGCG)は、がん細胞が隣接組織へ侵入したり、新たな血管を形成したりする働きを抑制する。
  • 大豆
    大豆の各種イソフラボンは、乳がんなどのエストロゲン依存性の腫瘍の成長を抑える。
  • ターメリックには強力な抗がん作用がある
    黒コショウといっしょに摂ることで、ターメリックの吸収率が2千倍になる。
  • ベリー類(ブラックベリー、ラズベリー、イチゴ、ブルーベリーなど)
    これらにも、がん細胞の増殖に必要な血管新生を抑制する作用がある。
  • 野菜のスープ
    野菜に含まれるファイトケミカルを効率的に摂るには野菜スープが最適である。各種のファイトケミカルの相乗作用によって、抗がん作用が強化される。

久留米大学の伊藤恭吾先生の著作『がんを生きよう―あなたのT細胞が治療の主役です』では次のように紹介されています。

  • 「食事でがんが治ることはありません」しかし、適切な食事によってがん周囲の炎症が改善されるので、T細胞機能が復活してがんの増殖が抑えられる可能性が高くなる
  • がんを抑える食品
    緑茶・キャベツ・生姜・ブロッコリー・ニンニク・大豆・ラズベリー・ブルーベリー・ブラックチョコレート・ターメリック
  • がんを育てる食品
    精製糖・精白小麦粉・精白米など糖質の多い食品
  • 野菜ジュースの大量摂取は体が冷えて血流が悪くなって体調不良の原因になり、T細胞の機能を阻害する。
  • 厳格すぎる食事療法はかえってがんの再発の原因となることがある
  • がんは炎症反応を利用して増殖するのだから、
  • 慢性炎症を引き起こさない食事が、がんの進行を遅らせる
    • 糖分の過剰摂取を控え、精製食品とトランス脂肪酸を控え、運動と禁煙をする
    • 精製食品を少なくし、運動をしてストレスを少なくすると核内因子カッパBという炎症遺伝子のスイッチを切ることができる
    • 炎症を減らすハーブなど:緑茶・生姜・ターメリック・乳酸菌食品

「四つ足の動物の肉はダメ」などという迷信は信じないようにしましょう。がんと戦うには体力が必要です。免疫細胞も蛋白質で作られています。

現在は、血糖値が上がってきたために、糖質制限食にしています。糖質制限食でカロリーを摂るためには、タンパク質のある食材、肉・卵を避けることができません。魚はオメガ3脂肪酸が多いといわれている青みの魚をたくさん摂るようにします。

食事に関しては「バランスよく食べる」が最良です。詳しくはこちらの投稿を参照してください。

【睡眠】早寝早起き

睡眠と免疫には深い関係があります。免疫細胞は一日に800億個が死滅して、新しく再生されます。そのためには、ほどほどに食べて夜8時間は電気を消してヨコになることで、T細胞やB細胞が増えるのです。

私は10時、遅くとも11時には寝るようにしています。遅くとも11時には床に入り、朝は4時ないし5時に起きるようにしています。これが本来の人間の生活パターンです。都会型の生活ががんを増加させるのだともいわれています。

がんによる免疫の抑制と、(抗がん剤・放射線の)治療の副作用による免疫の抑制の対策をして、T細胞の機能を復活させること。そして普通の日常生活(快眠・快便・適度な食事・適度な運動)を過ごすことががんの増殖を抑えて再発・転移を防止します。

サプリメント

「がんに効く」と巷でいわれているようなサプリメント類(アガリクス・AHCC・メシマコブ・プロポリスなど)は一切摂っていませんが、抗酸化作用のあるビタミン類だけを飲んでいます。

  • マルチビタミン
  • オメガ3(EPA/DHA)
  • ビタミンD
  • メラトニン 5mg/日 就寝前30分に服用

マルチビタミンは抗がん作用があるわけではないが、がん患者の多くは栄養素が偏っているので服用しています。

おすすめのサプリメントについて、動画でも解説しています。

オメガ3(EPA/DHA)はこれも抗がん作用が注目されている成分です。
ビタミンD

ビタミンDは、第6の抗がん剤とも言われて、最近注目されている抗がんサプリメントです。

しかし、効果が出るまで服用開始から約2年必要です。

膵臓がんの告知を受けたら、すぐに服用を始めるべきでしょう。

メラトニン

メラトニンは、脳の松果体から分泌されるホルモンで、睡眠を促す働きから「睡眠ホルモン」と呼ばれます。
主な特徴は以下の通りです:
体内時計の調節:光の刺激に反応し、暗くなると分泌量が増えて自然な眠気を誘います。朝に光を浴びることで分泌が止まり、約14〜16時間後に再び分泌が始まります。
多様な効果:眠りを誘うだけでなく、強力な抗酸化作用を持ち、新陳代謝の促進や老化防止、病気の予防にも効果があると期待されています。
注意点:日本では医薬品成分に分類されており、サプリメントの製造・販売は原則認められていません。また、過剰摂取は頭痛や日中の眠気、悪夢などの副作用を招く可能性があります。

