「膵臓がん患者と家族の集い」のご案内


5/19『膵臓がん患者と家族の集い』

【日 時】2024年5月19日(日) 14:00~16:00(開場:13:45)
【会 場】大田区産業プラザPiO 6階D会議室
【参加費】1,000円
【対 象】膵臓がん患者とその家族、ご遺族
【定 員】60名
【内 容】
   第1部 ミニレクチャー:HIFU(強力集束超音波治療法)の治験とは」オンコロ:金川潤也さま他
   第2部 患者・家族の交流会
申込締切は5月16日(木)19:00です。

詳しくはオフィシャルサイトで

樋口強さんの本、絶対にお勧めですよ!!

昨年末のこちらの記事で紹介した松沢さんが、15日にがん研での手術が終わったとコメントをくださいました。ICUを出てすぐに、痛みに耐えながらコメントしてくださったのでしょうね。おめでとうございます。手術ができて本当によかった。しかし、がんが他の病気と違うのは「病院での治療が終わってからが本当の治療が始まる」ことだと、樋口強さんも言いますから、これからが本当のがんとの闘いです。

18日発刊の、いのちの落語家 樋口強さんの新著『津波もがんも笑いで越えて  いのちの落語家が追った3.11』が着きました。早速読みました。

津波もがんも笑いで越えて  いのちの落語家が追った3.11

津波もがんも笑いで越えて いのちの落語家が追った3.11

樋口強
1,650円(05/02 06:20時点)
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表紙の写真は昨年の独演会のものですね。樋口さんの出すじゃんけんに「負ける」手を出す、しかも左手でというお遊びでしたが、これがなかなか難しい。私もついつい「勝つ手」を出してしまいました。自分の体でさえも思い通りにはなりません。

さて、本に登場する二人の女性主人公は、大船渡市にお住まいの実在の方です。5年前の東日本大震災による津波によって家族も家も流されて、しかも自らはがんを背負っている。

熊上渚さんは1980年生まれの35歳、祖母と二人の息子との四人暮らしです。夫との離婚を決意したちょうどそのときに、ステージⅢの子宮頸がんが見つかります。子どもたちを引き取って、これから四人で新しい生活を始めようとしていた矢先でした。医者からは子宮全摘を薦められます。「死」が目の前にぶら下がります。子どもたちと祖母の生活を支えなくてはならない。死んではいられない。離婚届に判を押して、がんの手術を受けることにしたのです。

無理を通して子宮を半分残してもらいました。「私、女性でいたいのです」という彼女の迫力負けたと、主治医が言います。

抗がん剤の副作用と闘いながら、昼は事業所で、夜はコンビニのアルバイトという生活が軌道に乗ってきた2011年3月11日、東日本大震災が起きます。大津波で祖母と飼っていたチワワの「ハナちゃん」は家とともに流されます。二人の息子達は避難して無事でした。半年後に祖母の遺体はDNA鑑定で見つかり、ハナちゃんの骨は流された家の瓦礫の中から見つかりました。

つらさを一人で背負っていては子どもたちも寄りつかない。みんなで分かち合おう。自分が笑っていた方がいい。もっと子どもたちとしゃべろう、と心に決めます。周囲の人にも助けられ、がんが再発することもなく過ぎます。子供もいまでは高校生と中学生で反抗期。家族には笑いが絶えません。

がんとの闘いで大切なことは、病院や治療法を選択することではない。「生きて何がしたいのか、どう生きたいのか」を自分に問いかけることだ、と樋口さんは言います。命の長さだけに最大の価値を求めると、いつまで経ってもつらさだけが残る。

渚さんはこの問いに「普通のことが普通にできることが輝いて見える」と言います。そして「いつかすてきな人に出会って、結婚したい」と。

もう一人の方は1929年生まれの鈴木ツマさん(のことも紹介したいが、ネタバレになるので・・・、ぜひ買って読んでください)

二人ともがんを抱えて津波で家族をなくして、それでも強く、笑って生きている。笑うことで前向きになれる。人間ってすばらしい、人間って強いなぁ、と思います。離婚、がん告知、津波。それでも絶望しないで生きてきたのは「意地」だったと渚さんは振りかえります。母子家庭でも立派に生きてやるぞ!という意地だと。

樋口さんの高座を聞くようで、涙と笑いで読み通せて、がんと闘う勇気もわいてくるすてきな本に仕上がっています。

お勧めです。


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