光免疫療法ー膵癌・胆管癌での有効性を確認
久しぶりに光免疫療法の研究論文が出ました。しかも、膵臓がんを対象とした研究です。
Google先生が翻訳したものを載せておきます。
著者情報
1 東京慈恵会医科大学医学部消化器内科
2 分子イメージングプログラム、国立がん研究所、NIH、ベセスダ、MD、米国がん研究センター。
3 創薬研究所、Chiome Bioscience、川崎、日本。アブストラクト
光免疫療法(PIT)は、モノクローナル抗体(mAb)-光増感剤コンジュゲートと近赤外(NIR)光照射を利用した新しいタイプの腫瘍特異的治療法です。 潜在的なPITターゲットの1つであるI型膜貫通タンパク質TROP2は、膵癌(PC)や胆管癌(CC)を含む多くの癌で高レベルで発現し、その発現は予後不良や腫瘍の攻撃性と相関しています。
この研究では、PCおよびCC用の光増感剤IR700(TROP2-IR700)に結合した新しく開発されたヒト化抗TROP2 mAbを利用したPITの有効性を評価しました。
PCおよびCC組織マイクロアレイの免疫組織化学により、TROP2がPCおよびCC検体の約半分で過剰発現していることが確認されました。 培養されたPCおよびCC細胞を使用して、TROP2-IR700は、NIR光照射後にTROP2特異的および標的特異的細胞殺傷を局在化したことが観察されました。
さらに、TROP2-IR700は、静脈内注射後にTROP2を発現するマウス異種移植腫瘍に局在していました。 PCおよびCC異種移植腫瘍の成長は、コントロールと比較してTROP2をターゲットとしたPITによって有意に抑制されました。
TROP2を標的としたin vitroおよびin vivoでの異種移植腫瘍に対するPITの有効性は、予後不良で治療選択肢が限られているヒトPCおよびCCの治療薬としての可能性を示唆しています。
慈恵医大のマウスレベルの研究です。
- I型膜貫通タンパク質TROP2は、膵癌(PC)や胆管癌(CC)を含む多くの癌で高レベルで発現しており、予後不良や腫瘍の攻撃性と相関している
- 増感剤IR700にヒト化モノクローナル抗体TROP2 mAbをくっつけ光免疫療法の膵癌、胆管がんに対する有効性が確認できた
- 異種移植腫瘍に対する光免疫療法の有効性は、予後不良で治療選択肢が限られているヒトの膵癌および胆管がんの治療薬としての可能性を示唆しています
IR700にくっつける抗体として、TROP2 mAbの有効性を確認しているのですね。効果のある抗体が見つかってよかったです。
頭頸部がんの次のターゲットは膵臓がんかもしれませんね。
一日も早く膵臓がんの臨床試験が始まることを願っています。