「膵臓がん患者と家族の集い」のご案内


5/19『膵臓がん患者と家族の集い』

【日 時】2024年5月19日(日) 14:00~16:00(開場:13:45)
【会 場】大田区産業プラザPiO 6階D会議室
【参加費】1,000円
【対 象】膵臓がん患者とその家族、ご遺族
【定 員】60名
【内 容】
   第1部 ミニレクチャー:HIFU(強力集束超音波治療法)の治験とは」オンコロ:金川潤也さま他
   第2部 患者・家族の交流会
申込締切は5月16日(木)19:00です。

詳しくはオフィシャルサイトで

Eテレで『夜と霧』

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夜と霧 新版
NHK Eテレの「100分 de 名著」、8月はヴィクトール・E・フランクルの『夜と霧』が4回にわたって放映されます。初回は明日、8月1日(水)午後11:00~11:25。再放送もあります。

精神科医だったフランクルが、ユダヤ人がゆえにナチスの強制収容所に収容された3年間の体験記です。アメリカでは「私の人生に最も影響を与えた本」のベストテンに入ったこともあり、今でも多くの人に感動を与えている作品です。

私も膵臓がんを告知されたのち、しばらく経ったとき、この絶望的な状況から生還するにはどのような方法があるか、と迷っていたときに読んで感動した記憶があります。

私がもっとも感動したのは、苛酷な収容所生活の中で、死ぬほど疲れて薄いスープだけの椀を手に、床にへたり込んでいたとき、仲間が突然飛び込んできて「疲れていようがとにかく点呼場に出てこい」と叫ぶ。だた、地平線一杯を赤く染めて沈んでいく太陽を見せる、ただそれだけのために。そんな場面だ。

霜山徳爾訳の旧版と池田香代子(3.11後ブログ、HPで積極的に発信している)訳の新版があり、若い人には新版が読みやすいと思います。

3.11後、1年余を経て、この作品を取り上げる意味をプロジューサーNは、

今、日本では自殺者が14年連続で3万人を超えています。震災に見まわれ、全てを失ったという人も少なくありません。
運命に打ちのめされたという人、将来に希望が持てないという人が、世の中にあふれています。そこで8月のシリーズでは、人間の生きがいとは何かを追求した名著「夜と霧」を取り上げることにしました。
***************
フランクルは「人生はどんな状況でも意味がある」と説き、生きがいを見つけられずに悩む人たちにメッセージを発し続けました。彼が残した言葉は、先が見えない不安の中に生きる今の私たちにとって、良き指針となるはずです。
収容所という絶望的な環境の中で希望を失わなかった人たちの姿から、人間の“生きる意味”とは何なのかを探ります。そして苦境に陥った時の“希望”の持ち方について考えていきます。

と書いています。治る見込みのないがんを宿している患者にとっても、フランクルの体験と彼の希望を見失わない生き方は、多くの学ぶ点があるのではないでしょうか。

シュレベールの『がんに効く生活』にも、「恐怖を克服する」というところに『夜と霧』について述べられています。同年代の若い医師で悪性リンパ腫にかかっていたデニスとシュレベールは一緒に『夜と霧』を読み返すのでした。

デニスは、のちに彼が”魂”と呼ぶものを発見しつつあった。彼の人生の一つひとつの選択、一つひとつの行動が、無限の波紋を投げかけ、世界の運命の中に永遠にその痕跡をとどめる・・・・。カオス理論で見られる「北京で超が羽ばたくと、ニューヨークで嵐が起きる」という例えと同じだ。デニスは、自分の一つひとつの思いや言葉の重みを意識するようになった。そして周りの人々に対してだけでなく、大地に対してさえも、愛情を持って接するようになった。

デニスは、こうした体験を通じて死への恐怖を克服していったのでした。

フランクル『夜と霧』 2012年8月 (100分 de 名著)苛酷な収容所から生きて帰ってきた人と、亡くなった人との違いは何だったのでしょうか。フランクルは「未来に対して希望を持ち得ているか否か」がそのひとつだと言います。「クリスマスには休暇が出て家に帰ることができる」という希望が幻想だと分かったとき、多くの収容者が落胆して力尽きていった、そのようなエピソードも紹介しています。

また、体の頑丈な人が生き延びたのではなく、感受性の豊かな人が生き延びたのでした。信仰を大切にする人、あるいは人間を超えた崇高なものとの?がりを大切にする人が多く生き延びたのでした。

幸福は求めようとすればするほど逃げていくものであり、仕事に没頭する、愛する人を愛し続けていれば、自ずから幸福になるのだと、考え方の視点を転換することを述べています。がん患者の場合を考えれば、がんが治ることだけを願っても治癒は逃げていく。体に良いと思われること、がんを育てない体内環境を作る生活を続けていくことで、「成りゆき」としてがんが治ることもあるのです。フランクルの言葉を借りれば、収容所から生きて生還できるかどうか、それは分からない。自分で決めることはできない。しかし、それまでの時間を「自分らしく」生きること、かけがえのない人のために生きること、はできるのだと。

諸富祥彦氏の解説でテキストも出されています。テキストには、諸富氏の中学3年生の頃の「不思議な」体験、”何か他の力”によって立たされているという体験も述べられています。同じような体験は、柳澤桂子さんも『いのちの日記』に書いています。こちら

このブログで『夜と霧』に触れた記事がいくつかあります。↓


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