スポンサーリンク

樋口強さんの本、絶対にお勧めですよ!!

LINEで送る
Pocket

昨年末のこちらの記事で紹介した松沢さんが、15日にがん研での手術が終わったとコメントをくださいました。ICUを出てすぐに、痛みに耐えながらコメントしてくださったのでしょうね。おめでとうございます。手術ができて本当によかった。しかし、がんが他の病気と違うのは「病院での治療が終わってからが本当の治療が始まる」ことだと、樋口強さんも言いますから、これからが本当のがんとの闘いです。

18日発刊の、いのちの落語家 樋口強さんの新著『津波もがんも笑いで越えて  いのちの落語家が追った3.11』が着きました。早速読みました。

津波もがんも笑いで越えて  いのちの落語家が追った3.11

津波もがんも笑いで越えて いのちの落語家が追った3.11

樋口強
1,650円(08/02 17:05時点)
Amazonの情報を掲載しています

表紙の写真は昨年の独演会のものですね。樋口さんの出すじゃんけんに「負ける」手を出す、しかも左手でというお遊びでしたが、これがなかなか難しい。私もついつい「勝つ手」を出してしまいました。自分の体でさえも思い通りにはなりません。

さて、本に登場する二人の女性主人公は、大船渡市にお住まいの実在の方です。5年前の東日本大震災による津波によって家族も家も流されて、しかも自らはがんを背負っている。

熊上渚さんは1980年生まれの35歳、祖母と二人の息子との四人暮らしです。夫との離婚を決意したちょうどそのときに、ステージⅢの子宮頸がんが見つかります。子どもたちを引き取って、これから四人で新しい生活を始めようとしていた矢先でした。医者からは子宮全摘を薦められます。「死」が目の前にぶら下がります。子どもたちと祖母の生活を支えなくてはならない。死んではいられない。離婚届に判を押して、がんの手術を受けることにしたのです。

無理を通して子宮を半分残してもらいました。「私、女性でいたいのです」という彼女の迫力負けたと、主治医が言います。

抗がん剤の副作用と闘いながら、昼は事業所で、夜はコンビニのアルバイトという生活が軌道に乗ってきた2011年3月11日、東日本大震災が起きます。大津波で祖母と飼っていたチワワの「ハナちゃん」は家とともに流されます。二人の息子達は避難して無事でした。半年後に祖母の遺体はDNA鑑定で見つかり、ハナちゃんの骨は流された家の瓦礫の中から見つかりました。

つらさを一人で背負っていては子どもたちも寄りつかない。みんなで分かち合おう。自分が笑っていた方がいい。もっと子どもたちとしゃべろう、と心に決めます。周囲の人にも助けられ、がんが再発することもなく過ぎます。子供もいまでは高校生と中学生で反抗期。家族には笑いが絶えません。

がんとの闘いで大切なことは、病院や治療法を選択することではない。「生きて何がしたいのか、どう生きたいのか」を自分に問いかけることだ、と樋口さんは言います。命の長さだけに最大の価値を求めると、いつまで経ってもつらさだけが残る。

渚さんはこの問いに「普通のことが普通にできることが輝いて見える」と言います。そして「いつかすてきな人に出会って、結婚したい」と。

もう一人の方は1929年生まれの鈴木ツマさん(のことも紹介したいが、ネタバレになるので・・・、ぜひ買って読んでください)

二人ともがんを抱えて津波で家族をなくして、それでも強く、笑って生きている。笑うことで前向きになれる。人間ってすばらしい、人間って強いなぁ、と思います。離婚、がん告知、津波。それでも絶望しないで生きてきたのは「意地」だったと渚さんは振りかえります。母子家庭でも立派に生きてやるぞ!という意地だと。

樋口さんの高座を聞くようで、涙と笑いで読み通せて、がんと闘う勇気もわいてくるすてきな本に仕上がっています。

お勧めです。


がんと闘う多くの仲間がいます。応援のクリックをお願いします。

にほんブログ村 病気ブログ すい臓がんへ
にほんブログ村

にほんブログ村 病気ブログ がんへ
にほんブログ村


このブログの関連記事

  • 戦争を知らない平成最後の散歩写真戦争を知らない平成最後の散歩写真 リハビリを兼ねて散歩写真です。 10連休はどこにも行かないのが正解のようですね。宿は2倍以上の宿泊費だといいます。マスコミはどこを開けても「平成の最後、令和の始まり」一色で […]
  • ビタミンDの腫瘍予防効果ビタミンDの腫瘍予防効果 このところビタミンDが心臓病やがんの予防に有効であるというエビデンスが急増しているようです。「海外癌医療情報リファレンス」を翻訳したものが「がんサポート情報センター」に「ビタミン […]
  • お茶は膵臓がんに効くか?お茶は膵臓がんに効くか? 『「健康食品」の安全性・有効性情報』のサイトのいくつかが更新された。注目されるのは「チャ(茶)」のページ。(「カテキン」のページも参照) 「免疫・がん・炎症」の項に次のよ […]
  • 【追記あり】18モデルケース「山下」マーフィーの法則的試算【追記あり】18モデルケース「山下」マーフィーの法則的試算 福島第一原発の事故で、周辺の市町村から避難した人たちの外部被ばく線量を、18のモデルケースとして試算したとNHKで報道されています。 18のモデルケースを作成し、空気中の放射線 […]
  • おかえり、寅さんおかえり、寅さん 川崎チネチッタで『おかえり、寅さん』を観てきました。 満男も後藤久美子の演じるイズミも、みんな上手に歳をとったなぁ。一方でおいちゃん、おばちゃんをはじめ、歴代のマドンナの何人か […]
  • 笑いでがんを治す笑いでがんを治す 産経にこんな記事が載っていました。 大阪府立成人病センター(移転、改称して「大阪国際がんセンター」となる)が吉本興業などの協力を得て、月2回程度、漫才や落語を見る前後で […]
  • がん患者も「生産性」がない・・・ですかがん患者も「生産性」がない・・・ですか 性的少数者だけに向けられた言葉ではない。介護されている人、障がいを持つ人、病気を抱えて働けない人、みんなさまざまな事情を抱えて生きている。 しかし、短絡的で愚劣な目に見える […]
  • 代替療法について考える 20日もブログを更新しないあいだに、外はもう春の装いをはじめたようです。早咲きの桜は、枝の先端に蕾を用意しています。先月は新潟の松代で積雪4mの雪景色を巡り、先の週末は沖縄で初 […]
LINEで送る
Pocket

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です