AIはがんに関する質問に正しく答えられるか?
チャットGPT、Copilot、BardなどのAIチャットの話題が盛んです。
例えば、次のような質問へのMicrosoft Copilotの回答です。
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膵臓がんに効果的な代替療法はどのようなものがありますか?
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膵臓がんに効果的な代替療法は、様々な方法が提案されていますが、その中でも科学的な根拠や臨床的な成果があるものは以下のようなものがあります。
- 漢方薬:滋養強壮や免疫力を高める効果があり、抗がん剤治療や放射線治療の副作用を軽減するとともに、抗腫瘍効果を高めることが期待できます12。
- 血管新生阻害剤:サリドマイドやセレコックス、アルテミシニン誘導体などは、がん細胞に必要な血管の形成を阻害することで、がんの進展を抑制する可能性があります12。
- 分化誘導療法剤:ビタミンD3やイソトレチノイン、フェノフィブラートなどは、がん細胞の分化を促進することで、増殖や浸潤を抑制する効果があります12。
- エネルギー代謝阻害剤:2-デオキシ-D-グルコースやジクロロ酢酸ナトリウム、メトホルミンやドキシサイクリンなどは、がん細胞のエネルギー産生を阻害することで、細胞死を誘導する効果があります12。
- 増殖シグナル伝達阻害剤:ジスルフィラムやオーラノフィン、ラパマイシンなどは、がん細胞の増殖に必要なシグナル伝達系を阻害することで、細胞死を誘導する効果があります12。
- 食事療法と点滴療法:ケトン食やMCTオイルなどは、ケトン体を増やしてがん細胞の増殖を抑制する効果があります12。高濃度ビタミンC点滴は、がん細胞の酸化ストレスを高めて細胞死を誘導する効果があります12。
- サプリメント:メラトニンやジインドリルメタン製剤(DIM-Pro)、低用量ナルトレキソン、マンゴスチン果皮エキスなどは、免疫力や抗酸化力を高めたり、がん細胞にアポトーシスを誘導したりする効果があります12。
以上の代替療法は、標準治療に併用することで治療成績を向上させることができる可能性があります。ただし、これらの方法はすべて医師の指導のもとで行う必要があります。また、これらの方法によってすべての膵臓がん患者さんに効果があるというわけではありません。個々の患者さんの状況に応じて最適な方法を選択することが重要です。詳しくは、以下のリンクをご覧ください。1: 膵臓がんに勝つための 補完・代替療法:銀座東京クリニック
2: 膵臓がんに勝つための 補完・代替療法 | 福田 一典 |本 | 通販 …
「科学的根拠」のないものが多く含まれていますが、銀座東京クリニックのサイトと福田一典氏の著作からの引用がメインのようです。(出典を明記してくれるだけでもマシかも)
ビタミンDやメラトニンは私も接種していますが、その意外は??です。高濃度ビタミンC点滴など眉唾ものです。
まだAIには任せて信用するわけには行かないようです。
「がん医療情報リファレンス」に次のような記事が載っています。
2つの新しい研究によると、「まだ提供できない」というのがその答えかもしれない。研究者らは、AIチャットボットは信頼できる情報源からがん情報を収集することが可能であるが、その回答には誤りや脱落、患者向けではなく医療専門家向けの文言が含まれる可能性があることがわかった。
「私たちはまだAI黎明期にあります。AIチャットボットは、医学情報を合成することはできますが、患者からの臨床的な質問に対して信頼できる回答を一貫して生成することは、まだできません」と話す。
ChatGPTの回答の正確性については腫瘍医の間で意見が分かれることが多かった。研究者らは、このような意見の相違はNCCNガイドラインが複雑であることや、ChatGPTの回答が不明瞭であったり、解釈が困難な場合があることによると考えている。
注目すべきは、回答の13%にどの推奨治療にも該当しない治療方針が含まれていたことである。これらの回答には、ガイドラインに全く記載のない治療方針や、AI研究者らが「幻覚」と呼ぶ意味不明な治療方針が含まれていた。
「がん医療情報リファレンス」
AI(人工知能)は要するに数学的処理ができるだけです。そして数学は、論理と確率と統計で構成されています。
この言葉の次には、この単語が来る確率が高いというわけで、言葉を繋いでいるに過ぎません。
論理と確率と統計では文章の意味も理解できないのです。
また、平気でもっともらしい嘘をつくこともしばしばです。
私もPython上でLightGBMを使って推論をさせていますが、良くて80%ですね。2割は外れるという結果です。
チャットAIも参考程度にしておいたほうが無難でしょう。
私はまだ無料版のChatgptしか試していませんが、ホリエモンが言うには有料版と無料版は知能指数がぜんぜんちがうと。マスメディアによく登場する脳科学者さんも同じ意見でした。
医療は複雑系という話を以前にされておられましたが
ざっと考えただけでも、個人による差異とがんごとの遺伝子変異による差異があるんですね
花粉症になる人、なりにくい人など、個体差による差異は大きいし
がんごとの性質の違いも大きい
だから同じ治療をしても、うまくいく人、いかない人がある
現在の医学では、そういう条件のすべてがわかっているわけではないので
どうしても運まかせの側面があるんですね
現在、オーダーメード治療が叫ばれていますが
どこまで細かくできるかというとまだまだ難しい気がします
ももんがさん。
コメントありがとうございました。
がんも医療も複雑系ですから、原因と結果が1対1に対応はしない。医療の不確実性が問題になるわけですよね。
オーダーメイド治療も、ではその効果をどのように測定するのか。たくさんの感情集めて同じ条件で臨床試験を行うのは難しいでしょう。
なぜならオーダーメイドですから。