高齢者や虚弱な患者には、低用量抗がん剤でも同じ効果

がん治療の一部の領域では、“少量がより好ましい”ということが一般的に言われ始めており、患者の生活の質の向上に成果をあげています。

抗がん剤治療は基準量でなければ本当に効果はないのか。そうした疑問にASCOも無視できなくなったということでしょう。

イギリスの緩和的な化学療法を受けている高齢者や虚弱な進行胃食道がん患者514人を対象とした第Ⅲ相ランダム化試験です。

オキサリプラチンとカペシタビンの最低容量でも、腫瘍の増大の遅延及び副作用の最小化という点で高用量に匹敵することが判明しました。

一般に、抗がん剤の効果を調べる臨床試験では、虚弱な患者あるいは高齢な患者は除外されています。これらの患者群における化学療法の有効性は不明でした。

食道がんは通常進行した段階で診断されます。そして患者は高齢者が多く診断時の年齢中央値は68歳です。ですから、PSが0や1で比較的若い患者を対象とした臨床試験の結果をそのまま高齢者に適用できるかどうかは疑問でした。

オキサリプラチン、カペシタビン及びエピルビシンの3剤併用療法は毒性が強すぎて高齢者には耐えがたいものがあります。同様の第2相試験では、オキサリプラチンとカペシタビンの2剤併用療法が、この3剤併用療法と比べても有効であることが判明しています。

オキサリプラチン130mg/m2(体表面積)をレベルAとして、レベルBではその80%、レベルC は60%としました。その結果レベルCでも毒性反応が少なく、総合治療効果の結果も良好であったまた全生存期間はすべての要領で同等であった無憎悪生存期間についても三つのレベルで同様であることが明らかになりました

100%から60%に減らしても効果がほぼ同等であるということは、50%に減らしたら急に効果がなくなるということは考えづらいです。40%ではどうなのか。本当に全く効果はないのか。あるいは患者の特異性体力に応じて、腫瘍増大の経過を克明に観察しながら、QOL を最大に保つために60%以下の投与量というのもあってもいいのではないかと思います。

しかし現場の体表面積で投与量を決めるというやり方の治療法では臨床試験にはなじまないでしょう。医師が患者の価値観や希望を聞きながら、QOL かける生存期間の面積を最大にするためのと容量判断する。医者のさじ加減の領分ではないでしょうか。


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