プロベンジの臨床試験に疑惑?


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自家ワクチンのセルメディスンニュースに「樹状細胞ワクチンProvengeは本当に効くのか、という論争が始まった」との記事がアップされています。

プロベンジ(Provengi)は、512人を対象にした臨床試験で、進行した前立腺がん患者の生存日数を4か月あまり延ばす効果が認められたとして、2010年4月に世界初の治療目的がんワクチンとしてFDAが承認したものです。

プロベンジの有効性は、ランダム化二重盲検プラセボ対照多施設共同試験にてホルモン治療抵抗性転移性前立腺癌患者512人を対象に評価された。同試験での全生存期間は4.1カ月延長、生存期間の中央値は、プロベンジ投与患者で25.8カ月、プロベンジ非投与患者で21.7カ月であった。
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FDA承認ワクチン、実力は? 2010年4月、前立腺がん治療用ワクチン「プロベンジ」(一般名シプリューセル‐T)が、FDA(米国食品医薬品局)により認可されました。臨床試験では、無症状または症状の少ない前立腺がんで、ホルモン療法(2011年9月号参照)が効かなくなった患者さんの生存期間を4カ月以上延長しています。仕組みとしては樹状細胞ワクチンに似ていますが、使う白血球が樹状細胞に特定されません。▽これは、がんワクチン療法の承認第1号で、画期的と言えます。ただ、一般的にFDAの承認を得るには時間のかかる臨床試験が必要。その間にがん免疫療法は大きく進歩し、プロベンジも既に最新がんワクチンとは言えません。開発期間が延びたことで開発費も莫大になり、回収のためか、価格は3回投与で800万円以上と高額なのも悩ましいところです。

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ロイター通信の3月30日の記事「Insight:New doubts about prostate-cancer vaccine Provenge(真相:前立腺がんワクチンプロベンジに関する新しい疑惑)」によれば、訓練を受けた科学者であり、ヘッジファンドのアナリストのマリー・ヒューバーは、得意の統計学を駆使して「プロベンジには疑惑がある」と言います。

彼女は次のような点を問題にしています。

  • FDA承認時のデータでは、生存期間の中央値は、プロベンジ投与患者で25.8カ月、プロベンジ非投与患者で21.7カ月であった。
  • しかし、65歳未満群ではプラシーボ群で28ヵ月、プロベンジ群で29ヵ月
  • 65歳以上群では、プラシーボ群で17.3ヵ月、プロベンジ群で23ヵ月

こうした違いが生じた原因は、65歳以上のプラシーボ群には低温保存した白血球の12%しか戻していなくて、通常の前立腺癌患者よりも寿命が短くなっており、そのためにプロベンジに効果があるように見えるのだと主張しているのです。

プロベンジには原発腫瘍も転移した腫瘍も縮小することが確認されていません。この臨床試験の延命効果によってFDAより承認されたのですが、それに疑問符が付いているのです。コペンハーゲン大学のピーター・アイバーセンは、65歳を境にして、このような生存期間が異なることはないと言っています。プラセボとして戻された血液によって患者を傷つけた可能性があるのだと。

米国における臨床試験や論文のデータ改ざんは良くある話で、NEJM(The New England Journal of Medicine)の元編集長マーシャ・エンジェルの『ビッグ・ファーマ―製薬会社の真実』ではその手口が詳細に曝露されていました。製薬企業にとっては、承認されるかどうかは死活問題ですから。日本でも同じようなことで、悪意はなくても、効果がなかったという論文を発表されることが少ないようです。高田明和氏の『誰も知らないサプリメントの真実 (朝日新書)』ではそうした内情も書かれています。

効果がなかったと報道されたエルパモチド(OTS102)の臨床試験結果は是非とも発表して欲しいものです。たくさんの膵臓がん患者が期待していたワクチンです。単に新聞発表で「効果がなかった」では納得できません。下の和歌山県立医大における臨床試験結果では生存期間中央値に明らかに差があります。第3相試験ではどうして否定されたのか。詳細な説明が求められるはずです。

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プロベンジでのニュースのように、なんらかのバイアスが隠れていたのでしょうか。

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