がん患者の人生プラン

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【日 時】2018年12月23日(天皇誕生日) 13:10~16:30(開場・受付:12:50ごろ)
【場 所】JR京浜東北根岸線 大森駅東口から徒歩4分 Luz大森 4階 入新井集会室
【参加資格】膵臓がん患者とその家族、遺族
【参 加 費】500円(会場使用料及び資料代)
【定 員】 130名
【内 容】
●講演「私が手術、抗がん剤をやめたわけ」:待夢さん、SAKUさん
●患者さんどうしの情報交換会
●二次会(希望者だけ)

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来年の手帳は購入しなかった。今年の手帳を開いてみても、ほとんど使っていなくて、せいぜい病院の定期検査の予定とか、薬をもらう日が書いてあるだけだ。がんになる前は手帳が真っ黒になるほど書き込んでいた。しかし、がんになってからは、時間を惜しんで効率的にこなすことを止めた。そんな考え方が、がんになった一因かも知れないと考えたからだ。仕事の予定、ToDo、検査の予定程度ならOutlookで間に合う。メモ書きならlinoというオンライン付箋サービスが役立ってくれる。

手帳は買わなかったが、計画まで立てないというわけではない。29日のNHKスペシャル「働き盛りのがん」で紹介されていた関原健夫さんの闘病記、『がん六回 人生全快』に、関原さんが最初の大腸がんを告知された時、同じニューヨークにいて乳がんと闘っていた千葉敦子さんからこんな手紙をいただいたという箇所がある。

癌患者はふた通りの人生設計を持たなければなりません。治療が失敗した場合と成功した場合と。そのふたつの仮定に立って、いま自分にとって何が一番大切か、を選ばねばならないのです。もし、五年生きられたら、本当にもうけものなのですから。・・・・・・・・私は一年と六ヶ月のプランもつくっています。最初の六ヶ月生きられたあとの喜びは忘れられません。

実は私も膵臓がん手術の入院中に退院後の計画を立てたのだった。膵臓がんの場合は6ヶ月の計画でも長すぎる。手術の適用がない患者では3ヶ月で半数の人が亡くなる。幸い手術ができた私のような幸運な患者でも、6ヶ月ことに半数が亡くなる。ところが私は2年と4年の計画を立てた。千葉敦子さんの計画は、「5年生きられたらもうけもの」を前提とした計画だ。しかし、私の計画は「治癒するための計画」という考えだった。サイモントン療法を解説した川端伸子さんの著作『がんのイメージ・コントロール法』にある「2年間の健康プラン」に勇気を与えられて立てたものだったからだ。千葉さんの計画は、治癒した場合と治癒しなかった場合の計画であり、「治癒するための計画」がない。実際はあったのかも知れないが、この手紙では触れられていない。

治癒するための計画の内容は、このブログで書いてきたとおりのことで、歩くこと・チェロを楽しむこと・玄米菜食・たくさんの古典や科学の本を読むことたくさんの楽しい時間を持つこと、生きがいを持つこと、希望と夢を持つこと。そして最も大きな夢が「自宅を建て替える」ことだった。私が死んだあとの家族の生活を考え、自宅を賃貸・貸店舗併用住宅にしてか細い年金でもひとり残された妻が暮らしていけるようにという計画だった。退院してすぐの2007年9月に業者を呼んでプランを立てさせた。ただし、完成するまで私は生きていない可能性が大きいから、それを了解して欲しい。契約までに再発したら、この計画は中止にします、という約束で始めた。もちろん私としては、完成するまでは絶対に死ぬことはできない、という決意だった。

業者選びと設計には1年をかけた。もちろん癌患者に住宅ローンは貸してくれないから、事業ローンにした。これなら団体信用生命保険に入る必要はない。この間、家族全員で設計プランを練りに練った。この時間が一番幸福で豊かな時間だったような気がする。幸い、再発はしなかった。今年の2月に自宅を解体して仮住まいになった。9月には完成して新居に戻ってきた。テナントも全て満室になり、ローンの返済も心配はなくなった。これが私の2年のプランだった。

4年のプランは、年金を満額もらえるまで生きてやろうということだ。64歳になるまでなにがなんでも生きて年金をもらわなければ悔しいではないか。それと、チェロで市民オーケストラに参加する夢も、4年後までには実現したいと欲張ってみた。(こちらはかないそうにない。上達が遅すぎる)

千葉敦子さんの「がん患者はふた通りの計画を」はその通りだと思う。更に私が付け加えたいのは、どちらの計画にも「治るためにするべきこと」と、治っても治らなくても「自分の本当にやりたいこと、大切だと思うこと」を必ず入れるべきだ。桜を見ても紅葉を見ても、本を読んでも、すべて「一期一会」だという思いで体験してみることだ。

再発もなしで、計画達成した我が家で迎える新年は、我が人生で一番輝いていたと言える新年になるに違いない。そして、来年の計画と希望は、がん患者にとって一番贅沢な希望、

