中村哲の理想郷

中村哲が凶弾に倒れた。アフガニスタンで、100の病院よりも一本の灌漑水路が人々の生活を守り、結局は平和な国土を作ることができると、理想郷を追い求め、驚異的な実行力で成果を上げていた。

宮沢賢治が追い求めて果たせなかった理想郷「イーハトーヴ」。肥沃な土地で育った作物を、皆で分け与え、困った人がいれば手を差し伸べ、病気の人がいれば元気を出せという。  『雨ニモマケズ』の賢治の理想的な生き方を、中村哲は黙々と貫いていたのである。

アフガニスタンで重機を巧みに操りながら、彼の心は、静謐な『銀河鉄道の夜』のような理想郷を見つめていたに違いない。

彼こそがノーベル平和賞を受賞すべき人物だった。

名誉欲のない中村哲なら、授賞式には出なかっただろう。しかし、賞金はありがたく頂戴して、ペシャワール会の活動に使わせていただきます。そんな風景が目に浮かぶ。

中村哲と憲法9条は切っても切れない関係だ。

「アフガニスタンにいると『軍事力があれば我が身を守れる』というのが迷信だと分かる。敵を作らず、平和な信頼関係を築くことが一番の安全保障だと肌身に感じる。単に日本人だから命拾いしたことが何度もあった。憲法9条は日本に暮らす人々が思っている以上に、リアルで大きな力で、僕たちを守ってくれているんです」

「ちっぽけな国益をカサに軍服を着た自衛隊がアフガニスタンの農村に現れたら、住民の敵意を買います」と自衛隊の海外派遣など、逆効果だと行ってはばからなかった。

誰が彼を殺したのか。

彼のような活動では平和は実現できない。武力には武力だ。そう考える勢力が、見せしめのために殺害を実行したのではないのか。


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