親鸞と複雑系科学

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【日 時】2019年8月31日(土) 13:10~16:30(開場・受付:12:50ごろ)
【場 所】JR京浜東北根岸線 大森駅東口から徒歩4分 Luz大森4階 入新井集会室
【参加資格】膵臓がん患者とその家族、遺族
【参 加 費】1,000円(会場使用料及び資料代、講師謝礼)
【定 員】 130名
【内 容】
●講演:緩和ケア医 大津秀一先生「膵臓がんの緩和ケア~これだけはおさえておくこと~」(仮)
●患者さんどうしの情報交換会~フリートーキング

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昨年の4月25日の東電・保安院の外国人記者向けの会見に、一人も記者が出席しなかったとの報道がありました。普通の人間の感覚なら、記者会見を中止するのでしょうが、原子力保安院の方々は、一人もいない会場に向けて30分間延々と予定の発表を行ない、最後には「質問はありませんか?」と椅子に向かって問いかけたのでした。

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今を生きる親鸞
どうすればこのような奇怪な行動をとれるのか不思議でしたが、その謎を説明してくれた人がいます。安冨歩さんという経済学者ですが、彼が『今を生きる親鸞』という本で、「人間知性における闇、人智の闇」とのテーマで本田雅人氏と対談し、次のように言っています。

東大の人はおかしさが表面に出ないようにする技術に非常に長けている。彼らはそういうことがやれる。どうしてかというと、それが仕事だから、やらなくてはいけないと思っているからです。やればきちんと仕事をした、と褒められるからやっているのです。彼らは自分の感情と思考を切断するということをしているからそれができる。

実は安冨歩氏のことは最近まで知りませんでした。どこで知るようになったかというと、ICRPのことで中川保雄氏の『放射線被曝の歴史』という本のことを調べていたときに、この本の復刊に努力されていた宗教学者の島薗進氏のTwitterで知ったのでした。Twitterでこのように紹介されていました。

安冨歩氏『原発危機と東大話法』。なお原発は必要と強弁したり、放射線リスクで騒ぐ人は愚かという言説の背後に、責任をけして引き受けず他者を貶め自らを引き上げる「話法」がある。全体が動いていくためのある「立場」に自分はいると位置づけているので、他者に対する責任を負う構えがない、と。

安冨歩氏『原発危機と東大話法』。独自の経済学的世界観・自然観をもち、そこから原発問題を長く考えてきた著者が、日本社会史の分析を踏まえ「御用学者」が活躍する必然性を解明している。続編もあるそうなのであわせて読みたい。分析される病理は暗いが、学的信念によるビジョンに元気づけられる。

原発危機と「東大話法」―傍観者の論理・欺瞞の言語―
原発危機と「東大話法」―傍観者の論理・欺瞞の言語―』の本の紹介でしたが、この本は発売されたとたんに入手困難なほど売れているらしいです。私も正月早々に予約したのだが、まだ手元に届いていません。そのうちに内容を紹介したいと思います。安冨氏のブログには内容が少し紹介されています。

安冨氏の本では、2006年に『複雑さを生きる―やわらかな制御 (フォーラム共通知をひらく)』が岩波書店から出されています。宮澤賢治の詩、「春と修羅」の冒頭部分

わたくしといふ現象は
仮定された有機交流電燈の
ひとつの青い照明です
(あらゆる透明な幽霊の複合体)
風景やみんなといつしよに
せはしくせはしく明滅しながら
いかにもたしかにともりつづける
因果交流電燈の
ひとつの青い照明です
(ひかりはたもち その電燈は失はれ)

を引きながら、

生命は、錯綜する「因果交流電燈」のただなかに取り込まれながら、今日まで進化しつづけてきた。われわれもまた、同じ複雑な諸関係の中で、さまざまのリスクに取り囲まれながら、日常生活を営んでいる。なぜこのようなことが可能なのか。

複雑系科学から得られる智慧を駆使しつつ、その不思議を理解する論理を構築する

としています。安冨氏はバブル景気の真っ最中に銀行員であり、そこでも矛盾の解決法を探究する中で、要素還元主義の経済学ではダメだと思うようになります。そして数理科学の中の非線形科学、複雑系科学にその解決の可能性を見出すのです。そして研究の結果スピノザに行き当たり、更にはスピノザは親鸞の思想的影響を受けているのではないかという大胆な仮説を提起するまでになります。

こうして、経済学者である安冨氏が上に紹介した『今を生きる親鸞』という対談本を出すようになったわけです。

スピノザ、親鸞、宮澤賢治らが「複雑系」科学というキーワードでつながってくる。これが実は私にとって一番驚きであり、わくわくするような発見であったのです。

「無目的・無計画・無責任」でなければ、目的をもって計画通りにすすめることはできない

目的を計画通りに責任を持って実現しようとすると、「目的を計画通りに責任を持って実現した」ことにするために、巨大な「やっているフリ」をすることになる

これなんかは、福島原発事故における東電や保安院の姿を書いたのではと思えるほどです。世界は複雑系であり、膨大な要素が相互に関連しているのであるから、前もって計画し、実行しという方法、つまりPDCA(Plan,Do,Check,Action)のサイクルなんかを回したって無駄だというのです。

七百五十回御遠忌にあたり、今年は少し親鸞について考えてみようかと年末に書きました。このブログで「癌と複雑系」について考えてきたことでもあり、安冨氏の考えを学びながら、親鸞と複雑系的思考について勉強してみようと思います。

複雑さを生きる―やわらかな制御 (フォーラム共通知をひらく) 複雑さを生きる―やわらかな制御 (フォーラム共通知をひらく)
安冨 歩

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