腹膜転移を有する膵がんに対する腹腔内投与併用療法

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「腹膜転移を有する膵がんに対する 腹腔内投与併用療法の多施設共同臨床試験を実施」のニュースが流れています。

こちらのサイトの情報が一番詳しいようです。

この臨床試験は、関西医科大学外科学講座里井教授らがクラウドファンディングで2500万円の資金を集めて5年間の予定で実施しているものです。

今回の発表の要点をまとめると、

  • 腹膜転移を伴う膵がん(ステージ4)の予後は悪い。
  • ゲムシタビン・ナブパクリタキセル(ジェムザール&アブラキサン)が標準治療となっているが、加えてパクリタキセルを直接腹腔内に投与する治療法を開発
  • 第二相試験として 46 名の患者さんが登録された
  • この臨床試験の主要評価項目は 1 年全生存割合であり、副次評価項目は抗腫瘍効果、症状緩和効果、安全性、全生存割合が評価された
  • 治療成功期間中央値は 6.0 ヶ月であり、治療奏功率は 49%、病勢コントロール率は 95%と非常に高い治療効果が得られた
  • がん性腹水は 40%の患者さんで消失し、陽性であった腹水のがん細胞は 39%で陰性になりました
  • 生存期間中央値は 14.5 ヶ月、1 年全生存割合は 61%でした。
  • この治療法によって腹膜転移が消失して最終的に膵がんの切除まで行えた患者さんは 17%でした

ポイント

  • 消化器がんにおける「腹膜転移」では、がん細胞が既に腹腔内に散らばってしまい有効な治療法がありません。特に、消化器がんの中でも極めて治療成績が不良である膵がんにおいては、その克服が喫緊の課題と考えられています。
  • 国内屈指のハイボリューム・センターが参加して、腹膜転移を伴う膵がん患者さんに対してゲムシタビン・ナブパクリタキセル療法に加え、パクリタキセルの腹腔内投与を併用する治療法を考案し、有効性と安全性を評価する臨床試験を実施しました。
  • その結果、大きな副作用もなく高い治療効果を得ることができ、特に 17%の患者さんには手術可能となり切除が行えました。この治療法は腹膜転移を伴う膵がん患者さんに対して有望な治療法の開発であると考えられます。
現在、国内多施設共同第3相試験として、この腹腔内投与と標準療法の比較試験を遂行しておりますが、難治性膵がんの治療成績のさらなる向上に寄与すると考えられます。

東京大学の同じ臨床試験もあります。「このブログの関連記事」を御覧ください。

腹膜播種や腹水のある膵臓がん患者にとって、希望の光が見えてきました。

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