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がんとマインドフルネス瞑想(1)

がん患者へのマインドフルネスに基づく介入の研究が進んでその有用性が確認されつつあります。

マインドフルネスはがんに効果があるということです。

オフィスガール

がんに効果があるというのなら、試してみませんか?

海外における研究では、がん患者の抑うつや再発不安、自覚ストレスなどの主観的指標で効果が示されています。また、ストレスホルモンや炎症性サイトカインなどの客観的指標においても効果があることが示されているのです。

しかし、日本におけるがん医療の現場には十分に普及しているとは言えません。こうした状況ですから、医者に期待はできません。患者の側からマインドフルネスにアプローチしてもよろしいのではないでしょうか。

マインドフルネス介入に基づく主観的効果

がん患者に対するマインドフルネスに基づく介入が、ストレス、不安、疲労の主観的指標が減少すると報告されてきた。

海外においては、マインドフルネスががん患者の心身の健康に肯定的な影響をもたらすことが、多くの研究のレビューやメタ分析によって明らかになっている。

例えば、Piet ら(2012)が初めて行ったマインドフルネスに基づく介入のシステマティックレビューには、13件の非ランダム化比較試験において、治療の前後で比較して不安と抑うつの有意な減少を報告した。加えてランダム化試験9件においても不安、抑うつの有意な減少を報告した。

また、Cillessen ら(2019)が行った29件のランダム化試験のメタ分析においても、介入前後と比較して、不安、抑うつに加えて、心理的苦痛、がん再発の恐れ、疲労、反芻の有意な減少、マインドフルネススキル、自己への思いやり(Hedgesʼs g=0.23~0.42)を有意に増加した。

フォローアップ時には、疼痛、睡眠障害の有意な減少を報告した。

がん患者へのマインドフルネスに基づく介入研究の動向と本邦の臨床現場への導入について(久留米大学心理学研究 第19号 2020)

マインドフルネス介入に基づく客観的効果

Lengacher ら(2019)は, MBSR(マインドフルネスストレス低減法) のストレスの代表的ホルモンであるコルチゾールおよび,がんの進行に関与する炎症サイトカインである IL-6に対する客観的効果測定を行った。322人の女性乳がん患者が通常のケアか6週間の MBSR プログラムにランダムに割り当てられ,測定値は1週目と6週目のプログラム前後で測定された。コルチゾールは1週目,6週目ともに介入の前後ですぐに減少した。 IL-6は,6週間全体のプログラム介入前後で有意に減少したと報告した。以上のように,マインドフルネスに基づく介入が主観的な尺度のみならず,がん進行に関与する炎症サイトカインやストレスマーカーにもまたポジティブな影響を与えることを示した。

がん患者へのマインドフルネスに基づく介入研究の動向と本邦の臨床現場への導入について(久留米大学心理学研究 第19号 2020)

国内でのマインドフルネス研究

国内でのマインドフルネスの介入に関する研究は少ないですが、最近少しずつ無作為抽出での結果が発表されています。しかし、その殆どはランダム化比較試験ではありません。

Park と藤沢ら(2017)は,国内で初めてがん患者向けの MBCT(マインドフルネス認知療法) を開発し,ランダム化比較試験を行った。 Park ら(2017)は日本人の乳がん患者12人を対象に MBCTの有効性を調査した。 MBSRと比較して, MBCT は気分,認知,行動に関する心理教育的な要素を持ち,対処の対象として思考の反芻(状況を改善するための行動をとらずに否定的な経験の側面についての反復的,受動的思考)に焦点を当てており,がん患者の心理的特性に適応すると考えられる(Stafford et al, 2013)。 Segal(2002)の慢性うつ病に対するマニュアルを土台とし,乳がん患者に適応したプログラムを開発した。

マインドフルネス瞑想に加えて,がん患者によくある心理反応(特に再発不安に関する反芻思考)やがん患者を例に認知の働きについて心理教育を行う。ヨガは,身体的制限に配慮し,動作に伴う感覚に注意を向ける点を強調している。原版マニュアルの“困難な出来事に向き合う ” 瞑想は,がん罹患というトラウマ的体験に過度に感作されぬよう,
この要素はあまり深めないよう配慮している。各グループは最大12名で週1回,2時間のセッションを8回行い,3か月後にフォローアップセッションを行った。その結果,不安と抑うつ,心的外傷後ストレスに関する症状, QOL を有意に改善した。また,マインドフルネスの状態を測定する FFMQ の得点が上がったことから,プログラムを通じてがん患者のマインドフルネススキルが向上したことを報告した。

藤沢ら(2017)は,上記の日本人がん患者向けに開発した MBCT プログラムをもとに, stage 0~ III の乳がん, Performance Statusが0~2,臨床的に1年以上の予後が想定される, HADS の総得点が5点以上という基準を満たす患者を対象に,待機群を対照群とした無作為対照試験を行った。その結果74例が登録され,うつ,不安,再発不安,倦怠感,スピリチュアリティ,QOL のいずれにおいても,対照群と比較して有意な効果が認められたことを報告した。

がん患者へのマインドフルネスに基づく介入研究の動向と本邦の臨床現場への導入について(久留米大学心理学研究 第19号 2020)

ヨガを活用したマインドフルネス・アプローチも試みられています。

マインドフルネスの効果

  • がん患者のストレス、不安、疲労、抑うつの有意な減少
  • 心理的苦痛、がん再発の恐れ、疲労、反芻の有意な減少
  • マインドフルネススキル、自己への思いやりの増加
  • ストレスの代表的ホルモンであるコルチゾールの減少
  • がんの進行に関与する炎症サイトカインである IL-6(インターロイキン-6)の減少

つまり、エビデンスとしてがん患者の QOL の向上だけではなく、がんの増殖に関係するストレスホルモンであるコルチゾールが減少します。

がん細胞は炎症反応を利用して増大するのですが、その代表的サイトカインである IL-6が減少したということは、マインドフルネス瞑想を続けることによってがん細胞の増殖を抑制する可能性もあるのです。

私はどのようにして瞑想を取り入れてきたか

マインドフルネスとは、2600年前にブッダが人生の苦悩から開放されるための要として提唱した心の持ち方や存在の有り様のことです。

「今の瞬間の現実に常に気づきを向け、その現実を在るがままに知覚して、それに対する思考や感情には囚われないでいること。」

一言で言えば上のようになりますが、日常生活に取り入れるにはある種の困難もあります。

次回からは、膵臓がんを告知された私がどのようにして瞑想を取り入れてきたのか、私の経験などを記してみたいと思います。


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