ゴボウの種が膵臓がんに効く?

今朝のNHKニュースです。

ごぼうの種ですい臓がん治療
7月5日 5時19分

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漢方薬として使われてきたごぼうの種の成分が、すい臓がんの治療に役立つ可能性があることが富山大学などのマウスを使った実験で分かり、治療薬の開発を目指して臨床試験が始まりました。

この研究は、富山大学の和漢医薬学総合研究所と、国立がん研究センター、それに富山県高岡市の製薬会社が、共同で取り組んでいるものです。研究グループは、自覚症状がほとんどなく、手遅れになることが多いすい臓がんの治療に漢方薬を利用できないか調べるため、500種類以上の漢方薬の成分を試験管の中のすい臓がんの細胞に直接、投与したところ、解熱剤として使われてきたごぼうの種に含まれるアルクチゲニンという成分にがん細胞を小さくする効果があることが分かりました。

また、すい臓がんを発症させたマウスにアルクチゲニンを口から与えたところ、およそ1か月後には投与しなかったマウスに比べてがん細胞の成長が3分の1ほどに抑えられたほか、アルクチゲニンを与えたマウスでは与えないマウスの倍の100日程度生きていたケースもあったということです。

実験結果を受けて研究グループは、先月下旬から、すい臓がんの患者に顆粒状にしたアルクチゲニンを服用してもらう臨床試験を始めており、安全性や有効性を確認できればすい臓がんの治療薬として開発を進めることにしています。富山大学和漢医薬学総合研究所の門田重利教授は「ヒトに対しても治療効果があることを証明し、すい臓がん患者を助けられるよう新しい薬を作りたい」と話しています。

以前には牛蒡子が膵臓がんに効くとの読売新聞の報道があり、こちらのブログで紹介しました。漢方には疎いのですが、写真で見るとゴボウの種と牛蒡子は同じものを指しているようです。しかし、同じような実験はこれまでにいくつかあるのですから、NHKがいまこれを朝のニュースで取り上げる意図が理解できません。ヒトに対する臨床試験が始まったということがニュースなのでしょうか。

アルクチゲニンには抗炎症作用がありますから、がん細胞が身体の炎症作用を利用していることを考えると理論的には効果があるはずだと思います。また、アルクチゲニンは熱ショックタンパク質(HSP)の発現過程を抑制することも知られているようです。(こちら

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ただ、熱ショックタンパク質は身体の抵抗性を高め、NK細胞を活性化させ、がん細胞の抗原提示により免疫細胞が攻撃しやすくする効果が報告されています。5月11日放送のNHK「ためしてガッテン」では「身体を温めて超健康美の真実」と題してこのHSPを取り上げて、身体を温めるとHSPが増加するため健康に良いと放映していました。(ただし、38度以上の体温を相当の時間継続しないと効果がない)

ゴボウの種に含まれているアルクチゲニンはそれを抑制するのですから、「ためしてガッテン」の逆をやろうということになりますね。同じNHKで反対の主張をしているように考えるのは私だけでしょうか。HSPを抑制すると思わぬ副作用があるかもしれません。現状ではマウス実験の段階ですから、薬局に牛蒡子を買いに走るのはちょっと待って、ここは慎重に考えた方が無難かと思います。

しかし、「そんなに悠長なことは言ってられない」立場の膵臓がん患者さんなら、血液検査結果と体調に注意しながら、一か八かで試してみるのも一つの選択肢でしょう。何事にも”絶対はない”のががん治療ですから。


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