〇〇療法で治ったをどう考えるべきか

最近、ムラキテルミさんの名前をあまり聞かなくなりましたね。デトックスや小食、煮あずきでがんが治るという本を出していました。

彼女のがんが治ったのは本当だとしても、その方法を実行して治った患者が続かなかったのでしょう。

統計的なことになりますが、「少数の法則」と言われるのがあります。

10万人の中に10億円持った人が一人参加するよりも、100人の中に一人参加する方が、平均値をぐっと上げることになります。この手法は、高額な免疫療法クリニックの広告に使われています。腫瘍が消えたとか、奏功率が80%などと、少数の例を用いて、その治療法が優れていることを示そうとします。

こういう場合は、「分母」を考えることですね。全体で何人の中での例なのかということです。

百万人のがん患者がいれば、奇跡的に治癒する患者が100人ほどいると言われます。たまたまその患者が「煮あずき」を食べていれば、これががんに効くとなるわけです。標準治療を併用していることは無視されます。

利用可能性ヒューリスティック」というのは、すぐに手に入る情報を重視して、それだけで判断することです。書店に行ったら済陽高穂や近藤誠氏の著作がたくさんあった。それを買ってきて、その情報だけで判断する、等というのが典型的な例でしょう。

さらに本の内容に、具体的な患者の描写があれば、つじつまの合ったストーリーに基づいて判断してしまうことになります。つじつまの合ったストーリーが必ずしも起こりやすい(確率が高い)訳ではないのに、勘違いしてしまいます。これを「代表制ヒューリスティック」と言います。

人間の判断するときには、これら以外にも、いろいろなバイアス(偏り)があることを知っておくことで、よりよい判断ができるようになります。


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