メラトニンの購入先

メラトニンは日本では医薬品扱いですので、医師の処方箋なしでは購入できません。
個人輸入代行業者を通じて海外から入手することになります。

例えば、私のお薦めは「ラククル」など(QOLQOL.COMは少量しか購入できなくなりました。)

メラトニンの有効性(佐藤典宏先生のYouTube)

緑茶の抗がん作用

緑茶に含まれるカテキン、特に主要成分であるエピガロカテキンガレート(EGCG)は、がんの発生(イニシエーション)、促進(プロモーション)、進行(プログレッション)のすべての段階において、多角的な抑制効果を持つことが研究で示されています。

以下に、その具体的な効果とメカニズム、および疫学的な研究結果をまとめます。

1. がん抑制の主なメカニズム

緑茶カテキンは、がん細胞の増殖を阻害するだけでなく、プログラムされた細胞死(アポトーシス)を誘導する複数の分子経路に作用します。

細胞増殖の抑制とアポトーシス誘導: カテキンはがん細胞の無秩序な分裂を停止させ、カスパーゼなどの酵素を活性化させて、がん細胞を自滅(アポトーシス)へと導きます。

67kDaラミニン受容体(67LR)への結合: 日本の研究者により、EGCGががん細胞表面に過剰発現している67LRという受容体に極めて高い親和性で結合することが発見されました。この結合がスイッチとなり、細胞内のcGMPレベルが上昇し、がん細胞に選択的な毒性を発揮します。

血管新生の阻害: 腫瘍が成長するために新しく血管を作る「血管新生」を、血管内皮増殖因子(VEGF)の発現を抑えることで阻止します。

転移・浸潤の抑制: がん細胞が周囲に広がる際に必要なマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP-2, MMP-9)などの酵素活性を阻害し、転移を抑えます。

エピジェネティックな修飾: DNAメチルトランスフェラーゼ(DNMT)を阻害し、がん化の過程で眠らされていた「がん抑制遺伝子」を再活性化させる働きがあります。

がん幹細胞への攻撃: がんの再発や転移の根源となるがん幹細胞の自己複製能力を抑制する効果も報告されています。

食事の項でも取りあげましたが、緑茶のカテキンに含まれるエピガロカテキンガレート(EGCG)には、がん細胞が隣接組織へ侵入したり、新たな血管を形成したりする働きを抑制する、優れた抗がん作用があります。

なかでも深蒸し茶には、より多くのカテキンが含まれており、これを京セラのお茶ミルで挽いて粉末にして、お茶の成分全体を無駄なく摂ることができます。

お茶ミルの効用は、茶葉が少なくて済むことです。それでいて、茶葉の成分を捨てることなく摂ることができるので、少し贅沢をして、高めのお茶を買っても、全体のコストは抑えることができます。

私は一日に5~10杯は飲んでいます。ミルで挽いた細かな粉末なので、夏場は水出し茶にしても良く溶けておいしくいただけます。

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【心の平穏】メンタルは重要です

楽しいことをたくさん体験する

何のためにがんを治したいのですか? 治ったら何をしたいのでしょうか。「治ったら家族と旅行に行きたい」「もっと家族団らんの時間を持っておけば良かった」「仕事ばかりで家族を顧みなかった。もっと妻をいたわってやるべきだった」

そう思うのなら、今、それらをやればよいでしょう。

がんは人生を考え直す良い機会です。再発転移したがんは、基本的に治ることはありません。抗がん剤はあくまでも症状の緩和とわずかの延命効果が期待できるだけです。ですから、がん治療は、人生を考え直すために与えられた「ロスタイム」なのです。

がんを治すことが目的になってはいませんか。治すことは、人生を生きるための「手段」であって、目的ではありません。しかし多くのがん患者が、治すことを自己目的にしてしまっています。

人生の目的は金でも地位でもなく、どれだけの楽しい体験をするかではないでしょうか。家族との楽しい夕食のひととき、趣味に没頭する時間。がんであっても、なくっても、こうした時間をたくさん持ち、体験することが人生を豊かにしてくれるに違いありません。

やるべきことをやったら、がんのことは考えない。考えないのが無理なら、一番最後に考える。がんのことを考える暇がないほど、趣味や仕事に没頭すればよろしいでしょう。

シュレベールの『がんに効く生活』にも次のように書かれています。

免疫細胞は、客観的に見て、より”生きる価値”があるように見える人生を送っている人間の体内では、それだけ活発に動くかのように見える。

ストレスをためない生活

良い人間関係、家族関係を築く。人間関係に問題を抱えているのなら、それの解決方法を優先するべきです。多くの場合、相手の対応よりも、それに対して自分がどのように対応したのかが問題の原因であることが多いのです。

