第3回がん撲滅サミット 光免疫療法の小林久隆氏が講演
第3回がん撲滅サミットが11月にパシフィコ横浜で開催されます。昨年は一部の患者団体、医師から執拗な妨害があり、混乱したことが記憶に新しいです。
少量抗がん剤治療と動注塞栓術は標準治療が終わった患者の選択肢
主催者団体の代表顧問の中見利男氏が開催に当たって次のようなインタビューに応じています。
『第3回がん撲滅サミット提唱者に聞く~戦うべきはがんであり、患者同士や医師同士ではない~』
中見 昨年はお騒がせしたことについては反省しております。しかし昨年、登壇予定だった二人の医師の方は確かにクリニックと名がついておりますが、我々の紹介したかった治療法は少量抗がん剤治療と動注塞栓術でした。この二つの治療法を二人の先生は保険適用第一で進めておられたので、ほかに治療法がないという人でエビデンスの確立はできていないものの、どうしても他の選択肢が欲しいという方々のためにご紹介する予定でした。
ある患者団体の代表の方が声を上げたのですが、これについてはメディアはすい臓がんなどの重い症状を抱える他の患者団体や直接該当する二人の医師の方にも取材をされるのだろうと考えておりました。本来それがジャーナリズムだと思うのですが、私自身その後の対応に走り回っていたので、積極的に説明に回れなかったことが唯一残念です。
中には業務妨害に匹敵する行為を行った医師の方々もおられましたが、事を荒立てるのではなくまずは大会を実施することを私自身、優先したのです。もっとも私自身に患者さんのお役に立てればと思う気持ちが強かったことと、あらゆる意味で勉強不足があったのだと思います。
今回はがん研有明病院が主催者に名を連ねています。三好立先生らの再登板を期待していたのですが、実現しないようです。そのかわり、ブラックジャックを目指す医師『このまま死んでる場合じゃない』の著者 岡田直美医師が公開セカンドオピニオンに登壇します。
是非ともお話を聞きたいものですね。そうそう、次回10月の旧『すい臓がんカフェ』(現在は『膵臓がん患者と家族の集い』)には、もう一人の共著者である善本孝香さんが講演をしてくださいます。
現場の医師は論文屋さんには勝てない
岡田医師は著作で次のように述べて、エビデンス至上主義者を批判しています。
動注なら動注の論文をたくさん集めて、統計解析した論文。これをメタアナリシスと言いますが、これが、もっともエビデンスレベルが高い、信頼度が高いものとされています。論文の筆者が動注をしたことがあろうとなかろうと関係ないのです。一見客観性はあるように見えますが、机上の空論というか、何か腑に落ちないのです。
いくら私が再発・転移した患者さんを治したからと言って、「それは単なるケースレポートでしょう」「エビデンスというにしては弱い」と一蹴されてしまうのです。これまでの治った患者さんのすべてについて分析し結果を論文にしても、それは後向き試験(過去のデータをまとめたもの)で、客観性に乏しいと、高く評価されることはありません。
〝個人〟がどんなにたくさんの患者さんを治したとしても、治療をしたことがない「論文屋さん」に勝つことは不可能なのです。
この説明は動注だけでなく、低用量抗がん剤治療についても言えることですね。現場の医療者は論文屋さんと論文屋さんの受け売りをする医師には勝てっこないのです。
「アメリカのがん撲滅戦略と光免疫療法最前線」と題して、小林久隆氏(NIH(米国国立衛生研究所)/NCI(米国国立がん研究所)主任研究員)の講演もあります。
こちらもまだエビデンスに乏しい治療法ですが、まさか昨年のように妨害はしないだろうね。
第3回がん撲滅サミットは、今回からは事前申込み制です。すでに残り少なくなっているようです。参加を考えている方は早めの申込みを。