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HBM(Human-Based Medicine)とは?

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EBM(Evidence-Based Medicine)は、科学的根拠に基づく医療ですが、がん患者はEBMによる標準治療を、腫瘍内科医の先生から受けていますが、髙野先生も腫瘍内科医でありながら、EBMではなくHBM(Human-Based Medicine)、「人間の人間による人間のための医療」だと言います。

何のために抗がん剤を使うのか?

がん患者さんの多くは、「がんになったら抗がん剤を使うのがあたりまえ」と思っている方が多いようです。「たとえどんなにつらくても、抗がん剤を使い続けるしかない」という方もおられます。

「がんを治すためだよ。あたりまえだろう」という方もいます。でも待ってください。手術ができない、あるいは再発・転移したがんが、抗がん剤でがんが治ることはありません。この場合の抗がん剤を使う目的は「症状の緩和と延命効果」なんです。多くの腫瘍内科医がその点を明確に説明せずに避けているようにも思えます。

「そこまでして抗がん剤を使いたいのは、どうしてですか?」「何のために抗がん剤を使うのでうか?」と考えたことはあるでしょうか。

抗がん剤をあきらめたら、絶望しかない。抗がん剤が希望のすべて、という答えもかえってきます。いわば、「治療のための治療」として、抗がん剤が使われているのです。

きつい副作用に耐えて抗がん剤を使い続けている目標が「治るため」、でもそれはピントはずれの目標になっていませんか。

治療目標をはっきりさせる

抗がん剤を使うかどうかを考える前に、まず考えるべきなのは、「何のために治療するのか」という、治療目標です。

たとえば、「一日でも長く生きたい」「残された時間をできるだけ穏やかに過ごしたい」「子どもが大きくなるまでは元気でいたい」「生きがいにしてきた仕事を続けたい」といったようなことです。

治らないことを前提にした治療目標は、これからの時間をどう過ごしたいかという想いから導かれるもので、患者さん一人ひとりで違ってあたりまえです。

治療目標があって、リスクとベネフィットを考えた上で、それに近づけるなら抗がん剤を使えばいいし、それに逆行してしまうのなら、抗がん剤は使わないほうが良いのです。

「テレビで紹介されていたあの治療を受けたい」という患者さんが希望通りの治療を受けても、「アメリカにいたらもっといい治療を受けられるのに」という患者さんが渡米しても、「あと 10 年長生きできたら、新薬の恩恵を受けられるのに」という患者さんが 10 年後にタイムスリップしても、結局、「満たされない気持ち」は同じように存在すると思います。

私には、がん患者の「幸せ」が、新薬がもたらした恩恵ほどには増えていないように思えます。薬物療法の進歩以上に、人々の期待が 過剰 にふくらんでしまっていることが、その一因のようです。

いま受けられる治療から、最大限の効果を引き出す努力をしつつ、その限界も知ったうえで、いまある治療を受けられることに感謝し、治療だけでは得られないような、本当の「幸せ」に目を向けていくことが重要なのではないでしょうか。

むしろ、「治る」と「治らない」の線引きは 曖昧 で、その線引きにあまりこだわるべきではないということを説明します。

がんとうまくつきあいながら、自分の人生を生ききることこそが、たとえその長さが他の人より短かったとしても、「天寿を全うする」ことだと言えるのだと思います。

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こういった内容を、実際の患者さんの例を挙げてこんこんと説明されています。

医療の限界を受け入れた上で、自分のがん治療の目標をもう一度考え直してみませんか。

髙野先生ご自身が、この本について紹介した記事があります。

市民のためのがん治療の会
Human-Based Medicine(HBM)とは『がんとともに、自分らしく生きる』

ここでは、HBM実践のための15箇条を紹介します。
① 医療は自分のものであると心得る
生老病死ときちんと向き合う
③ 自分の想い、価値観や大事にしていることを医療者や家族に伝える
治療目標を明確にし、医療者や家族とも共有する
⑤ イメージに惑わされず、うまく情報の波に乗る
⑥ 最低限のエビデンスとEBMのルールを知る
⑦ リスクとベネフィットのバランスを考える
自分にプラスとなる治療を受け、マイナスになる治療は受けない
医学の進歩と限界を知る
⑩ 緩和ケアを積極的に活用する
⑪ 医療者や家族とよく語り合う
⑫ しんどいときは、まわりに頼る
⑬ がんとうまく長くつきあう
⑭ 希望を持って生きる
自分なりの幸せをめざす

どれも大切なことですね。②はなかなか達観することは難しいにしても、いずれ訪れる「死」に対して、自分なりの価値観で整理しておくことです。

⑧も言うや易く行うは難し、でしょうか。副作用を我慢して最期の最期まで抗がん剤を打ち続ける例が圧倒的に多いようです。でも、ブログ仲間にも自分の目標をきちんと定めて、抗がん剤を使わない選択をした患者さんもいます。その方々の文章からは充実した時間と、おだやかな最期を迎えるようすが分かります。決して諦めの人生ではないのです。

がんであっても、自分なりの幸せを見つけ、充実した時間を過ごしたいものです。


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