白内障の眼内レンズはどれにする? レンティス コンフォートなら健康保険でできる
白内障が進行しているよう
2年前に白内障だと言われているけども、その当時はまだ手術をするほどではないと言われました。 しかし最近、特に右目の方が弱ってきて見えづらい時があります。 そろそろ手術を考えた方がいいのかな。
ということで、白内障の眼内レンズについて色々と調べています。
多焦点眼内レンズが、先進医療から選定療養に
生命保険の先進医療特約を付けていれば多焦点眼内レンズを保険で使うことができたのですが、これが今年の4月から変更になりました。多焦点眼内レンズが先進医療から選定療養に変わったのです。選定療養とは、要は差額ベッドと同じ扱いです。
先進医療特約をつけていた人にはがっかりですが、逆にそうした特約のない方にとってはある意味朗報かもしれません。というのは、自由診療なら全て自己負担ですが、選定療養であれば、手術費と検査費用は健康保険の対象になります。多焦点眼内レンズだけを自己負担で払えばいいのです。
レンズ代も含めて片目30万円前後でできそうです。3月以前の自由診療であれば60万円以上していたわけで、敷居は低くなったのかもしれません。(我が家は難しいが)
多焦点レンズを用いた選定療養 費用
保険適用の手術費用に追加料金(レンズ代)を支払うことで、多焦点眼内レンズに変更することができます。
健康保険一部負担金
- 二焦点眼内レンズ/焦点深度拡張型レンズ… 片眼19万円(税別)
- 三焦点眼内レンズ…片眼29万円(税別)
※乱視用レンズは片眼+5万円
こうした金額が一般的なようです。
健康保険で使える多焦点眼内レンズ
実は昨年の4月1日に多焦点の眼内レンズで健康保険が適用できるものが登場しています。
レンティス・コンフォート( Lentis comfort )という2焦点のレンズです。遠方と70cmぐらいの2ヶ所に焦点があいます。
医療ジャーナリスト木原洋美氏のDIAMOND オンラインの記事が詳しく患者の体験を載せています。
特徴
◆良好な遠方・中間視力
見える距離が一定の単焦点レンズと比較して、中距離~遠方までの距離が見えやすくなっています。その為、メガネの使用頻度を減らしたり、老眼鏡の度数を軽くすることができます。
◆ハロー・グレア現象が少ない
眼内レンズ挿入後、強い光源を見た時に、光に輪がかかって見えたり(ハロー)、光が長く伸びてまぶしく見えたり(グレア)することがあります。LENTIのレンズはその現象が他の眼内レンズより少ないと言われています。
◆レンズの安定性
プレート型のレンズで眼内安定性が良く、後発白内障の発生率が低いことが期待されます。
費用
70歳以上であれば 多くの老人が月末負担額18000円が条件でしょうから、両方の目をでも36000円です。
このレンティス・コンフォートの評判なかなか良さそうなのですが、何しろまだ情報が多くありません。 いくつかの特徴がありますが、乱視があると使えないと言われています。
つまり乱視矯正ができないレンズということですね。私も軽度の乱視があります。
しかし、今年の秋以降に乱視矯正ができるタイプが発売されると言われています。
となると私の場合、2回目の大腸ポリープを取った来年1月以降ですかね。 思い切って選定療養で使える3焦点眼内レンズをやってみるか、それとも健康保険の範囲内で収まるレンティス・コンフォートにするか 。じっくりと考えてみましょう。
病院はもうほとんど決めてあるんですよ。都立広尾病院の眼科です。
評判
いくつかの眼科サイトで評価が記されていますが、概ね良好なようです。
臨床データの検討
レンティス・コンフォートの臨床研究がいくつか発表されています。
低加入度数分節眼内レンズ・レンティス®コンフォートの視力経過と眼鏡必要度からみた手術適応の検討越智 利行 11医療法人社団越智眼科pp.429-437発行日 2020年4月15日
文献概要
要約 目的:低加入度数分節眼内レンズであるレンティス®コンフォート(LC)の視力経過と術後の眼鏡必要度を検討し,LCの手術適応を考察した。対象と方法:LC両眼挿入例(38例76眼)と,LC片眼挿入例で僚眼が単焦点眼内レンズ(Mono)挿入群(Mono群)(23例23眼)・有水晶体群(17例17眼)の視力経過・焦点深度曲線を比較検討し,これら3群における遠用から近用の眼鏡の必要度を検討した。
結果:LC両眼挿入とLC片眼挿入群の遠方視力に差はなかった。中間視力は,LC両眼挿入がLC片眼挿入より良好な結果が得られ,さらにLC両眼挿入はLC+僚眼Mono,LC+僚眼有水晶体よりも良好な結果が得られ,焦点深度曲線からみた明視域の広さも同様の結果が得られた。LCのほぼ全症例で遠方と中間距離での眼鏡は不要であった。LC両眼挿入例の79%で近用眼鏡は不要であり,LC片眼挿入例では近用眼鏡不要例は40%であった。
結論:LCは遠方から中間距離で良好な裸眼視力が獲得可能で近用眼鏡が不要となるものがあり,白内障術後の視覚改善の有効な手段である。また,僚眼がMonoあるいは有水晶体であってもLCの片眼挿入により良好な両眼視機能が獲得可能である。
つくばセントラル病院のサイトのも臨床例がアップされています。
<背景>
2018年8月PMDAにより承認され、2019年4月保険適用で一般発売された低加入度数分節眼内レンズ、レンティスコンフォートR(LC、参天製薬)は、一部の医療機関から「従来の単焦点眼内レンズより中間~近方視が良好で、日本のIOL市場を席巻する可能性がある」と宣伝され、多くの眼科施設で使用開始、当院でも同5月より導入した。そのため、臨床データの検証が必要となった。
焦点深度拡張型のレンティスコンフォートは、保険診療の中では単焦点眼内レンズの扱いであり、
高額な 多焦点眼内レンズと同様に遠方部と近方部の焦点面を 有している。しかしながら多焦点眼内レンズと異なり遠方部と近方部が中央で分かれているため瞳孔径に依存せず遠方と近方の中間位のエネルギーが幅広い焦点面として作られるのが特徴である。そのため、遠くも近くも見えて眼鏡装用の依存度が減るのではないかと期待されている。
結論は、あまり芳しくない。結果をまとめると、術後の中間視力、コントラスト視力は従来の単焦点眼内レンズの方が 良好で、患者さんの満足度も優れている結果となった。
販売元の参天製薬のレポートとは異なる結果となっている。