複雑系
銀河系と私たちの治癒系
世界が非線形であるのなら、私たちの体もがんも、原因と結果が一対一にならない非線形な複雑系である。
非線形科学は、全体は部分の総和ではないと考え、全摘なアプローチを唱える。がん治療も臓器を見るだけでなく、精神やスピリチュアルな部分を無視しては成り立たない。
残念ながら「治癒系」が確かに存在するにしても、それをどのように活用すれば100%がんが治るかとなると、分かりません。我々はまだその一部に関する知識しか持ち合わせていないのですから、100%これで大丈夫とはならないのです。
しかしその治癒に向かう確率を高めるための方法は、数十年間そうした治療を続けてきた人たちが紹介してくれています。これを利用しない手はありません。
「ゆらぎ」を認めてこそ、個別化医療が成り立つ
医学は科学です。しかし、医学の対象とする人体は複雑系の代表であり、その行動は「非線形」に振る舞う。
したがって、医学を学問として捉えた場合、その方法論は「非線形」でなくてはならないはずです。
しかし、物理学でさえも「非線形」の扱いが始まったばかりなのに、その高次な応用科学である医学が、非線形の方法論を取り入れることは、ほどんど不可能でしょう。
その反面、医療は太古の昔から経験則に基づいた複雑系として扱われており、医療は元々非線形なのであり、医療の中に「ゆらぎ」を認めてこそ成り立ってきたのです。それが「さじ加減」と呼ばれ、そうした行為を太古から「医療」と呼び習わしてきただけのことなのです。