セカンドオピニオン
町田のUクリニックでセカンドオピニオンを受けてきました。
約1時間も時間を取っていただき、じっくりと『私の膵癌に何ができるか』を説明していただきました。一人の患者に対してこんなに時間を取って説明をするなど、普通の病院では不可能でしょう。永年の先生の経験と知識を1時間もかけて説明し、保険の利かないセカンドオピニオンですが、21,000円では安いと思います。
癌研での治療
癌研の主治医の先生とのやり取りを話したところ、「癌研になんか行くからダメなんだよ」と一言。「手術は癌研で正解だが、術後補助化学療法は無駄だった」と言われました。膵癌の手術後のジェムザールを使った補助化学療法では、無病生存期間は2倍ほど伸びますが、5年生存率には統計的に有意な差がない、と。
癌患者は本気になって理論武装しないと自分の命を守れません。「大きい病院・有名な病院にかかっているから大丈夫だろう」というのは迷信でしかないですよ。大きい病院ほど小回りは効きません。大学病院の医師なんかは、患者よりも上司の教授の方を向いている医者が多いように思います。(例外もあるのでしょうが)患者の希望よりも教授の方針が第一で、その教授が学会発表の論文の数にのみ目を奪われているようなら、患者にとっては最悪でしょうね。
癌研では再発までにすることは何もないと言われたのですが、と質問しましたら、「そんなバカなことはないですよ。標準的なエビデンスのある治療方法はないかも知れないけど、やってみてその患者に合った治療法を探せば必ず何かはあるものですし、健康保険では膵臓癌には使えないが、保険外なら有効な薬はたくさんあります。」
説明の大部分は休眠療法に関する話でしたが、癌は一人ひとり違うもの。Aさんの膵臓癌とBさんに膵臓癌は違うという説明は納得できるものでした。
病理組織検査結果
癌研での病理組織検査結果を見て、「静脈侵襲がV2で、リンパ管侵襲がly2ですね。肝臓に高い確率で転移することを考えるべきです。」
私もこの点は気になっていたのですが、癌研の先生はこんなことは何も説明してくれませんでした。インフォームド・コンセントを声高にとなえる病院にしては、言うこととすることが全く矛盾しています。
再発までに可能な治療法
いくつかの治療方法を提示されましたが、これらには当然エビデンスはありません。メリットもデメリットも含めて私自身が自己責任で選択しなければならないし、選択に際してのデータもないのですから、サイコロを振って選んでもよさそうな気がします。
ただ、2000年に直腸癌をやっていると言ったら、「それは良かったですね。」とのこと。どうしてですかと聞くと、「直腸癌に保険で認められている抗がん剤が使える」のだと言います。少々のテクニックと注意が必要らしいですが、合法的に使用できるのだそうです。
「ついでに肺がんと乳がんをやっておけばさらに良かったんですが」と冗談半分に言われました。直腸癌をやって褒められたのは初めての経験です。乳癌は無理でしょう。(*^_^*)
肝臓への転移を考えた治療方法の候補として
- 動注化学療法
皮膚の下にリザーバーという袋を埋め込んで、太ももの動脈から肝臓の門脈に直接抗がん剤(ジェムザールまたはオキサリプラチンを注入する)
それ以外の方法として
- オキサリプラチン単独
- TS-1の服用
- UFT
- クレスチン
- ゼローダ
- ハーセプチン
- 分子標的剤
私の場合、”直腸癌をやったおかげ”で、分子標的剤以外はすべて健康保険が使えます。
これらを標準的な量で投与するのではなく、休眠療法と言われる「副作用のない少量の抗がん剤を長く(生涯)続ける。癌をやっつけるのではなく、癌と共存する」治療で行ないます。
再発とは
癌が再発するというのはどういうことでしょうか。
癌細胞は小さすぎて眼には見えません。特に膵癌の場合に抗がん剤が利かないということは、全身に散らばった癌細胞があるということです。それが増殖して身に見える、あるいはCTなどで確認できる大きさになったときに「再発した」というのでしょうが、実際は「癌細胞の数が増えて見えるようになった」というだけのことです。したがって、再発を抑える治療法というのは結局、癌細胞を増やさない、減らしていく治療法と同じだと言えます。休眠療法においては再発前も後も基本的に治療方法は違わないのでしょう。
PET-CT(陽電子放射断層撮影)
手術後から最近までの血液検査の結果をすべてお見せしました。腫瘍マーカーの数字をチェックしていた先生が、「CA19-9が増加傾向にありますよ。正常範囲内に収まってはいますが」と言われました。私は正常値にあるから油断していたのですが、徐々に増えています。チョット心配になってきました。癌細胞が活動を始めたのかもしれません。
「とりあえず治療方法を選択する前にPET-CTで検査をしましょう。その結果転移していれば治療法は違ってきますから。」ということになり、四谷のメディカルキューブで予約をすることになりました。
PET-CTは保険適用になるには厳しい条件が付いています。
- 「膵癌」の場合には膵臓に腫瘤が存在することが条件です。嚢胞性腫瘤の鑑別に関しての保険適用は困難と思われます。
私の場合は適用になる可能性が大きいと思っています。
セカンドオピニオンをして正解でしたね。このまま癌研で再発を待っていても2年後に生きている可能性は相当低いでしょうし、TS-1という「日本でしか使っていない、欧米では無視されている」ような抗がん剤だけしか使わない治療では、絶対に後悔すると思います。
テリーさん。
明日は入院ですか。手術の成功をお祈りしております。
退院したらまたこのブログをのぞいてみてください。
治療法を決めるのは医者ではなくて患者本人です。ですから、情報と知識を集めて勉強をしないと、求めている結果を得ることはできません。有名な医者や大病院が必ずしも患者本位の治療を考えているとは限らないと、この頃痛切に感じています。
こんにちは。
セカンドオピニョン大事ですよね。僕は手術の日が近いので手術前は難しいですが、術後無事生還したらいろいろと聞いてみようと思っています。
二年半前の大腸癌の退院後は、玄米菜食とか肉を控えストレスのない生活をおくろうといろいろ試していたのですが、ここのところは全く普通の生活に戻っていました。初心に戻れということなのでしょう。休眠療法も興味深く読ませていただきました。
本日、術前のPET-CTを受けてきました。明日入院するので結果はその時に聞けるようです。全く自覚症状もなく、CA19-9だけの数値が異常な状況で実感が伴いません。術後から闘いが始まるのでしょう。僕もブログを始めようかとも考えましたが、乏しいパソコン知識しか持ち合わせず、ストレスとなってもいかんので術後ゆっくり考えます。