「全ゲノム検査」に期待する

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「がん遺伝子パネル検査」に関しては、長尾和宏医師らも発言しています。

がんの遺伝子研究で分かってきたことはがんの多様性である。実に様々な因子が絡みあってがん化が引き起こされている。だから現実的に遺伝子異常を捉えるだけですぐに有効な治療法を確立するというふうに単純化はできない。しかし「がん遺伝子パネル検査」は確実に進化しつつある。国立がん研究センターに設置された「がんゲノム情報管理センター」を中心として全国のがん研究機関が「がんゲノム医療推進コンソーシアム」を構築。全国規模の「がんゲノム医療グループ」が形成されつつあり、ゲノム医療も均てん化を目指している。近い将来、遺伝子パネル検査が安くなりその恩恵に預かれる人が増えるだろう。

「第9回今後のがん研究のあり方に関する有識者会議」の概要が報道されています。その中で、ゲノム医療に関しては、前回の2月21日に開かれた第8回有識者会議において、「横断的事項」として審議され、議事録と資料がアップされています。

厚生労働省「今後のがん研究のあり方に関する有識者会議

資料には、委員から事前に提出された意見に対して、今後5年の方向性が書かれています。

今後は、現状の遺伝子パネル検査から、全ゲノム、全エクソンシークエンスへと舵を切ると思われます。世界の趨勢は全ゲノムの検査であり、その検査費用もどんどん安くなっているのですから、百数十個程度のゲノム検査から全ゲノム鑑査に早急に転換すべきでしょうね。

がんの本態解明を進め、新たな診断技術・治療法を開発するためには、全ゲノムシークエンス検査等の新たな手法が有効である可能性がある。我が国においても、臨床的意義、検査費用や社会環境等を勘案しながら、臨床試験や先進医療を見据え、特に、現状では診断が難しく 、かつ治療法が確立していない希少がんや、 現行の治療では効果が乏しい難治性がん等を中心に、全ゲノムシークエンス検査等の研究を推進すべきである。

 

第8回今後のがん研究のあり方に関する有識者会議(資料)
平成31年2月21日(木)

その他にも、「体内のがん細胞を取り巻く環境制御と免疫応答効率化への革新的・基盤的治療法の研究」として、がんの微小環境の研究を推進するとされていることに注目しています。

免疫チェックポイント阻害薬もCAR-T療法も、T細胞免疫の力を借りているわけですが、欠点としては腫瘍特異的ではないこと。つまりがん細胞にだけ攻撃をするのではないので、この点の研究が求められます。

これまで日本の研究者は幾つものがん抗原を見出してきているわけで、日本は割と得意な分野であろうと思いますので、ぜひ、できれば安価で、T細胞の腫瘍特異的な免疫を活性化、維持させるような方向の研究を強化していただけたらと思います。

と神奈木構成員が発言していますが、裏返せばこれまでのクリニックで行われているようなT細胞療法では、がんを攻撃する能力が弱く、すでに20世紀の過去の免疫療法です。専門家会議が目指している「新しい免疫療法」の範疇には入らないことは当然ですね。


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