がんとマインドフルネス瞑想(2)
前回はマインドフルネス瞑想が、がんに対しても効果があるというエビデンスが増えてきたことを書きました。
私の場合はどうだったかと言うと、膵臓がんの告知をされたのが15年前ですから、当時はまだマインドフルネスという言葉が一般的ではありませんでした。
ジョン・カバットジンの『マインドフルネスストレス低減法』が日本において翻訳出版されたのは2007年の9月です。私の膵臓がん手術の2ヶ月後でした。
むしろ当時は、がん患者のためのサイモントン療法が話題になっていました。サイモントン博士が来日されたのも確かこの数年後だったと記憶しております。
そこで、手術後間もなくして自分なりにサイモントン療法を取り入れてきました。
さてマインドフルネス瞑想が癌に効果があるのならやってみようかなと思う方もいるでしょう。しかし何から手をつけていいのかわからないという声をよく聞きます。
まずはサイモントン療法から始めてみてはいかがでしょうか。サイモントン療法も瞑想の一種でありイメージ療法として考えられています。そして自分には合わないなと感じるようでしたら、マインドフルネス瞑想を考えてみてはどうでしょう。
上の書籍には付録で川畑のぶこさんの音声でのメディテーションCDが付いております。これで十分かと思いますが、さらにということであれば『がんと癒しのメディテーション』 CD をお勧めします。
私の場合の効果はどうだったかと言うと、膵臓がんの術後の、再発や転移に対する不安や恐れは、全くと言っていいほど感じませんでした。転移しない再発しないという確信があったわけではもちろんありません。
しかしサイモントン療法で瞑想を続けるうちに、そうした不安は徐々になくなっていきました。
そして「今、この時間を大切に生きる」、そうした考えが頭の中を多く占めるようになりました。
再発への不安や恐怖、あるいはいずれ再発するのだという無力感、そういった感覚はコルチゾールも増えて免疫力も低下し、白血球の活動も不活発になります。
ジュレベールは『がんに効く生活』で次のように言っています。
免疫細胞は、客観的に見て、より”生きる価値”があるように見える人生を送っている人間の体内では、それだけより活発に動くかのように見える
まずはサイモントン療法で不安やストレスから解放されて、さらに生きるに値する人生を送る。そうしたチャレンジをしてみてはいかがでしょうか。
サイモントン療法に関するより詳しい説明は、こちらの日本サイモントン療法協会のサイトでご確認ください。また、日本サイモントン療法協会では、時々無料での講習会など開催している場合もあります。こちらも時々チェックをしてみてください。