のんびりと

今年の正月は、雑煮を食って糖質ゼロの酒を飲み、昨年中に「ツンドク」に加わった本のいくつかを読み、それに飽きたらチェロを弾き、また本を読みの繰り返し。テレビはほとんど見ずにパソコンの電源も極力入れないようにして過ごした。

ブログの更新は、今年は慌てずのんびりとやっていきます。週1回くらいのペースがちょうど良さそうです。

科学は今どうなっているの?
「生かされるままに生きる」「のんびり生きる」はずが、3・11以降はそうも言っていられなくて、どうして日本人はこんなに怒らないのか? と不思議でしようがない。周囲を見回すと「おかしいのはもしかして俺自身か?」と思うほどに日常の生活が営まれている。池内了の『科学は今どうなっているの?』は2001年の出版だが、3・11のことを書いたのかと思うほどに今読んでも新鮮である。95年のもんじゅのナトリウム漏れ事故、99年のJCOの臨界事故後に書かれたものである。

チェルノブイリにしろ、スリーマイルにしろ、発端は落雷や火災であった。それだけで止めていれば軽微なトラブルに過ぎなかったが、処理を誤ったり、これまで気付かれなかった設計ミスがあらわになったりして、連鎖的に事故レベルが拡大していったのだ。これらの経験は、人間は必ず間違いを犯す存在であること、全てが万全に予見できるわけではないこと、だから、宣伝されるほどフェイル・セーフが信頼できるものではないことを示している。

つまり、私たちは危険なものを扱っており、予期しない展開が起こりうる、という基本的な認識を欠くと、必ず事故は拡大していくのだ。当事者たちは、安全を宣伝しているうちに、本当に安全であると自ら信じるようになっている。その意識が恐ろしいのだ。

事実を隠し、嘘をつき、発表を遅らせ、平気でデータを改ざんする。放射能汚染を知らせないまま消防隊員を現場へ向かわせる。

今回の事故のことを述べているかのようです。ということは、電力業界も政府も10年前の教訓なんかはすっかり忘れているというわけです。

池内了の論理は単純明快です。人類は5万年の間、せいぜい1000度の化学反応の世界で生きてきた。火の発見がもっとも画期的な発見であった。しかし、原子力は太陽とおなじ核の力をエネルギーに変えるのであり、1000万度の世界を子の地上で再現しているのである。こんな温度領域の世界を完全にコントロールできると思うのが傲慢であろう。


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