大阪大学におけるがんのケトン食療法
『外科と代謝・栄養』誌の10月号に「~がんに対する糖質制限食治療の可能性~大阪大学におけるがんケトン食療法5年間の取り組みについて」との記事がありました。
阪大におけるケトン食療法の研究
このブログでも糖質制限食やケトン食療法については何度か書いています。最近では、古川健司先生の『ビタミンDとケトン食 最強のがん治療』にも触れています。
糖質制限食の権威である江部康二先生も協力して、大阪大学では糖質制限食、ケトン食療法の研究を続けています。
この5年間の研究の結果をまとめたのが上にあげた記事です。こちらに「大阪大学におけるケトン食療法」をPDFで貼っておきますが、以下はその概要です。
- ケトン食類似の食事をしているイヌイット族では、糖尿病もがん発症率も低い
- 欧米型の食事が浸透するに従い、イヌイット族も日本人も欧米型のがんが急速に増加した。
- マウス実験やドイツでの末期がん患者にケトン食を指導したところ、QOLが改善した
- これらのことから、ケトン食療法は、がん患者の治療の選択肢となりうる。
- ケトン食のレジメには苦労をしたが、最初の1週間:糖質 10g、2週間目~3ヶ月:糖質 20g、3ヶ月以降:糖質 30gの献立とした。
- 当初は肺がん患者の支持療法として開始したのだが、予想以上の臨床効果を示す患者が見られたので、その他のがん患者も対象とした。
- 55名のステージ4のがん患者が参加しているが、すでに5年以上長期生存している患者もいる。
- 心配した極端な低血糖は一例も生じていない。
- 現在データを解析中である
がんケトン食療法の課題
がんケトン食の作用機序の解明が必要である。ケトン食はがんを兵糧攻めにしているという仮説があるが、疑問である。なぜなら、がんケトン食を導入しても、患者の血糖値は正常化し、極端な低血糖を示すことはないからだ。
患者・医療機関への教育とエビデンスの構築が必要である。患者が自己流でおこなっている例を良く目にするが、自己流では血中ケトン体は上昇しておらず、低血糖や栄養バランスの悪化などが見られる。ケトン食糧法を続けていくためには、充分に経験を積んだ管理栄養士の協力が欠かせない。
がんケトン食療法は、単独で抗腫瘍効果を示すものではなく、従来のがん治療と組み合わせることによって効果を発揮する強力な支持療法である。
ゲルソン療法や糖質制限もなどの食事療法を
転移再発した治らない癌の場合
亡くなる寸前まで続けてる方もおられるようです
本人が納得してやってるのならいいでしょうが
家族が勧めて、患者本人はそれに従ってる場合も多いようです
ですが、結局患者が亡くなってから、
食べたいものを食べさせてあげればよかった
と後悔するケースを多数ブログ等でお見かけしました