がん性悪疫質にアナモレリンが効果

先週、神戸で開催された「第16回 日本臨床腫瘍学会学術集会」で、がん性悪疫質に関する発表がありました。

『消化器がんに伴うがん悪液質患者におけるONO-7643の有効性及び安全性を確認するための多施設非盲検非対照試験』

スイスのヘルシン社が開発し、日本では小野薬品工業が販売権を持っているグレリン受容体作動薬Anamorelin(アナモレリン)/ONO-7643は、非小細胞肺がんに対する第3相試験で、除脂肪体重と体重の増加、倦怠感の軽減および症状の改善が示されています。

今回は、これを日本の消化器がんの患者50人に対して行った対照試験で、杏林大学医学部付属病院の古瀬純司医師から報告されました。

  • がんによる食欲不振/悪液質症候群は、多くの進行期がん患者で発現する
  • 既存の有効な治療法は確立されていない
  • アナモレリンは、「空腹ホルモン」と言われているグレリンに類似した構造を示しており、タンパク合成の増進と筋肉量の増加が期待できる
  • 大腸がん40名、胃がん5名、膵臓がん5名の系50名が参加した
  • 49名のうち31名(63.3%)において除脂肪体重の減少が認められなかった
  • 膵臓がん100%(5/5名)で除脂肪体重の減少が認められなかった
  • グレード3の有害事象では2型糖尿病が3名認められている

非小細胞肺がんでの試験でも、5.3%の患者に高血糖の有害事象が生じています。消化器がんでも同様の結果が出ました。

がん性悪疫質に対する有効な治療法として期待できます。

がん患者の多くは”餓死”している

と、以前の記事で東口高志医師の書籍を紹介しましたが、

がん患者がアナモレリンを使えるようになるには時間がかかるでしょうね。

悪疫質に対する有効な治療法がない現状でも、ビタミンB1、コエンザイムQ10、L-カルニチン、BCAA(必須アミノ酸のうちバリン、ロイシン、イソロイシンを指す)、クエン酸や、著者らの開発した栄養剤GFOについても紹介されています。

 

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