甲状腺がんの超音波検査結果
甲状腺がんの疑いがあるといわれて、今日は超音波検査の結果を伺いにがん研に行ってきました。まだこの時点では、私の手術をしていただいた肝胆膵外科部長のS先生です。
検査目的:膵がん術後の経過観察によるCTで甲状腺に低濃度腫瘤を認めた。
所見:左葉下部に17×14×12mm大の嚢胞(のうほう)性結節を認める。内部エコーを認め、一部血流が観察される。CTで指摘されていた病変と思われる。左葉上部に点状高エコーを伴う6×5×4mm大の不整形低エコー結節を認める。内部および辺縁に血流信号が観察される。その他、両側葉に楕円形の結節が多発している。頸部リンパ節に明らかな腫大を認めない。
診断:腺腫様甲状腺腫(左葉上部の微小結節については、乳頭癌も否定できない)
という結果でした。
甲状腺がんでは非常に有名な伊藤病院のサイトには、「腺種様甲状腺腫」について次のように書かれています。
甲状腺の腫瘍は、良性と悪性、さらに腫瘍とよく似た「過形成」という状態がありに分類されます。過形成は正常組織と同じように細胞が増殖したもので、良性です。
腺腫と似た変化を起こすもの(過形成): 腺腫様甲状腺腫
典型的な腺腫様甲状腺腫では、左右の甲状腺に大小さまざまな大きさのしこりがいくつかできます。このしこりがたくさんできると、外見上はくび全体が大きくはれたように見えます。
腺腫に比べると大きなものが多く、なかには鎖骨より下の胸の方まで入り込むもの(縦隔内甲状腺腫)もあります。
この病気は本来良性ですが、時には一部にがんが含まれていることがあります。したがって、きちんと鑑別診断を受けることが大切です。また日本では少ないですが、長い間放置すると甲状腺機能が亢進することもあります。
S先生:まぁ、ほとんど心配ないですね。
私:ええ、ぜんぜん心配していません。仮に乳頭がんであったとしても10年生存率は98%ですから、すい臓がんに比べたら風邪をひいたようなものでしょう。
先生:たまに15年ほどして悪性になることもあるようです。私も以前は甲状腺がんの手術をしていましたが、最近は遠のいているので、よく分からないこともある。念のために頭頸科の先生を紹介しましょうか。その上で細胞診をするかどうか判断してもらえば良いでしょう。
私:15年後なんて、天寿を全うしていますよ。過剰診断の可能性も否定できないですよね。でも、見つかった以上最後までキッチリと確認しておきます。
先生:心配しすぎないように念押ししておこうと思ったけど、キノシタさんはよく勉強しているからその必要もなさそうですね。
ということで、来月にがん研で「院内セカンドオピニオン」となりました。膵癌とは違い、対応もスローです。