なぜ抗がん剤の耐性がつくのか

スポンサーリンク
【日 時】2019年6月22日(土) 13:10~16:30(開場・受付:12:50ごろ)
【場 所】JR京浜東北根岸線 大森駅東口から徒歩4分 Luz大森4階 入新井集会室
【参加資格】膵臓がん患者とその家族、遺族
【参 加 費】1,000円(会場使用料及び資料代、講師謝礼)
【定 員】 90名
【内 容】
●講演:がんと心の関係~サイモントン療法による癒やし~
川畑のぶこ氏(NPO法人 サイモントン療法協会)によるサイモントン療法とマインドフルネスの講演およびエクササイズ
●患者さんどうしの情報交換~フリートーキング

オフィシャルサイトはこちら
参加申込み受付中です。
Pocket
LINEで送る

0

抗がん剤を使い始めた当初は、腫瘍も小さくなり、マーカーも下がってくるので、もしかするとこのままがんが消えてくれるのでは、と期待します。しかし、ある程度経つと効果がなくなります。

「耐性が付いた」と言われますが、それは実際にはどのようなことなのでしょうか。

耐性:疾病の治療に用いられる医薬品などを反復して投与するうちに、投与されたヒトや動物が抵抗性を獲得して効力が低下していく現象のこと。

抗がん剤耐性が付く原因として、

  1. 患者個人に起因するもの。体内で不活性化する、排泄される、抗がん剤が腫瘍に到達しない。
  2. がん細胞のDNAが変化して、抗がん剤に抵抗性を示す。抵抗性のあるがん細胞が残る。

等が考えられます。

2.の原因として、多剤耐性のメカニズムが研究されてきました。簡単にいえば、がん細胞の細胞膜に”ポンプ作用”を持つタンパク質ができて、がん細胞内に入ってきた抗がん剤をことごとく排出するのです。

このタンパク質が「P-糖タンパク質」といわれるものです。

P-糖タンパク質は細胞膜上にあり、抗がん剤の細胞外排出などに寄与する。(Wikipediaより)

抗がん剤投与を続けていると、がん細胞の遺伝子が変化して、MDR1、λKA2.6遺伝子が活性化して、細胞膜上に大量のP-糖タンパク質によるポンプができるという仕組みです。

P-糖タンパク質は主に固形がんの細胞表面に発現します。

P-糖タンパク質が発現している臓器(未治療)としては、肝臓(胆道細管表面)、結腸(円柱上皮管腔表面)、膵臓(小膵管管腔表面)などとされています。

多くの抗がん剤が効きにくい固形がんでは、もともと未治療でも高い確率でP-糖タンパク質が発現しているのです。

がん細胞に直接抗がん剤を届けるという、DDS(ドラッグ・デリバリー・システム)が研究されていますが、届いた抗がん剤が、P-糖タンパク質のポンプで排出されてしまえば効果は期待できないですね。

P-糖タンパク質による耐性の克服も研究されているようです。カルシウム拮抗薬による耐性の克服は、臨床試験も行われており、動物実験のレベルでは克服作用が確認されています。

P-糖タンパク質はATP加水分解のエネルギーをタンパク質分子の構造変化に変換し、それとカップリングすることによって薬剤を細胞の中から外へ排出するタンパク質である。MDR1遺伝子にコードされたP-糖タンパク質はがん細胞に発現し、多くの抗がん剤を細胞外へ排出することにより、がん細胞を薬剤耐性にし、抗がん剤を効かなくする。 ゾスキダルはこのP-糖タンパク質を阻害することにより、癌細胞の薬剤耐性をなくし、抗がん剤を効くようにする。

P-糖タンパク質の作用を阻害するゾスキダルが、急性骨髄性白血病患者を対象にしてアメリカで治験が行われました。結果は、P値=0.617と、統計的有意差を出すことができなかったようです。

日本における治験情報を調べましたが、残念ながら該当するものはありませんでした。

膵臓がん患者にとっては、使える抗がん剤が次々となくなることが、不安の種です。海外で未承認の抗がん剤を使えるようにすることも切望されますが、ゾスキダルのような薬剤の研究が進んで臨床で使えるようになれば、一つの抗がん剤をより長く使えるわけで、国内外での研究が待たれます。


がんと闘う多くの仲間がいます。

にほんブログ村 病気ブログ すい臓がんへ
にほんブログ村

にほんブログ村 病気ブログ がんへ
にほんブログ村


スポンサーリンク

このブログの関連記事

  • 笑いでがんを治す笑いでがんを治す 産経にこんな記事が載っていました。 大阪府立成人病センター(移転、改称して「大阪国際がんセンター」となる)が吉本興業などの協力を得て、月2回程度、漫才や落語 […]
  • 積極的に計画・実行する人“がん死亡リスク低い”積極的に計画・実行する人“がん死亡リスク低い” 国立がん研究センターの多目的コホート研究『日常経験する問題や出来事に対する対処の仕方とがん罹患及び死亡との関連について』が発表されています。 日常的な出来事に対して […]
  • 「呪いの言葉」と「善意の謀略」「呪いの言葉」と「善意の謀略」 前沖縄県知事の翁長さんが膵臓がんで亡くなったとき、マスコミや週刊誌に登場した識者や医師などから「手術が死期を早めた。放射線なら助かった」と憶測による無責任は発言がありまし […]
  • 抗がん剤のやめどき抗がん剤のやめどき 再発・転移がん、二次治療のがんにはエビデンスがない 膵臓がんに使える抗がん剤は、実質的に3つしかありません。4つめのタルセバは、延命効果が乏しい上に、間質性肺炎という重い副 […]
  • 臨床試験(治験)の探し方(2)臨床試験(治験)の探し方(2) 治験へのアクセスが良くなった 従来は、どこでどのような臨床試験が行なわれているのかは公表されることがありませんでした。そのため、次のような弊害が指摘されてきました。 […]
  • 国民健康保険の一部負担金減免制度国民健康保険の一部負担金減免制度 がんになったとたんに病気のことももちろん心配ですが、お金のことも頭をよぎります。治療費はいくらかかるんだろう?仕事は続けられるのか? […]
0
Pocket
LINEで送る

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です