北朝鮮のミサイルは襟裳岬を通過していない

金正恩が盛んにバカなことをやっている。しかし、日本人の反応、特に政府やマスコミの対応は「印象操作」であり、騒ぎすぎだ。

8/31日に平壌郊外から発射されたミサイルは、襟裳岬上空を通過して東方海上に落下したと伝えられている。

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しかし、これはおかしい。なぜならミサイルは大圏航路を飛んで、最短距離を飛行するはずだからだ。

メルカルト図法で書かれた地図を見慣れている私たちは、地図の平面上で直線を結べば最短距離になると思い込んでいるが、地球は丸い。地球儀の上に糸を張って発射点と落下点を結んだものが、実際の最短距離であり、これを大圏航路という。今回のミサイルの大圏航路はこのようになる。

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実際は札幌市の上空を飛行したのであって、襟裳岬ではない。大圏航路が分かっていれば、山形にまで空襲警報(Jアラート)を出す必要はなかったのである。

多分そんなことは優秀な日本の自衛隊が知らないはずはない。知っていて落下する恐れのまったくない地域にまでJアラートを出し、頑丈な建物に非難して、頭を抱えてうずくまるように「印象操作」をしたのであろう。

また、最高高度550kmといわれているので、札幌市上空では550kmのはるか宇宙空間であり、日本の領空権は高度100kmまで(国際航空連盟が定めたカルマンライン高度が地上高度100kmで、ここまでが大気圏)である。ミサイル防衛システムでは届かないから自衛隊が打ち落とせるはずもない。仮に打ち落としたら、日本の領空でもない宇宙空間を飛んでいる(国際法上どこの国の主権も及ばない)物体を破壊したら国際法違反になるだろう。

小野寺防衛大臣は、破壊しなかった理由を問われ、

「飛来する恐れがないと判断したこと」がその理由だと語った。
「防衛省と自衛隊としましては、北朝鮮が弾道ミサイルを発射した際には、自衛隊の各種レーダーにより発射を確認しておりましたが、我が国に向けて飛来する恐れがないと判断したことから、弾道ミサイル等破壊措置は実施しておりません。他方、艦艇および航空機による警戒監視活動は継続して実施中である」

実際は「できなかった」わけだが。

北朝鮮の行為には厳重に抗議したいが、一方で政府はこのむちゃくちゃを、現政権にとって有利に利用しようとしているように見える。韓国の国民の方がもっと冷静である。

宇宙空間を飛ぶミサイルが落下してくるリスクよりも、オスプレイが墜落するリスクの方が高いだろう。どうも日本人は、原発にしろ癌治療にしろ、リスク評価がキチンとできていない。過大評価と過小評価の両端にぶれている。

標準治療と代替療法のリスクが正しく評価できないから、「がんもどき論」に惑わされ、怪しげな「水素水」やいかさま治療に引っかかるのだ。これは学校教育で確率論やリスク論をきちんと教えてこなかったのが原因だとおもう。

「だから日本も核武装して、抑止力を持つ必要がある」という論があるが、あの膨大な数の核兵器を持っているアメリカでさえ、抑止力にならないのだから、日本の核が役立つはずもない。むしろ原発を攻撃するぞ、と脅かされるのが関の山だろう。

朝ドラを中止してまで延々とミサイル問題を報道するNHKには、ほとほとあきれ果てた。


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