慈恵医大 膵臓がんを光免疫療法で、更に一歩前進
今年の風邪はしつこいのですかね。熱が上がったり下がったりで、いまいち体調が芳しくありません。
東京慈恵医大がやってくれましたね。
東証マザーズのカイオム・バイオサイエンス株が急上昇とのニュースの関連で出てきたのですが、
東京慈恵会医科大学と実施した、ヒト化抗TROP-2抗体を用いた胆道がん・膵がんを標的とする光免疫療法に関する研究成果が米国の論文誌「Cancer Medicine」に掲載されたと発表しており、これも好材料視されているようだ。
カイオムの発表の内容は、こちら「東京慈恵会医科大学との共同研究の成果に関する論文掲載のお知らせ」のPDFです。
本試験では、ヒト化抗 TROP-2 モノクローナル抗体に、光感受性色素である IR700 を結合させた抗体複合体(TROP2-IR700)を合成し、膵臓がんと胆道がん細胞株に対する抗腫瘍効果を検討した。がん細胞にTROP2-IR700 を添加し、近赤外光を照射して IR700 を活性化させると TROP-2 選択的にがん細胞株を殺傷し、更にがん細胞株を移植した担がんマウスにおいて、TROP2-IR700 を投与し腫瘍部に近赤外光を照射すると腫瘍形成が有意に阻害されることが明らかとなった。
TROP-2 は膵臓がんや胆道がんを含む多くの癌において高発現している膜タンパク質であり、予後やがんの悪性度との相関が示されている。今回の研究の成果は、TROP-2 を標的とした光免疫療法が、予後不良で治療法の選択枝が少ない膵臓がんや胆道がんの新たな治療方法となりうる可能性を示唆する。
TROP-2モノクローナル抗体が膵臓がんにおいて高発現しているので、それをターゲットにして、IR700と結合したものを開発したわけです。
まだマウス実験のレベルですが、膵臓がん・胆道がんにおいても光免疫療法の実用性がますます明らかになってくれるのは嬉しいことです。
頭頸部扁平がんの次のターゲットは膵臓がんと考えてほぼ間違いないでしょうが、早くヒトの臨床試験にまで進んでほしい!! お願いしますよ、慈恵医大さん。