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Web交流会のご案内


【日 時】2021年4月18日(日) 13:00~16:00(開場:12:45)
【場 所】Zoomを使ったオンラインの交流会です
【対 象】膵臓がん患者とその家族、遺族
【参加費】無料
【定 員】30名
【内 容】
第一部 膵臓がん なんでも相談:佐藤典宏先生
第二部 患者さん同士の交流会

ウェブ会議ツール「Zoom」を使ったWeb交流会となります。
スマホだけで簡単に参加することができます。
参加申込受付中です。

詳しくはオフィシャルサイトで

こりゃだめだ! e-クリニック

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e-クリニック」は阪神・淡路大震災のボランティアを経験した岡本裕医師たちが、「現代医療に欠落している部分を補うため」に「個人個人の抵抗力や治癒力にも配慮した治療法も合わせて行う」相談活動を通じて有益な情報を発信し、「患者さん個々人に応じたきめ細かい治療、いわゆるオーダーメード医療が、どこの病院ででも広く一般化されることを目指して」活動しているNPO法人です。その設立の契機や、三大療法を否定しない考え方も納得できるものでしたし、会費も良心的な範囲でしたから、このNPOの活動を肯定的にとらえていました。

免疫を高めるとガンは自然に治る 11月2日に『免疫を高めるとガンは自然に治る』というムック本を、あの安保徹医師との共著(監修です)で出版しました。タイトルからして安保徹氏のさまざまな著作と区別がつかない代物ですから、内容は推して知るべきでしょう。ごく一部を紹介すると、

  • 低体温・低酸素・高血糖の状態は、分裂抑制遺伝子を持っているミトコンドリアの機能を停止させる。これによって発がんする。
  • がん細胞にはミトコンドリアが少ないことが、これを証明している
  • 従って、低体温・低酸素・高血糖を解消すればがん細胞は自然に消滅する。

なんとも恐るべき安保流の三段論法で、これが本当ならがんは怖くないですね。安保氏の本をしばらく読んでいない間に、少しは主張が変化しているようです。抗がん剤は止めておけ→抗がん剤は延期すればよい、と変化しています。

安保氏の阿呆論理はこれくらいにして、岡本裕医師に関してもこれまでにもいくつか懸念する材料はありました。

『9割の医者はがんを誤解している』では、「気の正体は量子・光子のようなもので、結合組織に含まれるコラーゲンが半導体のような役割をして気の通り道になる」との説があるとして、「今となっては、『気』の存在を疑う科学者はほとんどいないと思いますが・・・」という記述がありました。「気」は存在すると主張する人たちの間でも「気」とは何か、その定義すらまちまちなものを、まともな科学者が存在を認めるはずがありません。何か分からないものをどうやって存在していると言えるのでしょう。「神」や「幽霊」が存在していると主張するのと同レベルの話です。岡本医師はいったいどういう科学的常識の持ち主なのかといぶかったものです。また、安保理論の仲間である福田医師の「爪もみ」も治療法として推奨していました。

これまでに出した本は飛鳥新社からでした。『サルでも分かる日本核武装論』などおっかない本をたくさん出している出版社でしたが、まともなものも少しは出している出版社です。今回はサンマーク出版と並ぶトンデモ本の老舗の「マキノ出版」が版元です。これだけでも怪しでげです。トンデモ医療のガストン・ネサンのソマチット療法を日本で広めようと活動している「ガストン・ネサーン・アカデミー」にも講演者として岡本裕医師の名前があります。ソマチット学説を信用している、もしくは信用はしていなくても好意的に見ているわけです。

こんなことがあるので、少々いぶかしく感じていました。最近では、ご自身のガンが治ったといいうただその事実だけで星野式ゲルソン療法を提唱している星野仁彦医師や、"がんが治るレシピ"を書き散らしている済陽高穂医師らとの交流も盛んです。「三大療法は時間稼ぎであり、その間にベース治療によってがんに抵抗できる免疫力をつくりましょう」という岡本医師と、「三大療法はムダであり、免疫力を高めればガンは治るんだ」と単細胞思考で本を手当たり次第に出している安保徹氏、野菜果物のゲルソン療法で治るんだという済陽氏。今回のムック本にも巻末にがんに克つ食事のレシピ集が付いています。

岡本裕先生も、ついに安保徹・新谷弘実・石原結實・西原克成らの「トンデモ医者」の仲間入りでしょうか? 取りあえず何でもやってみればよい、がんと闘う武器は多いほどよい、と言うのでは帯津良一氏と変わらないじゃないですか。