   今年と変わらない新しい一年でありますように

ということです。

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がん患者の人生プラン” に対して1件のコメントがあります。

  1. より:

    キノシタ様
    思いもかけず早速にもコメントを頂き、ありがとうございました。
     キノシタさんほどではありませんが、HbA1C、ALPがそれぞれ6%台、400とやや高めという検査結果を除けば、現在の体調はすこぶる良く、これも手術をしてくださった外科医の先生のお蔭だと思っております。(手術の出来が8~9割がたの帰趨を決めるのではないかと密かに思っています。)
     GEM休止につきましては、何がGEMの副作用なのかを一旦休止して実感したかったということもありました。この薬の耐性の問題や長期投与のエビデンスの欠如、等々様々な角度から慎重に判断しながら、また投与の復活についてはじっくり考えたいと思っております。貴重なアドバイスを頂きまして、重ねて御礼申し上げます。
     さて、私の場合は、減黄処置をしてもらった病院を含め3つの大病院で、オピニオンをもらいました。非常に厳しいこの病にしては、希望のもてるコメントや診断をどの病院の医師からも貰ったのですが、やはり後ろをちょっと振り向けば断崖の淵が迫っているという意識は常に払拭できずにいます。切除手術が受けられる20%に入れた僥倖に何はともあれ感謝しておりますが、術後については現在の医学をもってしても決定的かつ効果的な治療法がなく、いまだ手探り状態とのこと。
     キノシタさんが食事とガンとの関係や高価なサプリメントについて結論付けられていることはまったくその通りだと思います。今はやるべきこととやるべきでないことをきちんと見極めてサバイバーへの方途を探っていきたいと考えています。
     この病に関連するブログをいくつか読ませて頂いたなかで、その文章力と内容の充実度でキノシタさんと月明かりさんのものが抜きん出ているように思います。(あと、術後6年8ヶ月が過ぎてまさにサバイバーとなった女性のものからも勇気を頂いております。)今後も読者であり続けますのよろしくご指導くださいませ。長文、駄文、失礼いたしました。

  2. キノシタ より:

    陶さん。コメントありがとうございます。
    膵臓がんの術後補助化学療法でGEMを投与することについては、ASCOの臨床試験などで有効性が確認されています。体力があり副作用が我慢できるのでしたら続けた方が良いと思います。ただ、私の場合も半年でした。あまり長く続けることの有効性に関しては不明ですから、陶さんの判断が良いとも悪いとも言えないのかもしれません。
    最後は自分の免疫力と体力です。体力がなければどんな治療も効果が半減すると思います。

  3. より:

     キノシタさんと月明かりさんのブログを愛読させていただいている者です。偶々ここのコメント欄をを目にして、お二人が接点をお持ちになっていることを知り、驚くやら嬉しいやら。申し遅れましたが、私(50代、男)も昨年4月に黄疸を発症し、その直後にすい臓がん(ステージVIa)と診断され、5月に膵頭十二指腸切除手術(PPPD)を受けました。術後、なんとか9ヶ月が経過しようとしているところです。
     5月末の退院直後からジェムザール投与を開始し、12月までの7ヶ月ほどの間、化学療法を続けましたが、今年になって(と言ってもまだ一ヶ月足らずですが)自分自身の判断で一旦中止しております。病院(主治医)は1年間の化学療法を推奨していますし、家族もそうしてほしい意向なのですが、お二人のブログなども参考にさせて頂いて以前から考えていたことを実行に移しました。今後のことは「神のみぞ知る」状況ですし、確たる治療法が無い中での模索が続きますが、ブログに書かれていることを参考にさせていただきながら、私もサバイバーを目指したいと思っております。

  4. キノシタ より:

