てふてふが二匹太平洋を渡って行った
小室圭さんと眞子さんの結婚についての週刊誌の過激な報道がまだ収まらないようですね。
ニューヨークの新居に引っ越してからも100人規模のマスコミが待機しているらしい。
若い二人が新たな船出をしようというのですから、干渉せずに見守ってやればいいのに。
眞子さん佳子さん姉妹は、「私たちが自由になるためには結婚するしかない」と話されていたとも報道されています。
2005年、上皇の長女である清子さんが黒田慶樹さんと結婚されたが、その時報道されたエピソードの中で、清子さんが学習院高等科の卒業アルバムに記されたという次の一行詩が、私の記憶に強く残っている。
昭和モダニズムの詩人、安西冬衛の代表作である。
安西冬衛の一行詩
春
てふてふが一匹韃靼海峡を渡って行った
韃靼(だったん)海峡は間宮海峡のこと。冬の季節は厳しい間宮海峡も、春になり暖かくなった。そこに弱々しい蝶々が一匹、自由を求めて大陸へ渡って行った。たった一行で、波の荒い間宮海峡と、その向こうにある広大な大陸をイメージさせます。
黒田清子さんも、皇室を離れて自由になることを常々夢見ていたのではないかと思い至った。基本的人権の保障はされない皇室での生活に、なんとか抗うことを考えていたのに違いない。
象徴天皇制は、彼ら彼女らの犠牲の上に成り立っているのです。そして、生まれながらにして貴い身分の人がいるということは、それと対になって、生まれながらにして卑賤な人々がいるという理不尽なことでもあります。
「結婚は、私たちにとって自分たちの心を大切に守りながら生きていくために必要な選択です」と述べたお二人。
二匹の蝶々が人としての心の自由を求めて太平洋を渡って行った。ねじくれた興味や関心など捨て去って、そっと温かく見守ってやれば良いのではなかろうか。
マスコミも、もっと大事で報道しなければならない事柄があるだろうに。