ポアンカレ予想

450c922日のNHKスペシャル『100年の難問はなぜ解けたのか
~天才数学者 失踪の謎~』を興味深く見た。

数学者を100年間悩まし続けてきた『ポアンカレ予想』を証明したといわれるロシアの数学者繰グリゴリ・ペレリマンの物語。

 

「ポアンカレ予想」とは、ミレニアム懸賞問題の7つの難問のひとつであり、

「単連結な3次元閉多様体は3次元球面に同相である」

との命題であるが、素人にはさっぱり理解できない。しかし、番組では『長い長いロープをロケットに繋いで宇宙の果てに向かって打上げ、そのロケットが宇宙を一周して帰ってきたとする。帰ってきたロープの両端を引っ張ると、ロープが引っかかりもせずに手繰り寄せることができるのなら、宇宙はおおむね丸いといえる。』ということらしい。ロープを手繰り寄せることができない場合は、宇宙の形はドーナツ型のようにどこかに穴が開いているのかもしれない。

常識で考えると当たり前のことを予想しているのであるが、これを数学的に証明することが非常に難しかったというのだ。

ペレリマンはこれを証明したとされ、2006年の数学のノーベル賞=フィールズ賞に輝いたのだが、本人は受賞を辞退して数学会からも退いてしまった。

この宇宙の”中”に住んでいる我々が、宇宙を外から観測しなくても(これは不可能)宇宙の形を推測することができるということであり、彼の証明の過程で宇宙がとりうる8つの形が明らかになった。

数学的には証明されたのだが、さて現実の宇宙に本当に適用できるのだろうか? 例えばブラックホール。

ロケットがブラックホールに吸い込まれてしまえば、ロープは帰ってこない。しかし、ブラックホール理論に”ワームホール”というのがある。ブラックホールの中心が自転していれば、そこにトンネルができるのだ。そのトンネルは、まさに”虫に食われた穴で、その穴の先はホワイトホールへとつながっている。ブラックホールに吸い込まれたロケットはここから出てくる。つまり、この場合ロープはひっかかり、手繰り寄せることはできなくなることが分かる。ブラックホールがあるということは「宇宙はおおむね丸いとはいえない」ということであり、ポアンカレ予想を使うまでもないのではないか?

数学の結論と物理学の結論とは一致はしないということか。

サイモン・シンが書いた「フェルマーの最終定理」も同じく数学の難問に挑戦した数学者の物語。こちらもわくわくする読み物だった。

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結城 浩
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