百万回の永訣―がん再発日記 (中公文庫)
柳原和子『百万回の永訣-がん再発日記』から、次の言葉を安保氏らに捧げましょう。

そして、いつのまにか、わたしは別の意味でのプロの患者に堕しかかっていた。
がんを書くことで食べる人になりかかっていた。
同じことをくりかえし書いて世に送り出しているさもしさ、恥ずかしさ。
「再発でもしないかぎり、書きたいと思うこともなくなったなぁ」

同じことをあちらこちらに書き散らかすことは「さもしい」こと。わずかの原稿料と印税の収入で、それもほとんどた治療費に消えてしまう状態。そんな柳原さんでも「同じことを書くのがさもしい」と感じている。

「気」は脳の科学 (「気」を科学する)
ついでに「気」について。

東京電機大学教授の町好雄が『「気」は脳の科学』を書いています。出版元は東京電機大学出版局ですから、肩書きも出版元も信用できそうな本です。「気」の存在を疑う科学者はほとんどいないという、岡本裕医師の認識は、これらの本からきているのかもしれません。しかしこの本、冒頭に気功師が「気」を出しているときに赤外線放射温度計(サーモグラフィー)で気功師の手を測定したら、手の温度が2~3度上昇していた。従って「気が存在することが証明された」というとんでもない飛躍した論理で始まります。「皮下の血管を流れる血流量が増えれば体表面温度は上がります。気功師の手の温度が上がったということは血流量が増加したということです。」「ところが血液の循環は自律神経によって制御されているので、(ここまでは正しい)普通の人は自分の意志で血管を拡張させたり、収縮させたりして血流量を変化させることはできないはずです。」(これが間違い)

私にだって自律訓練法の手順に従って少しの訓練をすれば、手の温度は上げられます。特別な能力は必要ありません。それに皮膚の温度が上がったからといって、「気」の存在が証明されたことにはならない。他の因果関係をつぶしていって、「気」の存在を仮定しないかぎりこの現象は説明できない、というときに始めて"「気」が存在するかもしれない"と言えるのです。工学博士でありながら実験計画法すらマスターしていないようです。この程度の工学博士ですから、「ユリ・ゲラーが透視をしたとき、右脳のβ領域にパルス上の信号が出ていた」と書いてあっても驚きません。最後まで読むには時間が勿体ないので閉じました。

このような「工学博士」が「気」の存在を証明したといっているからと言って、”「気」の存在を疑っている科学者はいない”ことにはなりません。

「大学教授」や「医学博士」の肩書きは、少なくとも「馬鹿ではないことの証」にはなるだろうと思っていましたが、現実には何の証明にもならないどころか、世間一般的な知性もない輩がうようよといるのですね。


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こりゃだめだ! e-クリニック” に対して1件のコメントがあります。

  1. 安西 より:

     「気」についてとても手厳しいご意見ですが、私は少し違う見方をしています。
     例えば、福島雅典先生はご存知でしょうか。かつてお若い頃にクレスチンなどを指して「日本でしか通用しない抗がん剤が多すぎる」と、日本の医薬品承認制度の欠陥と臨床試験の質の低さを批判する論文をNatureに発表し、厚生省と医薬品業界を真っ向から批判しました。それでも医療界から追放されるどころか、薬効評価臨床試験の第一人者としての地位を確立され、京大教授を経て、現在まで一貫して日本の臨床試験の向上に先駆的な役割を果たしてこられた、卓越した実力と実績をお持ちの先生です。
     福島先生はきわめて科学的・合理的で緻密なお考えの持ち主ですが、一方で漢方やヨガなど未解明のものに対してもけして門前払いはされず、常にふところ深く、事実に基づいてお考えを述べてこられました。私は仕事のうえでご指導頂く機会があり、いつもたくさん教えられてきました。
     福島先生が京大の教授時代、ウェブサイトにご自身の業績を18項目示されましたが、その12番目が「気功エネルギーの存在とその生物学的活性の実証」です。
     私はその論文を取り寄せ読みましたが、臨床試験の最高の専門家らしく、きわめて緻密な実験計画を組み、このうえなく厳密な実験をされて、「気功の専門家が発する気には、生物学的な活性がある」という結論を出しておられます。
     この例に限らず、例えば糖尿病の治療を受けている患者さんを2群にわけ、1群には気功を、もう1群には対照となる(ニセの)リラックス法を行うなどして比較し、気功群のほうが有意に治療効果が高かった、などのような臨床研究が、今の米国の統合医療学会では、どんどん発表されつつあります。
     これらのことから、「気」と称しているもののなかには、何かほんとに生物学的な作用を持つものがある、というのはありうることにように私は感じています。そのメカニズムの一部に自律神経系が関係するのは十分ありうると思います。
     

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