FOLFIRINOXの維持療法はどれが良いか?

遠隔転移を有する膵癌患者のファーストライン治療として、FOLFIRINOX併用療法またはゲムシタビンとnabパクリタキセル併用療法が推奨されています。

FOLFIRINOX併用療法は、ゲムシタビン単剤療法に比べて全生存期間(OS)を改善する結果が示されています。

FOLFIRINOXの腫瘍縮小効果を期待して、ダウンサイジング後にコンバージョン手術に持ち込むことで、完治を目指すことも可能になると、多くの膵臓がん患者がFOLFIRINOX両方に期待を寄せています。

しかし、人にもよるのですが比較的副作用が強いので、65歳以上の高齢者には適用することが難しいのです。

適用があっても副作用によって治療を断念する、あるいは減薬をする、併用する4剤の一部を外すなどの対応をしている例が多いと思います。

もうした場合にどの方法を選ぶのが一番治療効果があるのか、気になるところです。

第2相試験 PANOPTIMOX-PRODIGE 35試験が行われ、結果が発表されています。

PANOPTIMOX-PRODIGE 35試験結果の概要

転移性膵がん患者に対するファーストライン治療としてのFOLFIRINOX併用療法、維持療法としてのロイコボリン+フルオロウラシル併用療法の有効性、安全性を比較検証した。

  1. FOLFIRINOX併用療法(フルオロウラシル+ロイコボリン+イリノテカン+オキサリプラチン)を6ヶ月間実施する群(A群、N=91人)
  2. FOLFIRINOX併用療法を4ヶ月間投与後に維持療法としてロイコボリン+フルオロウラシルを投与する群(B群、N=92人)
  3. ゲムシタビン単剤療法とFOLFIRINOX併用療法を交互に実施(シークエンシャル療法)群(C群、N=90人)

の3つのグループに無作為に振り分け、6ヶ月無増悪生存率PFS)を比較検証した。

6ヶ月無憎悪生存率は、

  1. A群:47.1%
  2. B群:42.9%
  3. C群:34.1%

全生存期間(OS)中央値は、

  1. A群:10.1ヶ月
  2. B群:11.2ヶ月
  3. C群:7.3ヶ月

QOL低下を招かないOS中央値は、

  1. A群:7.2ヶ月
  2. B群:11.4ヶ月
  3. C群:7.5ヶ月

でした。

維持療法としてロイコボリン+フルオロウラシルを投与するB群の方が、OSでは良好な結果を示しています。

一方、グレード3または4の神経毒性は、A群の患者の10.2%、B群の19.8%で発生しました。

オキサリプラチンの投与量/目標投与量の中央値は、A群で83%、B群で92%でしたので、ロイコボリン+フルオロウラシル併用の維持療法群のほうが神経毒性発症率が高いのは、オキサリプラチンの蓄積量が高いためである可能性があると結論づけています。

結論

FOLFIRINOX療法を4ヶ月投与後の維持療法としてのロイコボリン+フルオロウラシル併用療法は、転移性膵癌患者に実行可能であり、効果的であると思われる。

しかし、重篤な神経毒性発症率は高率である。

<こうしたデータを参考にしながらも、自分の副作用の程度に応じて対応するしかないのでしょう>


膵臓がんと闘う多くの仲間がいます。応援のクリックをお願いします。

にほんブログ村 病気ブログ 膵臓がんへ
にほんブログ村

にほんブログ村 病気ブログ がんへ
にほんブログ村


スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です