人間もがんも複雑系だから奇跡が起きる

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窓から何かが・・・


人間(も含めて生命すべて)は複雑系です。複雑系についてはいろいろとブログで書いていますし、右の検索窓から検索できます。

宇宙の神秘と同じくらい人間の身体も神秘に満ちています。がんも免疫も複雑系です。世の中、ほとんどが複雑系なのですが、私たちはその中からいくつかの法則を拾い出して単純化して世の中を見ているのです。

複雑系では原因と結果が一対一に対応しません。同じ病期の同じような病状の方に全く同じ治療をしても、結果はさまざまです。私やあなたという具体的な個人の病気の予後をエビデンスだけで考えることには無理があります。蝶の羽ばたきに似た、なにかちょっとした違いがトルネードを引き起こすと言われるように、思いもよらない対応でがんが奇跡的に治ることもあるのです。これも複雑系だからこそです。

樹木希林さんなど著名な方も治療を受けているUMSオンコロジークリニックの植松稔先生が、「オンコロ的奇跡の連鎖」と題した連載を始めています。Webに連載して、いずれは書籍化する予定かもしれません。

オンコロ的奇跡が起きるとき、そこには患者さんの身体に備わった免疫の力が大きく関与していると考えています。そう考えないと説明がつかないケースばかりなのです。

ステージ4なのに抗がん剤の力を借りず、むしろそれを排除してから病状が改善していく患者さん達。

リンパ節転移が認められているステージ2?3なのに、標準治療とされる抗がん剤に頼らない道を選び、とても元気に毎日を過ごしている患者さん達。

ステージ1で薬物療法を一切用いずに、世間の一般的な標準治療以上の長期生存効果を上げている患者さん達のグループ。

いずれの患者さんの場合も、患者さんの身体に本来備わっている免疫力、生命力が十分に発揮されることが重要であると考えています。オンコロジーで奇跡が起きるとき、それは患者さんの身体内で起きているのです。オンコロジーの治療室は、そのためのささやかなお手伝いをしています。これが35年間がんの放射線治療を続けて来た私の現時点での結論です。

連載の初回での結論をまとめると、

  1. 抗がん剤を漫然と使い続けると、免疫力が低下して、がんの進行を早めてしまうことがある。
  2. 放射線治療によって破壊されたがん細胞が、免疫細胞と接触することによって、一種の”がんワクチン効果”が現れることがある。

2.は仮説としても面白いですね。自分のがん細胞だから、その抗原を免疫細胞に提示すれば、免疫細胞はまちがいなく敵を見つけて殺そうとするに違いない。そのためにも、身体の免疫力を高く保つことが重要になるのでしょう。

次回からの連載が楽しみです。

 

 


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