2019年7月
参院選の争点にならない緩和ケア病棟入院料
問題の根っこには、安倍自公政権の社会福祉予算の削減にあるのです。
自民党と”福祉の”公明党政権は、「早期退院」の誘導を狙った診療報酬の改定、療養病床の削減、国公立病院の統廃合と病床機能の淘汰など、入院患者を強引に“追い出し”をする制度改変をずっと続けてきました。
これらの連続的な改悪によって、患者や家族の困難を増やし、「介護難民」「療養難民」「緩和ケア難民」を増大させることになっています。
さらに、安倍政権は2014年の法改定で導入した「地域医療構想」をてこに、都道府県に病床削減の計画をつくらせ、2025年の病床数を、本来必要とされる152万床から119万床に、33万床削減していく計画を推進しています。
「在宅療養」を進める政策をとり、社会保障予算を削減しようというのが、自公政権、厚生労働省の方針です。
しかし、これでは終末期のがん患者は、安心して最期を迎えることもできなくなります。
「ゆらぎ」を認めてこそ、個別化医療が成り立つ
医学は科学です。しかし、医学の対象とする人体は複雑系の代表であり、その行動は「非線形」に振る舞う。
したがって、医学を学問として捉えた場合、その方法論は「非線形」でなくてはならないはずです。
しかし、物理学でさえも「非線形」の扱いが始まったばかりなのに、その高次な応用科学である医学が、非線形の方法論を取り入れることは、ほどんど不可能でしょう。
その反面、医療は太古の昔から経験則に基づいた複雑系として扱われており、医療は元々非線形なのであり、医療の中に「ゆらぎ」を認めてこそ成り立ってきたのです。それが「さじ加減」と呼ばれ、そうした行為を太古から「医療」と呼び習わしてきただけのことなのです。