    月明かりさん。今年一年、お互いによく頑張りましたね。来年もよろしくお願いします。
    さて、コメントの件ですが、最近月明かりさんのブログには同じがんの患者さんからの相談が多く、それに対して月明かりさんが丁寧に返信しているのを見て、感心するとともに、あなたの健康に影響はしないかと心配もしておりました。
    ブログを閉鎖するかどうかという点ですが、あんたのブログのすばらしいのは、ステージⅣbから、希望を失わずに手術にまで持って行き、なおも生きる努力をしている点ではないでしょうか。たとえ再発して、余命半年という結果になろうとも、これまでのあなたの生きた証が無駄になることはないと思います。
    「やっぱりだめだったのか」と受け取るか、「立派にがんばった人だね」と受け取るかは、相手次第であり、他人がどのように受け取るかは、あなたにコントロールできることではないでしょう。自分にコントロールできないことに対してまで責任を負い、負担に感じる必要は全くないと思います。
    ブログを開設した当初の目的に応じた対応をすることもOKだし、このまま続けるもよし。要は、「自分のがんとの闘いにとって、このブログが役に立っているか」どうかという点ではないでしょうか。他人の心配をしている状況ではないでしょう。「終了宣言」をしても無責任だとは、私は思いません。ちょっと寂しくなるでしょうが。
    サイモントン療法を紹介した『がんのイメージ・コントロール法』に次のような記述があります。いまの月明かりさんにぴったりの内容だと思うので、長いですが転記します。
    ********************************
    周囲の要求に対する態度
    あなたは、がんという病気のため、周囲からは注目される存在かも知れません。あなたが健康を取り戻しはじめたら、注目を浴びる存在となり、周囲の人はその秘訣を聞きたがるようになるでしょう。そのうち、あなたに直接、そのことを聞きに来るようになるかもしれません。
    「私の家族にがんの患者がいるんです。どうか、あなたの話を聞かせてください」と。
    しかしそのような時は、必ず「NO」と言ってください。そのような依頼に対しては、あらかじめあなた自身の健康の秘訣についての情報源をそろえておき、本を紹介したり、カウンセラーの情報を渡すだけにしてください。
    あなたはこの場面で、NOと言わなければいけないことは分かっていますが、同時に、その人たちが求めていることも分かっているので、罪悪感を抱くかもしれません。
     相手は、「あなたが必要」と言うかもしれません。そのときには、「話しをしてあげたいと思っているのですが、ドクターストップがかかっているのです」という切り札を出してください。
     あなたは自分自身の最も優秀なドクターですから、あなた自身がきちんと賢い判断を下してあげましょう。この時期は、まだ他人を助ける段階ではなく、あなた自身を助ける時だからです。
     また、健康の回復にとって大切な時期であるということを、きちんと理解しておいてください。このように言ったあと、あなたはまた罪悪感を抱くことになるかもしれません。
     そのときは、独り静かになって内なる叡智にたずねてみてください。そして、内なる叡智が確信を持って、「行きなさい」と言うとき以外は、このことはきちんと守るようにしてください。
    **********************************
    私は、と言うと、「書きたいから書く」。それだけです。書きたくなければ書かない。自分の考えたこと感じたことを、他人にも知ってもらいたいということかもしれません。「読む人がどんな反応をするかは、私の知ったことではない」、極端に言えばこんな感じでしょうか。私のブログに何を書こうと、他人の迷惑にならなければ、無責任でよいのです。自分の治癒に役立たない、悪影響だと思ったら閉鎖した方がよいし、ブログを書くことで客観的に考えることができ、役立っているなと思うのなら続けたらよいと思います。自分中心に考えたらいかがでしょう。
    自分の叡智に相談して、いちばん良いと思う決断をしてください。

  5. 月明かり より:

     こんにちは
    キノシタさんのブログに、初めてコメントさせていただきます。28日に更新された久留米大の最新情報をさっそくお知らせいただきありがとうございました。以前に読売ニュースの記事から「事業仕分けの余波が久留米大にも・・・」という情報を知ったのも、キノシタさんのブログです。焦って、久留米大に問い合わせました。その後、インターネット活用術(12)を熟読し、最新情報の効率的な集め方を実践しています。そんな訳ですので、今年1年、大変お世話になっておりました。多謝。
     キノシタさんのブログでは、すい臓がん関連の治療情報やがんに関する新刊本の紹介など、いつもためになる内容で勉強させていただいてます。時には、数学の理論などの難しい内容もあり、とても私には脳みそがついていけてないこともあり、恐れ多くて今までコメントできませんでした。失礼をお許しくださいませ。
     さて、私のブログを今後どうするか、夫とも相談しています。いずれ再発転移したとして、不特定多数の方を「やっぱり駄目だったか」とがっかりさせるのは本意ではないので、今が潮時では・・・と考えています。もともと、知人や友人に安否を知らせる目的で始めたので、記事の内容も治療経過等は、大変分かりにくい状態です。それでも最近は、たくさんの方がアクセスしてくださっているようで、質問等のコメントも多くなるにつれ、責任も感じている次第です。
     できれば人に希望を与えることができるようなブログになるよう努力を続けるべきなのでしょうが・・・、私も自分の今後の経過に自信がないのです。「手術不能で余命6カ月と医者に言われても、2年は生きれた人がいるよ。」(その後のことは、分からないけどね・・・。)というブログで終わっても、私自身は十分満足しています。もともと日記ブログのつもりだったのですから・・・。
     キノシタさんは、今突然、「月明かり行路」終了宣言する方が無責任だって思われますか?忌憚のないご意見をお聞かせ願えたら、幸いです。「あなたのブログなのだから、あなたのお好きなように・・・」でもかまいません。ちなみに、私の主治医は、いつもそのスタイルで私に接してくれるのですよ。半ば呆れられているのかもしれません。トホホ。
     もし自分のブログを継続しなくても、キノシタさんのブログには、時々お邪魔させてください。そのコメントで、「おっ、まだ生きてるなぁ」ってことをお伝えしますので・・・。今後ともよろしくお導きください。

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