『生きる禅語』『美のエナジー』

生きる禅語
チェロ仲間のDさんから『生きる禅語』という本をいただいた。著者の杉谷みどりさんはお姉さんだという。なかなか素敵な本で、書家の石飛博光氏の書は、(私は書に関してはまったくわからないが、)力強さと暖かさを感じる。

六十代は迷っていました。まだ若い、もうトシだ。そろそろ仕事をやめようか、いや生涯現役だ。趣味もあるがいまひとつ。人脈もあるし会社でも作って一儲けするか。

七十代は吹っ切れて明るく、毎日が楽しそうでした。自分の好きなことが完全に分かっていて、飲み屋の主人も飼い馴らし、後輩を呼びつけては暇つぶしの相手をさせ、眠りたいときに眠り・・・・

八十代になると年齢を自慢します。え~っ若ぁ~い!と言われるのを知っていて、何かにつけて自分の年をいっては反応を見て喜んでいる。

九十代になると、みなさん立派です。志がある。これからやりたいことがはっきり決まっている。話題は世界平和。これに尽きます。

私も六十代だが、言われてみれば当たっている。九十代は世界平和ですか。本来なら若者に世界平和を語って欲しい。

他不是吾(たはこれわれにあらず)Tahakore_2

道元が若いころ中国で修行をしていたときの話。炎天下、杖をついた老僧が椎茸を干して
いた。典座(てんぞ)と言って食事を作る役である。道元が「こんな大変な仕事をなぜ若い人に代わってもらわないのですか?」と訊くと老僧はひとこと「他は是吾に非ず」。そこで道元がハッと気づく。すべてが修行なのだと。そして人はそれぞれかけがえのない、取り替えの利かない存在。会社では取り替えの利く歯車であっても、家にあっては大切な存在。

真実人体
我々の身体こそは、宇宙における真実である。

自分のこの身体こそが、偽りのなき真実。これまでこき使ってきたが文句も言わず、がんを宿したこの私をなんとか生き長らえさせてくれる。心臓はたゆまず鼓動し、血液は流れ、免疫システムは驚異的な仕事をしてくれている。宇宙のリズムとつながって、命のリズムを奏でようとしている。

和敬清寂
「調和・尊敬・清らか・静か」の四つの精神20101028145838358_0001

風定花猶落
鳥鳴山更幽

(風定まって花なお落ち 鳥鳴いて山更にしずかなり)

杉谷さんは長野県飯田市で田舎暮らしをしているひと。だからなおさら今の世の騒々しさに振り回されない生き方をせよという。テレビは消し、芸能人の結婚・離婚にも無関心。汚職・偽装にも政治にも無関心になってみよ。広告は見るな。携帯電話などにいちいち反応しないで、自分の都合の良いときに着信を見るくらいでよい。要するに世間や他人に振り回されない生き方をせよというわけだ。馬鹿にされたっていいじゃないか。あざ笑われたってそれがどうした。本来の自分に忠実に生きよう。老子も同じことを言う。私も同じように生きている。でもちょっとパソコンの前に座りすぎか? このブログも義務で書いているわけでもないから、のんびりでよいのだが、書きたいことが多すぎるのだ。誰のためでもない、自分のために書いている。だからコメントにもいちいち返信はしない。気が向いたときだけ。ごめんなさい m(_ _)m

素敵な本をありがとうございました。

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美のエナジー―加島祥造詩画集
もう一冊は加島祥造の『美のエナジー』。詩画集である。加島祥造とタオについては何度も書いた。著作の多くも持っているが、さすがに詩画集は高くて手を出しかねた。エコポイントで図書カードがもらえたので、これを充てて入手した。詩画集だから、私のへたくそで余計な感想は書かない方が良かろう。

私の日々はおわった、しかしご覧
まだ満天の夕映えがある

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おいしいものを喰べ
気持ちのいい服を着て
くつろいで暮らす
Taoの理想なんて
こんな平凡なことなんだ
              —–老子

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受け容れる
それが始まりだったよ
人は
光を
空気を
水を
母の愛を
受け容れた—だから
いま在るんだ
いまも
深くでは
同じなんだよ

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