光免疫療法は動物実験レベル?

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光免疫療法が10ヶ所で治験開始

光免疫療法の再発頭頸部がんに対する治験が、国内10ヶ所の医療機関で始まるようです。

この治療法は、驚くほど即効性があり、近赤外線を当てた患部は、患者が手術室を出ころにはどろどろと溶け出しているほどだと言われています。

保険適用になり、早く膵臓がんの治験に取りかかって欲しいものです。

光免疫療法を膵臓がんに適用する困難

しかし、膵臓がんに適用するには大きな問題があります。それは光免疫療法が効きすぎるから。膵臓がんで手術ができないのは、腫瘍が大きな血管に絡みついている場合なのですが、この腫瘍が光をあてたとたんに溶け出したらどうなるか。腫瘍でふさがれていた血管に大きな穴が開くことになります。

大出血です。がんは消えたが患者は亡くなった。これが現実に起こり得るのです。

楽天の三木谷氏もそのことは承知していて、次のように発言しています。

山田:確認ですが、副作用はまったくゼロなんですか。

三木谷:理論上、重篤な副作用が生じる理由はきわめて小さいと考えられます。しかし、効きすぎることによる問題はあります。たとえば、がん細胞が動脈に絡んでる場合、あるいは腸などの臓器を貫いてしまってる場合には、がん細胞がふたをしているため、これを死滅させることで激しい出血をしてしまう。これには、きちんと対応をしなければ、大きな問題になります。

山田:それは、副作用ではないですね。きちんとした外科的な療法を開発すればいいだけですから。

三木谷:とはいえ、これはなかなか難しいケースもあると思うんですよ。なので、慎重に表現をしています。副作用がゼロということではないんだ、と。

外科的な対処法があるかどうか分かりませんが、正常細胞とゆっくりと置き換わるようなマイルドな光免疫療法が望まれるのかもしれません。

オランダのフローニンゲン大学での膵臓がんの治験も、臨床試験のデータに上がってきませんね。どうなっているのか。ここの臨床試験の対象者は膵臓がんの手術後に取り残された腫瘍に近赤外線を照射するのだから、上のような問題はないはずです。

光免疫療法の遠隔効果は動物実験の段階

アフラックのCMでおなじみの岸田徹さん(NPO法人がんノート代表)が国立がん研究センターの藤原康弘医師にインタビューした動画があります。

これは、中村祐輔先生もブログで『白衣を着た詐欺師』と批判しているように、巷の免疫細胞療法を「治療費が高いものは効かないと思った方が良い」と喝破している内容ですが、後半で光免疫療法にも触れて(8分20秒ごろ)、『(現時点では)動物実験のレベル』というテロップが流れます。


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あれ、国内でも臨床試験をやっているのに”動物実験レベル”はないだろう、と思って再生してよく聞き直してみると、ここでは光免疫療法の転移がんへの効果を指しているのですね。

「(光免疫療法という)ネーミングがちょっとまずいんですよね。光をあてて、抗がん剤の本来の作用プラス、免疫力を高めるかもしれないと、動物実験では言われているというレベルなんですね」

と話しています。

つまり、光免疫療法で原発巣の腫瘍が解け、制御性T細胞が壊れると、制御性T細胞が押さえていたT細胞やNK細胞が目覚め、がん細胞への攻撃を始めます。 がんの「守り」が手薄になり、免疫のがんに対する攻撃力が回復するのです。その結果、転移したがん細胞が免疫細胞の攻撃によって破壊されることを指しています。これを「免疫原性細胞死」といいます。

この仕組みについては、北大と島津製作所らの研究でも明らかになってきています。

しかし、この現象はマウス実験のレベルでは確認されているが、ヒトでは臨床試験が計画されている段階なのです。

マウスの肺がんモデルでの実験

したがって、あのテロップは『転移がんに対しては、動物実験のレベル』とするべきでしょう。

勘違いし、光免疫療法が「動物実験レベル」と解釈するような慌て者はいないでしょうが、誤解を招くテロップです。


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