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植松稔先生「私は戦争に反対です。」

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平和とは 太陽の下 子供と散歩ができること


UMSオンコロジークリニックの植松稔先生がコラムで「私は戦争に反対です。」を書かれています。先進的な医療に従事している医師で、このように自分の考えを明らかにすることは少ないですね。しかも元防衛医大にいた先生です。あまり目に留めることもないサイトかもしれないので、全文を掲載します。(承諾を取っていませんが)

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 昨年あたりから、戦争というものについて本当に真剣に考えさせられるようになりました。
私は、昭和31年生まれの戦争を知らない世代ですが、日本で暮らしていて、実際に戦争に巻き込まれることへの不安がここまで高まったことは過去にありませんでした。

 面と向かって「戦争に賛成ですか?」と訊かれて「はい」と答える人は世の中にまずいないと思います。 しかし、戦争は人災です。自然に発生しないのは疑う余地がありません。間違いなく、誰かが何かの目的を持って起こしているのです。でも、一般市民に戦争を起こす力はありません。権力者(政治家)が起こしているのです。

 民族、国家を問わず全人類にとって、戦争は忌み嫌うべきものなのに、過去に戦争は起こり続けてきました。いつの世にも、何かしらの目的で戦争を起こしてしまう困った人がいた証拠です。そして、戦争が起こされてしまうと、その表向きの理由として民族、宗教、防衛などが挙げられますが、本当にそうでしょうか?
 私は、戦争がこの世からなくならない本当の理由は「利権」だと思っています。世の中に軍需産業という本当に迷惑な産業が存在していて、そこから多額の利益を得ている人たちが大勢いるのでいつまでも戦争がなくならないのだと思います。武器の値段を調べると空恐ろしいほど高額なのに驚かされます。

 これは、原子力発電所が世の中から消滅しないのと、少し似たところがあります。一度始めてしまうと、それで利益を得て生活する人が発生してしまうので、本当は悪いことだと判っていても、止めることが難しくなってしまうのです。でも、「必要悪」などと言って受け入れていたら、いつまでたっても、なくすことはできません。

 70年間も平和が続いた日本で心から平和を愛している日本人を、少しずつ戦争にすり寄らせるために、一部の困った人たちが、近頃しきりに「抑止力」という言葉を使って不安感を煽っています。世界中が戦争に近づいている危険な時代だから、米国と一緒に戦争のできる国になって世界の攻撃から日本を守ろう、と言いたいらしいです。しかし、まったく説得力がありません。

 彼らは、仮想敵国として何十年も前に国交正常化した中国を名指しています。テレビの地上波でも平気で発言しています。そのこと自体、国際社会においてかなり失礼な話で、外交上問題ないのか、と素人の私は思っています。でも、それはさておき、彼らが言うように、中国は日本に本当に戦争を仕掛けてくるのでしょうか?

 私も、中国が南シナ海などで行っていることは困ったことだと素直に思います。
また、偏屈な年寄りが騒いだことが原因とはいえ、東シナ海での日中両国の関係は10年前よりはるかに問題です。しかし、これらはどう考えても、戦力を背景とした抑止力ではなく、話し合いの外交努力で立ち向かうべき問題です。

 中国はここ数十年で本当に力をつけてきました。その急成長が心配な人もいるかもしれません。しかし、中国の原動力は貿易です。巨額の外貨を得たからこそ経済成長できたわけです。これからの中国も貿易なしでは存立できません。もしも、戦争行為で他国の人を死傷させたら、国際社会から軽蔑され厳しい経済制裁は免れないでしょう。だから、政治的に判断して、他国への武力行使などという愚かな行為にはでられないはずだと、私は思います。

 一方、中東の本当に困ったテロ組織はどうでしょうか。私は、こちらの方が比較にならないほど危険だと思います。テロ組織に対しては、日米同盟による軍事的抑止力などと言う概念はまったく通用しません。何よりも米国に対して牙を剥いているのですから。

 私は、湾岸戦争のとき、ボストンに留学していたので、テレビで親父の方のブッシュが、「米国によるクエートの解放が始まった」と言って戦争を開始するところを見ていました。中東から遥かに離れたボストンでしたが、留学していたハーバード大学の友達がとても怖がっていたのが印象的でした。何故かと訊くと、「ニューヨークやボストンは米国にとって象徴的な街だから、テロリストに狙われたら何が起きるかわからない」という返事が返ってきました。私が住んでいた間は米国で大きなテロ事件は起きませんでした。

しかし、10年後に 9.11 が起きたのです。

 もちろん私も、日米関係はこれからも大事にして欲しいと思います。でも、軍事同盟を強化するのは絶対に止めて欲しいと思います。米国と一緒に中東で戦争をした国々が、その後、次々とテロ組織の標的になっているという事実をみれば、米国との軍事同盟の強化がいかに危険なことであるか、誰が考えても明らかです。自衛隊員を危険にさらすだけでなく、一般市民にもテロの危険が増すのです。
 日本のような、安心安全の浸透した平和な国でテロリストが何かを企てたら、誰が止められるでしょうか。特に、再稼働などというとんでもない話になりつつある原子力発電所が自爆テロに狙われたら、日本は本当に人が住めない国になってしまいます。警備のきびしい米国でもテロは防げないのに、日本はデパート、アミューズメントパーク、新幹線などの鉄道、すべて無防備です。国会だけは、この間テロ対策訓練をしていましたけれど。

 最近になって、戦争に?がる法案に反対する声が、日本中であがるようになりました。特に若者や学者の発言に後押しされて、一般の主婦の方々にまで戦争反対の声が高まっているのが心強いと思います。とんでもない政府のとんでもない強行採決が、やっと穏やかな日本人の目を覚まさせているのでしょう。でも、あんな政府に国を委ねてしまったのは「私たち自身のミスだ」ということも忘れるわけにはいきません。

 私は、極力熱くはならないようにしようと思っています。日本が戦争に巻き込まれる危険がなくなるまで、静かに今の怒りを維持していくつもりです。米国のある人から「戦争に参加して世界に貢献してこそ一等国だ」と言われて、忠実にそれを守ろうとしていることも明らかになりました。実に愚かです。それならば私は、戦争に参加しない腰抜けの二等国の国民でありたいと思います。

 若い人たちのSEALDS 素晴らしいですね。オンコロジーの夏休みには、私も議事堂前の一人になろうと思っています。この春以降「FORUM4」「安全保障関連法案に反対する学者の会」「自由と平和のための京大有志の会」など共感できる組織に賛同を表明してきました。京大有志の会の声明書、読んでみてください。感動的です。そして、皆さんの中に、共感される方がおられましたら、どうぞこれらの組織にご賛同ください。国民ひとり一人が自分の声を上げる。本当の民主主義はその先にしかありません。今からでも遅くはありません。昨年末の総選挙での大失敗を、自分たちの手で取り戻していきましょう。
主権在民。
自由と平和のために。

平成27年夏                   植松 稔


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