関心領域ではなく影響領域で生きる

ひとは往々にして自分の力の及ばないことで悩みがちです。自らの力の有効な範囲に限って行動すればよいものを、「関心のある領域」にまで範囲を広げようとするから「解決できない」問題を抱えることになります。会社の同僚、妻・子供・自分の生死、これらは総べて「関心領域」であり、「影響領域」ではありません。しかし、影響領域に力を集中すれば、結果的に関心領域を影響領域に変えることができます。

「がんで死にたくない」当たり前です。しかしこれは「関心領域」に属する事柄です。自分の意のままにはなりません。「治癒力を高めるためには何をするべきか」。これが「影響領域で生きる」ということです。

音楽療法

チェロを弾きモーツアルトを聴く。私にはバロック音楽が良さそうです。音楽療法による効果として血液がさらさらになるらしい。ストレス緩和効果もある。

サイモントン療法・瞑想

朝晩何をおいても瞑想だけは行う。携帯プレーヤーにはサイモントン療法のCDを入れて20分程度の瞑想(メディテーション)をする。

最近、瞑想による遺伝子発現の関係が明らかになってきています。「発現」とは遺伝子のスイッチがオンになって、遺伝子に書き込まれたタンパク質を作るようになることです。

瞑想によって、がん患者の QOL が良くなることや、時には腫瘍の縮小効果もあることなどが科学的に次々と実証されつつあります。

https://cancer-survivor.jp/2018/11/3022.html

またイメージ療法の一つサイモントン療法も、古くから多くのがん患者さんが取り入れて効果を確認されています。

実は私も膵臓癌の術後早い時期からサイモントン療法を取り入れてきました。

手始めにこちらの川畑のぶこさんのサイモントン療法の書籍を購入されて付属のCD に従ってイメージ療法サイモントン療法を行ってみてはいかがでしょうか。マインドフルネス瞑想も効果的ですがそれはストレス軽減が主たる目的です。サイモントン療法は対象をがん患者1000に絞った療法です。

末期がんだって治ることがある

自然治癒・劇的寛解などと言われる奇跡は誰にでも起こるのです。それには心の有り様がもっとも影響しているのです。ケリー・ターナー博士は『がんが自然に治る10の習慣』の中で外界的寛解の例を挙げています。

  1. 抜本的に食事を変える
  2. 治療法は自分で決める
  3. 直感に従う
  4. ハーブとサプリメントの力を借りる
  5. 抑圧された感情を解き放つ
  6. より前向きに生きる
  7. 周囲の人の支えを受け入れる
  8. 自分の魂と深くつながる
  9. 「どうしても生きたい理由」を持つ
  10. 毎日適度な運動をする

正しい死生観を持つ

死と闘って勝った人間は、一人としていません。負けると分かっている相手と闘おうとするから悩み・迷い・混乱が生じるのです。いずれは「何か」で死ぬことが避けられないのなら、がんはそれほど悪い「何か」ではないと思います。

がんとは闘いなさい。しかし「死」と闘ってはいけません。「死」がやってくれば受け入れること。それ以外に方法がありますか?私の死生観を育んだのは、

等です。

本来の自分に帰る

「なぜがんになったのか」ということです。完全主義者で100点満点の仕事をしないと気が済まない。頼まれたらいやと言えない。他人より能率が高い仕事をすると誇らしく思う。障害が高ければ高いほどやる気が出る。そのような人生を歩んできた。しかし、そんな生活を長く続けていると当然のことだが、身体は壊れてしまう。だから身体の方が自己防衛的に病気を作る。「少し休みなさいよ」というわけです。

風邪くらいひいたってちょっと休んではすぐに元のペースに戻る。そんな繰り返しのあげくに、身体の方が、「こいつはいくら言っても分かってくれない」ということで、がんを作ってしまう。私の場合は直腸がんでした。

直腸がんは比較的治りやすいがんですから、手術した当座は神妙に生活も改めて自制していたのですが、がんは5年経てば完全治癒だという医学界の取り決めを信じて、自分のがんも治ったのだと錯覚をしてしまう。がんは治ったには違いがないが、その原因である生活習慣はまったく直ってはいなかったのです。

こうして、塀があれば塀を乗り越え、溝があればそれを跳び越えるようにして生きてきたのです。そして気がついたら目の前には高圧電流が流れる有刺鉄線がある。私の場合はこれが膵臓がんです。「ここから先には行っては駄目ですよ。最後のチャンスです。ここから引き返しなさい」と、心易しいメッセージを「がん」という形で届けてくれたわけです。

『膵臓がんから15年、治った理由』2022/10/23 膵臓がんの集いでの講演