加島祥造さんのように生きるのは難しい

「この爺さん、そんじょそこらの爺じゃない」で始まる加島祥造さんのETV特集を、NHKアーカイブで観ました。

「死は怖くないですか?」「なんでそんなこと聞くのよ。心配するなんか、くだらないことだよ」

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これまで何回か加島さんの番組を観てきたが、今回の番組では「老子」も「タオ」もひと言も登場しなかった。

著作でもあまり触れることのなかった加島さんの挫折の人生、国立大学の教官として、また翻訳家として成功しながらも、本来の自分とは違うという葛藤の末に、職も家族も放り投げてしまう。そんな一見わがままとも見られる行動の裏に何があったのか。

世間的には無責任と非難されるような彼の人生だ。高校生の息子さんと奥さんを見捨てて、自分の心の命じるままに生きた人だ。そのために奥さんはひどい精神的状況になったという。その奥さんを支えたのは高校生の息子さんだった。

胃を三分の一も切ったというのだから、うつ病に近かったのかもしれない。加島さんとしてはこれ以外の方法は見つけられなかったのだろうが、私にはできそうもないなぁ。姜尚中さんとの対談も伊那谷の風景に溶け込んでいた。彼も息子さんを自殺でなくしているという。

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姜尚中さんは、加島さんとの対談をきっかけに、東大を退職する。そして「これまでと違う人生を歩んでみたい」。「生きることは、幸せを見つけることではない」とぽつりと言う。

しかし、加島さんの生き方、何か違うなぁ。社会のしがらみを断ち切り、隠遁生活をするのが老子のタオなのか。違うような気がする。巧くは言えないが、原発のことも世の中のできごとにも目をふさいでいるだけで良いのだろうか。老子は決してそのようには言っていないのではないだろうか。人は決して独りでは生きられないのだから。

私も70歳、これまでとは違う生きた方をしてみようとは思うが、加島さんのような「だた、自分のために」という生き方は無理だね。できない。


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