やはりストレスはがんによくない-国立がん研究センターの研究

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1月20日、国立がん研究センターが『自覚的ストレスとがん罹患との関連について』というコホート研究の成果を発表しています。

マスコミでも話題になったのですが、

今回の研究では、40から69歳の男女約10万人について、1990年(または1993年)から2012年まで追跡調査し、自覚的ストレスの程度およびその変化とがん罹患との関連を調査しました。
その結果、追跡調査中にがんに罹患したのは17,161人で、長期的にみて、自覚的なストレスレベルが高いと、全がんで罹患リスクが高くなり、その関連は男性で強くみられることが分かりました。また、罹患したがんを臓器別にみると、特に、肝がん・前立腺がんで自覚的ストレスが高いとリスクの上昇がみられました。

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  • ストレスは様々な病気のリスク要因であることが示唆されている
  • しかし、そのメカニズムは解明されていません
  • がんとの関連についても研究が進んでいません
  • 慢性的なストレスは、一時的なストレスよりも、生理的影響や行動パターンへの影響も大きく、病気のリスク要因となる
長期間にわたる自覚的ストレスは全がん罹患のリスク上昇と関連

日常的に自覚するストレスの程度について3つのグループ(低、中、高)に分けて、その後の全がん罹患を比較しました。

自覚的ストレスレベルが「低」のグループを基準とし、それ以外のグループのがんリスクを比較したところ、調査開始時の自覚的ストレスレベルと全がん罹患との間に統計学的有意な関連は見られませんでした。

次に調査開始時と5年後調査時のアンケート両方の回答者(79,301人)について、自覚的ストレスに関する回答の組み合わせから、その変化を6つのグループ(常に低、常に低・中、常に中、高が低・中に変化、低・中が高に変化、常に高)に分け、がん罹患リスクとの関連を検討した結果、うち12,486人(男性7,607人、女性4,879)のがん罹患が確認され、常に自覚的ストレスレベルが高いグループは、常に自覚的ストレスレベルが低いグループに比べ、全がん罹患リスクが11%上昇していました。

こうした調査(コホート研究)では正反対の調査結果となることも多いので、これでストレスとがんの関係に決着が付いたということではないでしょう。

「ストレスとがんには明確なエビデンスはない」という医師もいます。しかし、がん患者としてはストレスがあれば「予後が悪い」との前提で生活をした方が良いと思います。エビデンスがあろうがなかろうが、そんなことは関係ない。あるとの前提で対処して何も不都合はないでしょう。

ストレスへの対処法としては、いろいろありますが、「マインドフルネス・ストレス低減法」が最も有効な気がしています。

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