アビガン、新型コロナウイルスに効果示せず

10日に新型コロナウイルスに対するアビガンの最終臨床試験結果が、藤田医科大学より発表されました。

結論は、

通常投与群では遅延投与群に比べ6日までにウイルスの消失や解熱に至りやすい傾向が見られたものの、統計的有意差には達しませんでした。

です。

5月4日に安倍総理が、「アビガンについては、5月中の承認を目指す」とぶち上げたものですから、期待していた向きも多いのではないでしょうか。

私はむしろ、安倍さんに”忖度”して、科学的根拠も示すことができないのに承認するのではないかと危惧していました。ネット上では「緊急の事態だから、臨床試験など無用」などの乱暴な意見もあったからです。

また、アビガンはその承認過程において不可解なこともありました。

季節性インフルエンザに対して効果を示すことができなかったにもかかわらず、備蓄薬として承認されたのです。その際の承認の理由が、「使わないのだからいいだろう」というもので、お笑いです。

市販薬として使用実績のないアビガンは、販売後の効果や副作用などの追跡調査がされていません。重篤な副作用が潜んでいてもわからないのです。

そして、アビガンの構造も作用も、抗がん剤5-フルオロウラシル(5-FU)に酷似しているのです。5-FUは膵臓がん患者にはよく知られたFOLFIRINOXの一製剤ですし、その改良型がTS-1です。

アビガンの動物を使ったCOVID-19への臨床試験では、その用量で死亡例も出ているのです。

効果がないばかりか、有害の可能性すらある薬剤を、総理の鶴の一声で承認されてはたまりません。

企業主導のフェーズⅢ試験も進行中ですから、その結果も気になりますね。有効性が出るかどうか。

レムデシビルも同様か

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対し、申請からわずか3日後に「特例」で、世界で初めて日本で正式承認されたレムデシビルですが、こちらも似た構図です。KDCDの幹部は「RCTではないから結論は出せない」と、

ギリアドは10日、レムデシビルの臨床試験(治験)で重症患者の死亡リスク低下や症状の改善が確認されたと発表したが、今後の治験でさらなる確認が必要との見方を示した。

KCDCは11日、複数の病院で計27人の患者にレムデシビルを投与した結果を報告。9人に症状の改善が見られた一方、15人は変化が見られず、3人は症状が悪化した。

エビデンスも示せないものを使うってのは、血液クレイジングやイカサマサプリメント並みの愚行だと思うのだが。


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