血液クレンジングとNK細胞療法

科学的根拠のない「血液クレンジング」が週刊誌やSNSで話題になっています。

芸能人や文化人が宣伝し、ドロドロになった血液を体外に取り出して、オゾンを注入して体内に戻すことでサラサラな血液になる。疲労回復や免疫機能の向上効果があり、がん治療にもなるかもしれない、と宣伝されています。

かつて、この宣伝に一役買っていたのが幻冬舎の見城徹社長です。今年5月には、『日本国紀』(百田尚樹)を批判した作家・津原泰水氏の文庫本出版中止問題で、津原氏の実売部数をTwitterで晒すなどして批判を浴びた人物です。テレビ朝日の番組や報道をチェックする番組放送審議会の委員長でもある方です。

この見城氏が、音楽プロジューサーで作詞家の秋元康氏と一緒に、二週間に一回通ったというのが、「がんのアクセル+ブレーキ療法」を提唱している「湘南メディカルクリニック新宿院」だそうで、ここで「NKT細胞療法」と「血液クレンジング」を受けて「リフレッシュ」していると書いていました。

湘南メディカルクリニック新宿院院長の安倍吉伸医師は、幻冬舎メディアコンサルティングから『アクセル+ブレーキで がんを滅ぼす免疫療法』なる本を出版しています。

オプジーボなどの免疫チェックポイント阻害剤とNK細胞両方を一緒にやるという、自由診療クリニックの代表格です。

自由診療の免疫細胞療法をやっている「湘南メディカルクリニック」は、「湘南美容クリニック」で知られるSBCメディカルグループの一員です。

美容整形クリニックが、がん治療にも手を伸ばして稼ごうという魂胆なのでしょう。実際、美容整形クリニックが免疫細胞療法を手掛ける例がどんどん増えています。

この「湘南美容クリニック」は「血液(オゾン)クレンジング」を大々的に宣伝しています。

湘南メディカルクリニック新宿院と湘南美容クリニック新宿本院は西新宿にあり、青梅街道を挟んで反対側に位置しています。両方を一度に受けるには都合がよろしいのでしょう。

健康な人がNK細胞療法を「免疫力向上」のために受けるというのも、いかがわしいですが、血液クレンジングと合わせて一回約20万円という料金は、彼らにとってはお小遣い程度なのでしょう。

オゾンは強い毒性があるのでそのままで血液に注入できないから、酸素で薄めて使うのですが、血液が鮮やかな朱色に変わるのは、この酸素と血液中のヘモグロビンが結合するからであって、オゾンの効果ではないのです。

だから血液クレンジングをしなくても、深呼吸をすれば血液はサラサラになります。

だいたいが、強い抗酸化作用があるというオゾンで血液を酸化させるという理屈が、理解できませんね。


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