がんゲノム検査が健康保険適用に
4月1日から、がんゲノム検査が健康保険適用となります。
これまでは先進医療として行われてきましたが、検査費用が24万5000円~91万5000円かかっていました。
これが保険適用となることで、4月からは、たくさんのがん患者が殺到することが予想されます。がんゲノム検査を希望している患者は、がん相談支援センターで必要な書類を確認するなど、早めの準備をしておいた方がよろしいでしょう。
がんゲノム検査とは
膵臓がんには多くの遺伝子変異が見つかっており、あなたの膵臓がん腫瘍に、どのような遺伝子の異常があるのかを調べることができます。これが、がんゲノム検査(遺伝子パネル検査)です。
膵臓がんには、KRAS,TP53,CDKN2A(p16),SMAD4,BRCA1/2,ALK,NTRKなどの遺伝子変異があることが知られています。
もしも、他のがんで使われている治療と同じ遺伝子変異があれば、その治療法を使えるかもしれません。
膵臓がんでは、使える治療法が限られています。しかし、がんゲノム検査によって、他のがんで使われている治療法にアクセスする選択肢が増えることになります。
がんゲノム検査を受けた患者の半数に、治療の決定に影響を与える遺伝子変異が見つかっており、他のがんで使われている分子標的薬などによる治療、臨床試験へ参加する可能性が広がります。
がん情報サービス「がんゲノム医療 もっと詳しく知りたい方へ」
がんゲノム医療中核拠点病院には11カ所、がんゲノム医療連携病院には135カ所が指定されています。
対象となる患者
対象となるのは、「標準治療がない、標準治療が終了している、もしくは終了が見込まれる固形がんの患者です。
また、膵癌ではこのような記事もあります。↓
このゲノム医療において、膵がん治療に関するトピックがアメリカで報告されている。
「クリニカルシーケンスによって膵がんは大きく4つのタイプに分類されています。このうち、全体の約2%という特殊タイプともいえるMMR(ミスマッチ修復遺伝子)が欠損している膵がんには、免疫チェックポイント阻害薬の1つキイトルーダが効くことがわかったのです。すでにアメリカでは適応承認されており、将来日本でも使えるようになる可能性が高い薬です」(既に承認されている)
「このほか、膵がん全体の10%を占めるHRR(相同組換修復関連遺伝子)に異常があるタイプは、プラチナ製剤が効きやすいとされていますし、BRCA1/2遺伝子変異に対するPARP阻害薬オラパリブの奏効も報告されています。特にBRCA変異に関しては、本院でもオキサリプラチンとTS-1の併用療法(SOX)が奏功した症例があります」
国内でも現在、PARP阻害薬ルカパリブの前向き研究も行われているという。今後、効果が期待できる薬が増えていき、エビデンスがさらに蓄積されていくことに期待したい。
4月から保険適用になるので、今すぐゲノム中核病院の相談支援センターに連絡し、がんゲノム検査を受けるために必要な手続きについて相談してください。
また、主治医にも相談し、適用になるかどうかを確認してください。
初年度ですから、受けられる患者の数が限られるおそれがあります。今から準備を始めましょう。