心と免疫細胞、エピジェネティクスの関係


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エピジェネティクスとは

私たちの体は皮膚、胃、肝臓など様々な組織からできており、これらは別々の細胞で構成されています。どの細胞も基本的には同じ遺伝情報を持っているのに、別々の細胞になれるのは、使う遺伝子と使わない遺伝子に目印をつけているからである。

エピジェネティクスは、遺伝子のDNA塩基配列の変化を伴わない後天的な遺伝子制御の変化を主な対象とした研究分野で、近年飛躍的に研究が進んでいます。

がん細胞の周辺の微小環境に注目する組織由来説では、細胞間の相互作用が破綻すると、それによって細胞の内部環境が変化し、非メチル化などのエピジェネティックな変化が起きてがんが発生すると主張する。発がん物質は細胞の相互作用を破綻させ、その結果がんが引き起こされます。

細胞も、細胞膜を通じて周辺からの情報を入手して、それに対してどのような反応をするか、どの遺伝子を使ってどのタンパク質を作るのかを決定しているのです。その際に、細胞の周囲(微小環境)からの情報、周囲にある別の細胞との協調関係など、実にさまざまな要因を考慮して、反応を決定するのです。

がんの進行の第一段階はエピジェネティックな変化であり、それは逆行させることもできる。相当進んだがんでも、適切な条件を整えれば、エピジェネティックに逆行させることが可能である。微小環境論では、その適切な条件とは、免疫反応と、周囲の健康な細胞との相互作用であると主張されています。

心と免疫の関係

スティーヴ・コール博士は、社会的に孤立し慢性的に強い孤独を抱えた人は、免疫システムに何らかのエピジェネティックな変化があるのではないかとの仮説を立てた。

DNAマイクロアレイによる遺伝子発現解析を行い、社交的なグループと孤独なグループを比較したところ、約2万2,000というヒト遺伝子のうち、209の遺伝子の発現において大きな相違が見られた。孤独感を感じている被験者は、炎症にかかわる78の遺伝子が過剰発現となっており、逆に抗体の生成や抗ウィルス反応にかかわる131の遺伝子においては、発現量の低下が見られたという。
研究チームは、幸福感が免疫細胞に及ぼす影響についても追求している。2013年7月29日付けで『米国科学アカデミー紀要』に掲載された論文では、驚くべきことに幸福の種類によっても免疫細胞のエピゲノムが変化すると発表されている。

物欲を満たすことや、おいしいものを食べるという行為で得られる短期で浅い快楽的なな幸福では、免疫細胞が活性化するどころか孤独感を感じているのと同じようなエピゲノムのパターンが見られた。

逆に社会に貢献することで人生に意味を見出すような、深い満足感を伴う幸福感では、炎症反応に関連する遺伝子が抑えられ、抗ウイルス反応に関連する遺伝子はより活性化されていた。

エピジェネティクス理論からは、深い幸福感に満たされる生活が、免疫細胞も活発になり、がん細胞への攻撃力も強くなることが期待されます。逆にストレスや絶望感は、身体の免疫力を抑制し、がん細胞の暴走を押さえることが難しくなるのです。

 

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