良寛さんの、百歳まで生きる秘訣

三寒四温とはよく言ったもので、今日は朝から冷たい雨です。こんな日はモーツァルトのディヴェルティメントが気分に合いそうです。K.334の第17番、K.136~138の第1~3番をイ・ムジチで。

「百歳まで生きて、癌で死ぬ」のが私の理想です。どうすれば百まで生きられるのでしょう。ストレスを溜めず、食べ過ぎず、適正や体重を保って、運動をし・・・・、と常識的な回答ならこうなります。でも良寛さんは違いました。

P1020738良寛さんが西山(現、柏崎市西山町)のある富豪を訪ねたとき、そこの主人が

「名誉も富も何一つ不足はないのですが、ただ一つ百歳まで生きたいと思うので、何かよい方法があったら教えていただきたいのです。お礼なら望み通り差し上げます」

と。良寛さんは笑いながら言いました。

「礼などは要らん。そんなことは簡単なことじゃよ。百歳まで生きる心がけはな・・・。今、百歳だと思えばいいんじゃよ。」

自分の思い通りにならないことにはあれこれ悩まないで、今のこの時を「最後の日」と覚悟して生きることが大切だと、良寛さんは言いたかったのでしょう。良寛さん自身が、そのように生きた人でした。

今だからこそ、良寛「いのちの落語」の樋口強さんが良寛さんを落語にしてしまいました。『今だからこそ、良寛』を上梓されています。良寛を手本に、”人生が輝いて楽しくなる秘訣”を古典落語も織り交ぜながら紹介されています。

秘訣1 今日もサケサケ明日もサケ

酒もタバコも大好きな良寛さん、だから直腸がんになってしまったのかもしれませんが、酒を歌った俳句や和歌がたくさんあります。

山しぐれ 酒やの蔵に 波深し
さけさけと花にあるじを任せられ 今日もさけさけ明日もさけさけ

とにかく良寛さんの酒は楽しい酒だった。五合庵には鉢一つしかない。これでかゆを炊き、手足を洗うのが良寛さんの生活。物を持たないからこそ心は身軽なのです。客人が来て酒を振る舞おうとするが、入れ物がない。火葬場から欠けた椀を拾ってきてそれに酒を満たして客人に振る舞う良寛だった。屈託がない。

秘訣2 今日が百歳だよ

良寛さんの逸話から、樋口さんはこう言う。

いのちの価値をその長さだけに求めて無為に長生きをしても、そこに何の喜びが残るだろうか。それよりも今日を精いっぱい楽しく生きてみる。その楽しさが明日につながる。つなげるものはいのちではなく、自分が楽しいと感じる心である。明日の楽しさが明後日に手をかけて、それが限りなく続いていく。

そして、自分のいのちが終わりを迎えるときに、「ありがとう」という一言が出た瞬間が百歳、百年目である。

これ、桂米朝さんが得意とした噺『百年目』のオチと絡めた説明なのですが・・・。

樋口強さんの毎年恒例の「第14回 いのちに感謝の独演会」の申込みも始まっています。メールで予約できるのでお早めに。昨年はいけなかったから、今年は是非参加したいな。落語になった良寛さんを聞くことができるでしょう。

私も、一日も欠かさずに楽しい晩酌をやっている。

散る桜 残る桜も 散る桜

少し早いか遅いかの違いに、何をジタバタすることがあろうか。


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