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膵臓がんにCU制度を導入 15年度から

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どうってことのない写真ですが、今年の初ショットです。下町のボブスレーのドラマがBSで始まっていますが、また一つ大田の町工場が消えてマンションになります。隣の銭湯の煙突、ここも古い湯で、ときどきテレビがロケをやっています。


確定申告を提出し、今年もなんとか終わりました。昨年は腸閉塞もなくて医療費は夫婦で25万円でした。幸いにも私はいま高額な抗がん剤などは使っていないので、この程度で済んでいます。アヘンチンキとリパクレオンが高い薬の部類に入ります。

本日の日本経済新聞に「抗がん剤、保険外の薬使いやすく 混合診療を拡大」との記事が載っていました。

政府はがん患者らが、保険適用前の未承認薬を使う場合の費用負担を軽くする新制度を導入する。現在は未承認薬を使うと薬以外の医療費も患者が全額負担するのが原則で、製薬企業の治験に参加した場合だけ一部に公的保険を使える「混合診療」となる。2015年度からは治験に参加しない人でも、他に治療法がない場合は混合診療を認め、治療の選択肢を増やせるようにする。

これは「日本版コンパッショネートユース」と呼ばれる制度。政府は6月にまとめる成長戦略に混合診療の拡大を盛り込む。この新制度はその柱の一つとなる。厚生労働省が省令などを改正して15年度から始める。

日本のがん患者は約150万人で、20年には230万人に達するとの推計もある。このうち症状が重く薬の少ない膵臓(すいぞう)がん(死亡数が年間、約3万人)や食道がん(同約1万人)などの抗がん剤で、まず混合診療の適用を広げる見通しだ。

今回の新制度は患者団体が要望していた。製薬企業は承認前から薬を広くアピールできる一方、自社の治験以外で問題が起きた場合にリスクがあるとして新制度に消極的な声も少なくない。

未承認薬で混合診療を広げる一方、政府は高額な抗がん剤の公的保険への適用は16年度をメドに厳しく審査する方針だ。効果に比べて過大な費用がかかる薬は適用されなくなる。

日本では膵臓がんに対して承認されている抗がん剤はゲムシタビン、TS-1、エルロチニブ、FOLFIRINOXの4剤だけですが、アメリカでは10剤以上が承認されています。シスプラチン・オキサリプラチンなどのプラチナ製剤、イリノテカン・ロイコボリン・カペシタビン・ドセタキセル・ナブパクリタキセルなど未承認薬は、全額自己負担に耐えることのできる経済的に裕福な患者しか使うことができません。

国内未承認の抗がん剤を使おうとすれば、現状では治験に参加していない場合は薬剤費とその他の費用も全て保険適用のない自己負担となります。コンパッショネートユース制度(CU制度)ができたら、患者の自己負担は薬剤費だけになるので、これまであきらめていた患者にも手が届くことになります。それでも薬剤費全額自己負担ができる患者は限られるでしょう。乳がんに承認されているナブパクリタキセル(アブラキサン)を例にとると、アブラキサン点滴静注用 100mgの薬価は5万6982円(1瓶)、1回の投与量を400mgとすると、56,982円×4瓶=227,928円。乳癌の場合これを3週間毎に繰り返すので、1年間では387万円にもなります。膵臓がんの場合の投与量、回数は分かりませんが、これよりも少ないことはないでしょう。

CU制度の導入は一定の前進には違いありません。しかし、CU制度はドラッグ・ラグ解消のための限定措置であるべきです。本来は、国内治験と承認作業を迅速化して、すべての膵臓がん患者が保険で使えるようにして欲しいというのが、がん患者の切実な要求です。

しかし、記事にもあるように「政府は高額な抗がん剤の公的保険への適用は16年度をメドに厳しく審査する方針」ということですから、CU制度を隠れ蓑にして、混合診療のなし崩し的な全面解禁への突破口とするのではないか、政府の財政的負担を減らすための手法として使われるのではないか、との疑念が残ります。

また、CU制度では治験と違って科学的臨床データの蓄積にはならないし、これが常態化すれば、製薬メーカーの治験への消極的な取り組みに対する隠れ蓑ともなりえます。製薬メーカーとしては、患者数の少ない癌腫への薬剤開発はやりたくないのです。

2013年の医療用医薬品の売上(薬価ベース)は計9兆8466億4100万円、前年比3.1%増で、トップは抗腫瘍薬で売上6968億7400万円(6.6%増)。アバスチン、ハーセプチン、ベルケイド、スプリセル、アービタックス、タシグナなどの分子標的薬が抗腫瘍薬市場をけん引しています。

最近の分子標的薬は、薬価が驚くほど高額です。製薬メーカーの稼ぎ頭です。これらを全て承認していたら、今でも破綻寸前の保険財政が立ちゆかなくなることは目に見えています。

今回の政府の方針も財政危機対策の一環であり、がん患者のことを考えて制定してくれると考えるのは、お人好しに過ぎるでしょう。定年を間近にした、あるいは定年後のがん患者にとっては手放しで喜ぶことはできません。


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