チェロ仲間が膵臓がんサバイバーに
外は雪、東京は今年二度目の雪です。昨夜は3ヶ月ぶりのチェロのレッスンでした。少しがんばりすぎたのか、左の上腕筋が痛いです。曲はディズニー映画『アラジン』の「ホール・ニュー・ワールド」。
以前我々のグループだったDさんが、先生のコンサートにみえていたという話を聞きました。「Dさん、生きていたの?」と私。
Dさんは私と同じ膵臓がんで、しかもがん研の主治医も同じという奇遇。彼女が手術をしたのが2010年5月です。
2010年6月のブログにはこう書いています。
今日のレッスンはメンバーの二人がお休みで、少し前から参加したDさんと二人だけ。レッスン後に話をしていたら、Dさんも先月癌研で手術をしたそうで、しかも、同じ先生だと分かってびっくりでした。チェロ友ががん友だった。
チェロをやっているとがんの治癒率が高いというエビデンスが、Dさんと二人で証明できるのではなかろうか、と思ったりして・・・。
その後予後が芳しくないという話は聞いていたのですが、チェロのレッスンにも来なくなり、噂では特技を生かして料理教室の先生をしているとか聞いていました。失礼ながら、私はてっきり亡くなっているかもしれないと考えていたのです。
それが、元気でコンサートに現われた! 彼女はおおらかで行動的な性格。ガハハ・・と笑い飛ばし、いつも周囲を明るくします。がんのことも「ま、なんとかなるさ」と屈託無く話していました。
まもなく5年になろうかとしています。こんな性格と好きなことに熱中する、それががんには一番効果的なのだなとあらためて感じた次第です。
膵臓がんサバイバーと言っても良いのではないでしょうか。
そうそう、彼女からいただいた『生きる禅語』(お姉さんが書かれた)にこんな一節がありました。
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他不是吾(たはこれわれにあらず)
道元が若いころ中国で修行をしていたときの話。炎天下、杖をついた老僧が椎茸を干していた。典座(てんぞ)と言って食事を作る役である。道元が「こんな大変な仕事をなぜ若い人に代わってもらわないのですか?」と訊くと、老僧はひとこと「他は是吾に非ず」。そこで道元がハッと気づく。すべてが修行なのだと。そして人はそれぞれかけがえのない、取り替えの利かない存在。会社では取り替えの利く歯車であっても、家にあっては大切な存在。
真実人体
我々の身体こそは、宇宙における真実である。
自分のこの身体こそが、偽りのなき真実。これまでこき使ってきたが文句も言わず、がんを宿したこの私をなんとか生き長らえさせてくれる。心臓はたゆまず鼓動し、血液は流れ、免疫システムは驚異的な仕事をしてくれている。宇宙のリズムとつながって、命のリズムを奏でようとしている。
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生きていることに感謝、がんにも感謝。Dさんにエールを。
チェロはやっぱり膵臓がんに効く! のかもしれない。